弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:タバコ( 256 )

たばこは1箱1000円に値上げすべきでした

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値上げ後も進まぬ禁煙 たばこ増税額『中途半端』」(2月23日日本経済新聞)は,「たばこ離れは、昨秋の値上げ以降もあまり進んでいない。増税に伴う上げ幅は過去最大だったが、国がもくろんだ健康増進策としては増税額が中途半端だったと専門家はみる。予防医学を推進するのなら、さらなるたばこ増税に踏み込まなければならない。」と書いています.

「公衆衛生や医療経済の専門家の間では『1箱1000円までなら、たばこ税の税収は増大する』との見方が有力になりつつある。」

「東京大学の五十嵐中・特任助教(医薬政策学)が試算したところ、1箱700円で、男性喫煙率(09年で38.2%)は25%まで下がるという。」
 
「喫煙は様々な生活習慣病の元凶で、男性なら、がん死亡の40%がたばこが原因という。国民医療費のうち、1兆3000億円前後が喫煙による損失とのデータもある。」(「日本経済新聞」)

たばこ税は,増収の観点より国民の健康の観点から検討すべきですが,上記のとおり1箱1000円までなら増収となるのですから,とりあえずは,そこまで上げるべきでした.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-23 17:54 | タバコ

がんで声帯切除の鍵谷県議,代読質問 知事,若年層の禁煙治療に助成

b0206085_9364525.jpg写真は新宿御苑です.

◆ 鳥取県議会での質疑

鍵谷県会議員は,平成22年4月に喉頭がんが見つかり,同年6月に声帯を切除しました.
平成23年2月21日の最後の質問は,代読で行われました.

「私ががんになった大きな要因は喫煙にあった。たばこを吸い始める若い世代への非喫煙対策に一層力を入れるべきだと思う」と述べたそうです.

これに対し,平井鳥取県知事は「若年層に県独自で助成をしたい。また学校教育と連動した喫煙防止キャンペーンなど若年層の非喫煙対策を選挙公約に掲げたい」と答弁したそうです.

県議会:がんで声帯切除の鍵谷県議、代読質問 知事、若年層の禁煙治療に助成 /鳥取」(毎日新聞2011年2月22日)・「声帯失った県議 代読質問」(読売新聞2011年2月22日)ご参照


◆ 禁煙外来での保険適用となる条件

厚生労働省保険局医療課長通知 保医発第0305001号(平成20年3月5日)「診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について」は,以下のとおりです.

ニコチン依存症管理料
(1)  ニコチン依存症管理料は、入院中の患者以外の患者に対し、「禁煙治療のための標準手順書」(日本循環器学会、日本肺癌学会及び日本癌学会の承認を得たものに限る。)に沿って、初回の当該管理料を算定した日から起算して12週間にわたり計5回の禁煙治療を行った場合に算定する。
(2)  ニコチン依存症管理料の算定対象となる患者は、次の全てに該当するものであって、医師がニコチン依存症の管理が必要であると認めたものであること。
ア 「禁煙治療のための標準手順書」に記載されているニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたものであること。
イ 1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じて得た数が200以上であるものであること。
ウ 直ちに禁煙することを希望している患者であって、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意しているものであること。

(3)  ニコチン依存症管理料は、初回算定日より起算して1年を超えた日からでなければ、再度算定することはできない。
(4)  治療管理の要点を診療録に記載する。

◆ 県が負担する助成金をJTに請求できないか

「(2)イ1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じて得た数が200以上であるものであること。」という要件は,患者が多いので,ニコチン(タバコ)依存症が強固になっている患者に絞るものです.
しかし,例えば,一日20本×10年で200ですから,若年者にはハードルが高いのです.
一日20本×10年分のタバコは,東京タワー17塔分になります.

病状が進行するまで保険治療を行わないというのは適切ではありません.
早急に若年者への治療をすみやかに開始する必要性があります.

