弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:弁護士会( 97 )

第二東京弁護士会の次期会長は笠井直人先生

第二東京弁護士会の次期会長に,笠井直人先生(五月会)が,約85%の支持(2004票中1705票)を獲得して当選しました.五月会以外の派閥からも1000票以上を集めたことになります.
なお,投票率は4割に届きませんでした.

谷直樹

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by medical-law | 2018-02-10 02:56 | 弁護士会

次期日弁連会長に菊地裕太郎先生(東京弁護士会所属),日弁連会長,最高裁長官,検事総長が全て北海道出身者に

昔は,全国ニュースで「台風は北海道方面に去りました」と言われていました.
ドラマでも左遷先はきまって北海道でした.
最近でも,ドラマ「99.9 ~刑事専門弁護士~ SeasonⅡ」第3話では,無罪判決を下した裁判官が北海道の家裁の所長代行に異動となります.

そのような扱いをされている北海道ですが,偶然にも,最高裁長官,検事総長,日弁連会長を北海道出身者が占めることになりました
菊地裕太郎先生(東京弁護士会所属)が次期日弁連会長に当選したからです.「よくもわるくもおおらか」(菊地先生の自己紹介)は道産子の特徴です.

○菊地裕太郎次期日弁連会長の経歴
1951年 北海道伊達町(現伊達市)生まれ
1970年 函館ラ・サール高校卒業
1977年 東京大学法学部卒業

○大谷直人最高裁長官の経歴
1952年 北海道赤平町(現赤平市)生まれ
琴似町(現札幌市),三笠市にも住み,小学5年の時に東京に転居
1975年 東京大学法学部卒業

○西川克行検事総長の経歴
1954年 北海道岩見沢市生まれ
1973年 札幌南高校卒業(私の高校の後輩になります)
1977年 東京大学法学部卒業

谷直樹

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by medical-law | 2018-02-10 02:07 | 弁護士会

日本弁護士連合会会長選挙

日本弁護士連合会会長選挙に東京弁護士会所属の先生お二人が立候補されました.
ちなみに現会長中本和洋先生は大阪弁護士会所属です.
投票率はどれくらいになるでしょうか.前回は5割を切りましたが,今回は5割を回復できるでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2018-01-17 14:03 | 弁護士会

「解説弁護士職務基本規程第3版」

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「解説弁護士職務基本規程第3版」(2017年12月発行)を,第2版(2012年12月発行)と読み比べました.だいぶ厚くなり,第3版には最近の先例が収載されていました.
白から緑の縦縞のグラデーションの表紙は,この本の内容を象徴的に表現しています.ダークグレー,ミディアムグレー,ライトグレーのあたりの解説は,必ずしも全委員が納得しているわけではなさそうです.
解説としてはかなり踏み込んで書いているところもあれば,当然許されないだろうと思う例が,微妙な先例があるのでそうなるのでしょうが,(歯切れ悪く)例外的に許される場合もあるような書き方をしていたり,許される行為と許されない行為の線引きがわかりにくい曖昧な書き方がされているところも結構あるように思いました.手続きを践んでいなければ,内容が適正妥当であろうと許されないとなるのが当然のように思うのですが,必ずしもそのような解釈になっていないようです.また,許されないのは一致しても,どの条文を適用するか,に争いがある部分もあるようです.先例を無視できない以上,このような解説になるのでしょうが,先例が必ずしも支持できるものとは限らないことを考えると,「解説」である以上それでよいのか難しいところです.
考え方に諸説あり,単位会と日弁連で分かれた例もあります.組織内に多様な考え方があること自体は一般的には健全なことなのですが,事柄の性質上解釈の統一が必要とされるでしょうから,そのような問題については徹底的に議論を重ねたほうがよいと思います.
事例・先例の集積を俟つようなものではありませんので,会員の考え方の分かれているものについて規程で規制することは現実には難しいのかもしれませんが,「弁護士職務基本規程」が制定されたのは平成16年のことですので,しかも必要に迫られわずか3年の検討で作られたことも考えると,これから5年くらいかけて「弁護士職務基本規程」を現行の20倍くらい詳細にし明確化する方向で改訂したほうがよいのではないかと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2018-01-15 21:51 | 弁護士会

東京弁護士会が弁護士法人アディーレ法律事務所を業務停止2月,元代表社員を業務停止3月の懲戒処分

東京弁護士会は,1か月限定無料・値引きキャンペーンを約5年間繰り返した件等で,弁護士法人アディーレ法律事務所を業務停止2月,元代表社員を業務停止3月の懲戒処分にしたと発表しました.
弁護士法人アディーレ法律事務所は所属弁護士が200名近くいます,これは,5大法律事務所(西村あさひ法律事務所,アンダーソン・毛利・友常法律事務,TMI総合法律事務所,長島・大野・常松法律事務所,森・濱田松本法律事務所)に次ぐ人数です.弁護士就職難時代の救世主的役割を果たしていたようです.

