弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2020年 05月 08日 ( 1 )

「レムデシビル」承認

ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」が,5月7日,新型コロナウイルス感染症の治療薬として日本国内で承認されました.
NIHが,4月29日,症状改善までの日数は、対照群が平均15日で,レムデシビルが平均11日で,統計的な有意差がみられた,と報告しています.米国では,酸素飽和度94%以下,体外式膜型人工肺(ECMO)導入,侵襲的人工呼吸器管理のいずれかに当てはまる患者を対象として緊急使用が認められました.
日本では,ICUでの治療とECMO・人工呼吸器の使用の患者を対象としています.酸素飽和度94%以下は使用条件を充たしません.急性腎障害,肝機能障害等の副作用があります.

日本医師会 COVID-19有識者会議は,2020年4月28日時点で,「COVID-19に対する候補薬剤及び開発状況」について,次のとおり述べています.

「現在多くの研究者や製薬企業がSARS-CoV-2を克服すべく、治療薬の開発を急調で進めている。同時に、SARS-CoV-2に特異的な薬剤が開発されるまでの繋ぎとして、既存薬の中で治療薬の探索が進められている。
作用機序別に国内外の候補薬剤の開発状況をまとめると、9種類の既存薬に対して22の試験が実施されている。うち実施中:14試験、終了:5試験、計画中:3試験となっている。
レムデシビルは我が国では未承認の薬剤であるが、有効性が実証されている。今後レムデシビルがCOVID-19の標準治療として位置づけられる可能性が高い。
ファビピラビル(アビガン)に関しては、国内外において複数の試験が実施されているが、現時点ではCOVID-19に対する有効性を示す論文は発表されていない。
ロピナビル/リトナビル合剤(カレトラ)に関しては、現時点で有効性を示すデータはない。
クロロキン(プラケニル)も、現時点では有効性が確認されていない。
以上、多くの既存薬がCOVID-19の治療薬候補として挙げられ、試験が進められている。しかし、これらの薬剤はSARS-CoV-2を狙って作られたものではないため、その有効性は限定的と考られる。
根本的な問題の解決はSARS-CoV-2特定的な治療薬の開発を期待するしかない。」


日本医師会の中でも温度差があるようで,横倉会長の推すレムデシビルとアビガンでまとまっているわけではないようです.
他疾患の治療薬の転用にはどうしても限界がありますので,根本的な解決にはこの疾患に特定的な新薬を開発することが必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2020-05-08 09:18 | 医療