平井知事の答弁は,県の補助で行おう,という趣旨なのです.
ただ,この助成金の費用は,県からJTに請求し,最終的にJTに負担させるべきものではないでしょうか.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-23 09:40 | タバコ

ペットも受動喫煙

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わさおが大人気ですね.
それはさておき,2月15日の毎日新聞に「<たばこ>人間だけではない ペットも受動喫煙でがんの恐れ」という記事が載っていました.

「マサチューセッツ大が93~00年に実施した調査によると、家庭内で副流煙にさらされた猫が悪性リンパ腫になる危険性は、さらされていない猫の2・4倍。その環境が5年以上続くと、3・2倍に上がるとされる。」

特にダックスフントのような鼻先の長い犬種は鼻腔がんの発症リスクが高まる,というコロラド大の研究もあるそうです.

ペットと暮らす人には非喫煙者が多いように思いますが,喫煙している人はこれを機に禁煙を考えたらいかがでしょうか.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-17 07:51 | タバコ

ソウル高裁のタバコ訴訟判決

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朝鮮日報は,「喫煙と肺がん発症との因果関係認めるもKT&Gの責任認めず」と報じています.KT&Gは,旧韓国たばこ人参公社で,日本のJTに相当します.

大韓民国の裁判所は,米国なとの裁判所とは異なり,タバコの害について消極的な対応をしてきました.ソウル高裁民事9部(ソン・ギムン裁判長)の2月15日の判決も,基本的にはその流れを踏襲していますが,一歩踏み出し,喫煙によって肺がんになったと認定しています.

「高裁は判決理由について『長期間にわたる喫煙と肺がんの発症には疫学的な因果関係が認められ、原告の肺がん患者7人のうち4人は喫煙によって肺がんになったことが認められる。しかし、KT&Gがたばこに依存させる目的で情報を隠したり、ニコチンの量を改ざんするといった違法行為をしたりしたと考えるのは困難だ』と述べた。だが、高裁は『喫煙のために(肺がんを)発症したことが認められる以上、別個の訴訟を起こし、KT&Gの違法行為が認められれば、損害賠償を請求できる可能性がある』と付け加えた。」(朝鮮日報)

情報隠蔽,改ざんという事実に基づかない請求原因なら,損害賠償責任が認められる可能性がある,ということでしょう.つまり,情報隠蔽,改ざんという事実の立証にかかわらず,タバコ業者として負う注意義務に照らし,予見可能性があれば,賠償責任を負う,と考えられます.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-16 22:25 | タバコ

敷地内完全禁煙が必要な理由

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受動喫煙ファクトシート 2 敷地内完全禁煙が必要な理由」が,禁煙学会のホームページで公開されました.

「2004年にニュージーランドの研究グループがBMJに非喫煙者を家庭受動喫煙あり群となし群に分けて、年間死亡率を調査した結果を発表しました。
年令、人種、婚姻状態、社会階層、収入、住宅種類、地域経済状態などの調整を行った結果、男性非喫煙者は、家庭の受動喫煙があると、年間死亡率が20%増加していることが分かりました。特に心臓病と脳卒中による死亡が多かったのです。
女性では、家庭内受動喫煙の有無による死亡率の差は男性よりも大きくなっていました。家庭内受動喫煙で年間全死亡率が30%増加していました。」

他の疫学調査とあわせると,控え目にみても非喫煙者の全死亡率が家庭の受動喫煙で約20%増えています.

PM2.5㎍/㎥(空気力学的直径が2.5マイクロメートル(㎛)未満の微小粒子濃度)の微小粒子は,肺胞まで入り込みます.その微小粒子がもたらす死亡を計算すると,敷地内を完全禁煙にする必要がある,としています.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-16 21:39 | タバコ

JT,海外たばこ事業で年率10%のEBITDA成長目標

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写真は迎賓館です.