黎明期のクレサラ訴訟を担当した弁護士は判例を一歩一歩前進させていく地道な苦労を重ねていました.過払い金請求訴訟の判例が確立すると,定型的な処理が可能となりました.そして,定型的に処理できる弁護士業務のみを取り扱うビジネスモデルの法律事務所が登場しました.
弁護士法人アディーレ法律事務所は過払い金請求訴訟が確立した後に急成長した法律事務所で,今では過払い金返還以外も取り扱い,マスコミへの露出も多く,広告を見たことのある方も多いと思います.広告費と人件費以上に収益をあげるために,経験の少ない弁護士でも容易にできる仕事を大量に集める必要があったことは分かりますが,誤解を与えてまで顧客を誘引することに躊躇はなかったのでしょうか.法律の専門家である弁護士で構成される弁護士法人ですから,不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第2号の有利誤認表示にあたることは分かっていたでしょうが,業務停止2月の処分がなされるとの認識はなかったでしょう..
業務停止2月が弁護士法人の経営に与える影響は大きいと思います.元代表社員は,「ムネンアトヲタノム」(セガ「侍」より)という感じでしょうか.

東京弁護士会によると処分理由は次のとおりです.

被懲戒者××××(以下「被懲戒者××」という。)は,被懲戒者弁護士法人アディーレ法律事務所(以下「被懲戒者法人」という。)の元代表社員である。
被懲戒者法人は,被懲戒者××の指示を受けて,被懲戒者法人ウェブサイトにおいて,債務整理,過払金返還請求について,それぞれ,約1か月ごとの期間を限定して,
(1)平成22年10月6日から同25年7月31日まで,過払金返還請求の着手金を無料又は値引きする,
(2)平成25年8月1日から同26年11月3日まで,借入金の返済中は過払金診断を無料とする,過払金返還請求の着手金を無料又は値引きする,
(3)平成26年11月4日から同27年8月12日まで,契約から90日以内に契約の解除をした場合に着手金全額を返還する,借入金の返済中は過払金診断を無料とする,過払金返還請求の着手金を無料又は値引きする,
との広告を継続して行い,改正前不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)第4条第1項第2号の有利誤認表示をした。
これは,景表法,日本弁護士連合会の弁護士等の業務広告に関する規程等に違反するものであり,弁護士法第56条第1項の品位を失う非行に該当する。 」


東京弁護士会は,業務停止処分の影響力の大きさについても十分検討した筈です. 当然,会長選の因縁・報復説等も含め,東京弁護士会への反発,非難も十分考えた筈です.弁護士法人アディーレ法律事務所対東京弁護士会の裁判は必発です.それでもなお業務停止処分を選択したことに弁護士会としての相当の覚悟を感じます.

東京弁護士会長の渕上玲子先生は,次のとおり述べています.

「同弁護士法人の広告表示は、債務整理・過払金返還請求に係る役務を一般消費者に提供するにあたり、実際の取引条件よりも有利であると一般消費者を誤認させ、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある極めて悪質な行為であり、しかも、長期間にわたって多数回反復継続されている組織的な非行と言わざるを得ません。
当会は、このような事態が生じたことを重く受け止め、今後も、市民の弁護士会に対する信頼を確保するために、弁護士や弁護士法人の非行の防止に努めるとともに、非行に対しては厳正に対処して参ります。」


弁護士法第56条第1項は,次のとおり定めています.
 
「弁護士及び弁護士法人は、この法律又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。」

弁護士は,謂わば依頼されて正義のための戦いを行なう現代のサムライでしょう.サムライは,武士道に生きてこそサムライです.
このような時代ですが,弁護士としての品位,品格は大事にしたいと思います.

【追記】
今日打ち合わせのため当事務所に来た或る東京弁護士会の弁護士が,弁護士会のアディーレ相談電話が大変なことになっている,と言っていました.


谷直樹

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by medical-law | 2017-10-12 23:59 | 弁護士会

日本弁護士連合会の臨時総会,依頼者見舞金制度創設を可決

b0206085_0554137.jpg本来は,基本的人権を擁護し,社会正義を実現することを使命とし,常に、深い教養の保持と高い品性の陶冶に努め,法令及び法律事務に精通しなければならないのが弁護士です.公益活動は,弁護士の本来の仕事です.世のため人のために働くのが弁護士です.