◆ 新貝康司氏へのインタビュー

ブルームバーグの記事「JT:海外たばこ成長持続へ、質やブランド優位-露や中東有望(訂正)」 )は,次のとおり,JT取締役・JTI副社長の新貝康司氏へのインタビューに基づき,海外事業の好調さを紹介しています.

「たばこ販売本数世界4位のJTは、海外たばこ事業で年率10%のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)成長を目指す。国内市場の伸びが期待しにくい中、海外市場で品質やブランドへの高い評価がシェア拡大に結びつく。新貝康司取締役がブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。」
「海外EBITDAは10年に31億9200万ドルと前年比7.7%増加、09年は同14.9%増えた。」
「海外戦略が奏功したJTは、昨年市場が縮小したトルコやイタリアでも販売を伸ばた。昨年末のシェアは英国39%、台湾38.4%、ロシア37%、トルコ22.6%、スペイン20.8%、イタリア19.7%といずれも過去最高。」

新貝康司取締役は,10%のEBITDAはコミットメントではないが,毎年更新される社内目標で意識していると強調したそうです.

なお,JTIは,ホームページで「JTはたばこ産業において世界第3位の企業あり、世界市場シェア11%、時価総額約32億米ドルを誇っています。」と述べています.
JTは,世界で唯一高い成長が見込めるタバコ会社なのです.

本来健康と生命に害を及ぼすタバコを製造,販売して儲けるという発想自体を転換すべきなのに,タバコ規制の網をかいくぐって,他社を出し抜き,すこしでも規制の弱いところで儲けようとする企業体質がうかがえます.

◆ タバコ訴訟次回期日

タバコ訴訟次回期日は,3月23日(水)14時,東京高等裁判所822号法廷です.
傍聴券の抽選があります.
裁判長は交代し,福田剛久判事です.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-15 07:58 | タバコ

「インドの専門家、ガンが死亡要因のトップに」

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写真は,1956年にスリランカのバンデラナイケ首相より寄贈された象のアヌーラ氏です.病気になったとき他の象が助けました。日本国内最長寿の象です.私と同年齢です.

◆ インドガン学会の専門家

CRIは,2月13日,「インドの専門家、ガンが死亡要因のトップに」と報じています.

インドガン学会の専門家は,2025年までにガンが死亡要因のトップになり,発展途上国はより深刻なチャレンジに直面するだろう,40%のガン死亡者が喫煙に関わっている,と指摘した,とのことです.

◆ 日本たばこ産業株式会社(JT)の海外戦略 

日本たばこ産業株式会社(JT)の100%出資の子会社であるJTインターナショナルは,輸出の約70%がアジア地域です.
JTは,1999年アメリカたばこ会社RJレイノルズの海外販売部門を買収し,2007年イギリスのたばこ会社ギャラハーを買収し,海外市場を広げています.2009年にブラジルのカネンバーグ社など3件の葉たばこサプライヤー買収しています.

◆ 日本たばこ産業株式会社法

日本たばこ産業株式会社法(昭和五十九年八月十日法律第六十九号)第5条第1項は,事業の目的を以下のとおり限定しています.
「一  製造たばこの製造、販売及び輸入の事業
二  前号の事業に附帯する事業
三  前二号に掲げるもののほか、会社の目的を達成するために必要な事業」

1号に「輸入」はありますが,「輸出」はありません.
日本でのたばこの製造,販売という目的を達成するためには輸出が必要とは言えませんから.輸出は3号にもあたりません.

第5条第2項には,「会社は、前項第三号に掲げる事業を営もうとするときは、財務大臣の認可を受けなければならない。」とありますが,輸出について財務大臣の許可を受けたとは聞いていません.
日本たばこ産業株式会社(JT)のたばこ輸出には,法的な疑問があります.

また,日本たばこ産業株式会社のたばこ輸出は,とくにたばこ規制の弱い国をターゲットにしているようですが,いずれ,死の商品を輸出した国として日本が非難を浴びることになりかねません.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-14 10:06 | タバコ

自民党の総務会が禁煙に

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1月2日のブログで, 東京新聞朝刊の「分煙進まぬ自民党本部 『改革できない象徴』」という記事をご紹介しましたが,自民党の総務会が2月8日から全面禁煙となったそうです.僅かですが,前進です.

ヘビースモーカーの石破茂政調会長のコメントはありませんが,同じくヘビースモーカーの大島理森副総裁は「耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶだ」と述べたそうです。.
政治家にとって,喫煙はネガティブな評価になりますし,なにより,ご自身と周囲の方の健康のために禁煙をお奨めします.

ちなみにオバマ大統領は,1年間禁煙しているそうです(時事通信「オバマ大統領、禁煙成功=ミシェル夫人がお墨付き」).
また,ナショナルズのスティーブン・ストラスバーグ投手は,禁煙を宣言したそうです.唾液腺がんにかかっている元パドレスのトニー・グウィンが「長年、愛用していた噛みタバコが影響していたかもしれない」と話したのがきっかけとのことです(「故障中の超大物新人・ストラスバーグ、禁煙宣言で久々話題に」).

朝日の「自民、総務会を全面禁煙 大島氏『耐え難きを耐え…』 」は,「劇的に禁煙化が進むわけでもなさそうだ。」と冷ややかです.

産経の「自民党総務会がついに禁煙」は,「自民党は愛煙家にはやさしく、党本部で開かれる部会や全国幹事長会議など喫煙可能な会議は多い。」と結んでいます.

時事通信の「総務会が禁煙に=副総裁『耐え難きを耐え』-自民」は,「毎朝開かれる部会などは相変わらず喫煙可能で、党内からは『今どきたばこを吸いながら会議をやるのは自民党くらい。かなり遅れている』との声も漏れている。」と指摘しています.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-09 10:18 | タバコ

恋愛・結婚における喫煙意識調査結果など

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◆ ファイザーの調査


ファイザー株式会社は,バレンタインデーを前に,20代から40代の男女各600名を対象に恋愛・結婚とタバコに関するインターネット調査を実施し,その結果を2月7日発表しました.
日本経済新聞は,2月7日,「ファイザー、男女の恋愛・結婚における喫煙意識調査結果を発表」と報じています.

喫煙者自身が能動喫煙のために健康を害し,死亡するのはもちろんですが,全死亡の約1%は,受動喫煙のための死亡です.つまり,パートナーが喫煙者であれば,自分や子どもが受動喫煙によって死ぬ確率は当然高くなります.

恋人にするならタバコを吸わない人がいい,という非喫煙女性は,74.0%ですが,結婚相手となると81.3%に上がります.

パートナー(恋人・結婚相手)が喫煙者なら禁煙を促すのは,非喫煙男性では75.3%,非喫煙女性では74.0%とほぼ変わりません.
4人に1人は禁煙を促さない,というわけです.意外に低い数字です.パートナーや自分や子どもがタバコのために病気になり死亡することをあまり想像しないのでしょう,日本は,タバコ喫煙の危険性について鈍感であること(喫煙に寛容であること)が,示された調査です.

パートナーに薦める禁煙方法の2位に「禁煙外来」がランクされ,禁煙外来の認知度が高まってきたことが分かります.

◆ JTのたばこ事業が増益修正

日本経済新聞は,2月7日「JTの11年3月期、純利益を上方修正 『たばこ』想定より減らず 」と報じています.

11年3月期のJTの国内たばこ事業の営業利益は,国内でたばこ増税後に販売が事前想定ほど落ち込まなかったので,予想の1720億円から1990億円に増え,前期の実績(1987億円)とほぼ同じ水準になるとのことです.
海外たばこ事業の営業利益見通しも20億円上方修正したそうです.「カナダ行政当局に訴訟の和解費用として支払った約130億円を特別損失として計上したが、本業の利益増や為替差損の減少で吸収した。」とのことです.