ところが,成年後見人として管理する高齢者の財産を横領する弁護士が後を絶ちません.
弁護士は,簡単な試験に受かり,短い司法修習を終え,とても簡単な二回試験に受かり,弁護士会に登録すれば,誰でもできる職業です.弁護士になるのは簡単ですが,弁護士として生きていくには,弁護士になったあとの努力と研鑽がとても重要です.
つまり,弁護士は,規範意識をチェックするシステムはなくたとえ規範意識が鈍磨した人でも簡単になれる職業ですが,努力と研鑽を積まないと信頼と成果を得ることができず,経営がたちゆかない職業です.金儲けに走ることと経営基盤を安定させることは全く別の話です.
後見人弁護士による横領を確実に防止するには,今のところ弁護士を後見人に選任しない以外ありませんが,実際には成年後見人の5人に1人は弁護士です.
一般の人にとって,弁護士が成年後見人を務めることによる不安感は,相当に大きいようです.

日本弁護士連合会(日弁連)は,今日,臨時総会を開き、依頼者見舞金制度を創設する議案を,賛成9848,反対2699,棄権88で可決しました.
2017年4月1日以降に発生した横領行為から,成年後見制度などで弁護士に財産を横領された被害者に対して、1人あたり500万円を上限(同一弁護士の被害者が複数いる場合は合計2000万円を上限)として見舞金が支払われます.司法書士会の後追いです.
私の払う弁護士会費の一部が,見舞金の原資となるわけです.
しかし,これで弁護士が成年後見人を務めることによる不安感が一掃されるわけではありません.
信頼回復のためには根本的な対策が必要でしょう.依頼者見舞金制度創設は横領後の緊急避難的救済措置にすぎません.横領自体を防止するための制度の創設が不可欠です.


なお,中川素充先生らが、『弁護士 転ばぬ先の経営失敗談』等で知られる北周士先生へ委任した委任状3通が書き換えられた問題について,東京弁護士会は事務員のミス(白紙委任状のなかに紛れ込んだ)と説明しています.
おそらくそうなのでしょうが,証拠が示されていないので,この説明,信じるか信じないかはあなた次第・・・という状況です.


谷直樹

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by medical-law | 2017-03-03 20:54 | 弁護士会

日弁連,旧優生保護法下において実施された優生手術及び人工妊娠中絶に対する補償等を求める意見書

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日本弁護士連合会(日弁連)は,2017年2月16日,「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に対する補償等の適切な措置を求める意見書」を発表しました.長文ですが,ご一読をお奨めいたします.


「第1 意見の趣旨
1 国は,旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶が,対象者の自己決定権及びリプロダクティブ・ヘルス/ライツを侵害し,遺伝性疾患,ハンセン病,精神障がい等を理由とする差別であったことを認め,被害者に対する謝罪,補償等の適切な措置を速やかに実施すべきである。
2 国は,旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に関連する資料を保全し,これら優生手術及び人工妊娠中絶に関する実態調査を速やかに行うべきである」


そして。次のとおり結んでいます.

「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶の被害者は合計8万3963人にも及び,これらの被害者に対しては,ハンセン病を理由とする被害者に対してのみ,その隔離政策と差別全般に対する謝罪と補償がなされたものの,それ以外には,今日に至るまで謝罪や補償がなされることなく放置されている。

「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶は,対象者の自己決定権(憲法13条)及びリプロダクティブ・ヘルス/ライツを侵害し,かつ,平等原則(憲法14条1項)に違反する。

日本政府は,実施当時,旧優生保護法に基づき適法に行われた手術は補償の対象とはならない旨の見解を示しているが,法が憲法に違反していれば,法としての効力を有しないのであるから,実施当時適法であったとの主張が論拠を失うことは言うまでもない。

よって,これらの優生手術及び人工妊娠中絶が国家的な人口政策を目的としてなされたこと及びその被害が極めて重大であることに鑑みれば,その被害を放置することは許されず,

国は,被害者に対する謝罪,補償等の適切な措置を実施すべきである。

また,被害者に対する謝罪,補償等の適切な措置を実施するに当たっては,その前提として,優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に関連する資料を保全し,これらに関する十分な実態調査を行うことが必要である。優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶は,1949年から実施されており,同年から現在までに68年もの年月が経過している。そのため,現時点においてすでに重要な資料の一部が失われている可能性があり,今後さらに,年月の経過とともに関連する資料が散逸する危険性がある。これら優生手術及び人工妊娠中絶の関連資料が失われれば,実態調査が難航するとともに,被害者が被害を
受けたことを立証することも困難となるおそれがある。よって,国は,早急に関連資料の保全を行った上で,優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶の実態調査を実施すべきである。

この適切な措置及び調査は国際機関からの要請でもある。そして,旧優生保護法の制定当初に優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶を実施された被害者が,すでに相当に高齢になっていることをも考慮して,被害回復のための適切な措置及び調査は可能な限り速やかに実施されるべきである。 」



谷直樹

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by medical-law | 2017-02-22 18:56 | 弁護士会

東京弁護士会,東京地方裁判所の「日本国籍の確認がとれないことを理由とする司法委員への選任拒絶」に抗議

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司法委員は,裁判官が和解を試みるときに裁判官と共に当事者への説明や当事者の説得に当たり,審理に立ち会って,裁判官に参考となる意見を述べます.このように司法委員は裁判官を補助しますが,裁判官の許可がなければ証人等に直接に問いを発することもできません.司法委員の意見はあくまで参考意見にすぎません.したがって,司法委員は,公権力行使等を行う公務員にあたらない,と考えられます.