能動喫煙による推定死亡人数は510万人,受動喫煙による推定死亡人数は60万人,計590万人の人が毎年タバコにより死亡しています.
それでも,JTは,タバコ事業で収益を上げようとし,実際収益を上げています.
禁煙は,タバコの依存性のため,なかなかすすみません.
タバコの害と依存性についての啓発活動も必要ですが,同時に法律でタバコ事業を規制する必要もあるのではないでしょうか.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-08 09:21 | タバコ

受動喫煙により全世界で年間60万人が死亡しています

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新しいニュースではないのですが,今日1月31日ののミクスに,「受動喫煙原因による死亡 全世界で年間60万人に」として,スウェーデンのカロリンスカ研究所が,受動喫煙で年間60万人が死亡している,とランセット1月号で報告したことが紹介されていました.全世界約67億人の年間死亡者が約6000万人ですから,その約1.0%が受動喫煙による死亡なのです.
以下,ミクスを抜粋引用します.

「受動喫煙を原因とした全世界の死亡人数は、2004年で推定約60万人に上り、全死亡の1%を占めることが明らかとなった。スウェーデンKarolinska InstituteのMattias Öberg氏らの研究グループが、医学誌「THE LANCET」1月8日号で報告した。」

「受動喫煙からの相対的な疾患リスクを検討した疫学研究やWHOのデータなど192カ国のデータから、2004年における受動喫煙への暴露率と、受動喫煙による死亡と障害調整生存年数(DALY)を推定した。」

「世界の受動喫煙による死亡は、全死亡の約1%にあたる60万3千人と推定され、DALYは受動喫煙によって1090万年の損失を招いたとされる。成人における受動喫煙による最も大きな死因は虚血性心疾患で37万9千人、次いで喘息が3万5800人、肺がん2万1400人であった。小児(※14歳以下と定義)では、5歳未満での下気道感染症が16万5千人と非常に多かった。DALYの損失の多くは、小児の下気道感染症が原因で594万年。これらの疾病負担の約半分は、南東アジアと西太平洋で占められていた。」

「疾病負担は性別と年齢により不均等に影響しており、死亡の47%は女性が占め、DALY損失の61%が小児であった。」

「能動喫煙による推定死亡人数は510万人であることから、これを加算すると、喫煙による世界の死亡人数は合計570万人に上ることになる。特に暴露率は小児が最も高く、自宅で喫煙する近親者からの暴露という、回避できない状況が浮き彫りとなった。
このことからも、公衆衛生の面と臨床的側面から、全世界的に受動喫煙を削減する有効的な施策が取られるべきであると、研究グループは結論付けた。」

ランセットの「Worldwide burden of disease from exposure to second-hand smoke: a retrospective analysis of data from 192 countries」の 「Findings」は,以下のとおりです.

「Worldwide, 40% of children, 33% of male non-smokers, and 35% of female non-smokers were exposed to second-hand smoke in 2004. This exposure was estimated to have caused 379 000 deaths from ischaemic heart disease, 165 000 from lower respiratory infections, 36 900 from asthma, and 21 400 from lung cancer. 603 000 deaths were attributable to second-hand smoke in 2004, which was about 1·0% of worldwide mortality. 47% of deaths from second-hand smoke occurred in women, 28% in children, and 26% in men. DALYs lost because of exposure to second-hand smoke amounted to 10·9 million, which was about 0·7% of total worldwide burden of diseases in DALYs in 2004. 61% of DALYs were in children. The largest disease burdens were from lower respiratory infections in children younger than 5 years (5 939 000), ischaemic heart disease in adults (2 836 000), and asthma in adults (1 246 000) and children (651 000).」

受動喫煙により,正確には603000人が死亡しています.

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谷直樹
by medical-law | 2011-01-31 10:40 | タバコ