ところが,東京地裁は,公権力行使等を行う公務員にあたると考えているようで,日本国籍を必要と解しているようです.
東京弁護士会が推薦した候補者のうち2名について,東京地裁から日本国籍の有無について照会があり,東京弁護士会が回答しなかったところ,その2名だけが選任されませんでした(その2名以外は全員選任されました).
このようなことは,2006(平成18)年以降,繰り返されています.

そこで,東京弁護士会は,2017年2月8日,「当会会員に対する、東京地方裁判所の「日本国籍の確認がとれないことを理由とする司法委員への選任拒絶」に抗議する会長声明」を発表しました.
日本弁護士連合会も各単位会も,以前から同様の声明,意見書を発表しています.
裁判所はそれでも方針を変えることなく,裁判所と弁護士会の間で長年続いてきている争点です.


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-10 07:25 | 弁護士会

日本弁護士連合会,「児童虐待対応における司法関与に関する意見書」

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平成29年1月16日の「第10回児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会」は,「児童虐待対応における司法関与の在り方について(これまでの議論の整理)」をとりまとめました.
日本弁護士連合会は,平成29年1月20日,「児童虐待対応における司法関与に関する意見書」を発表しました.
その内容は次のとおりです.

一時保護
1 一時保護に司法審査を導入するという方向性は支持できる。
2 実際の導入に当たっては,児童虐待防止・児童の救済に支障が出たり,児童相談所のケースワーク機能が阻害されることのないように,児童相談所及び家庭裁判所の体制整備,児童相談所の調査権限の強化が不可欠の前提である。また,立法趣旨を明確にした上で,一時保護の要件や手続の検討が不可欠である。
3 一時保護に対する司法審査は原則として事後審査であるべきである。

保護者指導
1 現行制度の活用の徹底を図るという方針については賛成である。
2 司法関与の導入に当たっては,多様性のある具体的な指導プログラムを家庭裁判所が適切に作成できるのか,行政と司法の役割分担に照らし,本来行政をチェックするべき司法が自ら具体的な指導に関して命令を発することが適切か,そもそも児童相談所の指導に従わない保護者が家庭裁判所の命令に従うのかといった点について,十分な議論が尽くされる必要がある。
3 実効性の確保のために保護者が家庭裁判所の命令に従わない場合に直ちに一時保護を行うとの制度案は,一時保護の趣旨から大きく外れており賛成できない。

面会通信制限・接近禁止命令
1 面会通信制限への司法関与の導入に当たっては,その必要性を検討する必要があるとともに,虐待事案における面会交流の在り方についての十分な調査及び研究を踏まえて行う必要がある。
2 接近禁止命令への司法関与の導入は支持できるが,その制度設計や要件について十分検討する必要がある。
3 接近禁止命令の対象範囲を一時保護やいわゆる同意入所の場合に拡大することについては賛成である。



御一読をお奨めいたします.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-27 13:38 | 弁護士会

日弁連,AV出演拒否の女性に対する賠償請求提訴の代理人弁護士懲戒審査相当(報道)

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産経新聞「提訴の弁護士「懲戒審査相当」 AV出演拒否で女性に賠償請求 日弁連異例の決定 「正当な活動」反論も」(2017年1月19日)は次のとり報じました.

「アダルトビデオ(AV)出演を拒否した20代の女性に所属事務所が約2400万円の損害賠償を求めた訴訟をめぐり、日本弁護士連合会(日弁連)が、所属事務所の代理人を務めた60代の男性弁護士について「提訴は問題だった」として、「懲戒審査相当」の決定をしていたことが18日、関係者への取材で分かった。弁護士は依頼者の利益を代弁する職責を持つため、提訴を理由に懲戒審査に付されるのは異例だという。

 確定判決によると、女性は「タレントになれる」と18歳でスカウトされ、事務所と契約。その後、AV出演を求められ、拒否すると事務所から「違約金を支払え」などと脅された。女性が契約解除を求めると、事務所は男性弁護士を代理人として損害賠償訴訟を東京地裁に起こした。

 しかし平成27年9月の1審判決は「事務所は高額の違約金を盾にAV出演を迫った」と指摘。「女性には契約を解除するやむを得ない事情があった」として請求を退けた。事務所側は控訴せず、判決は確定した。

 この報道を知った東京都の男性が27年10月、「提訴は女性を恫喝(どうかつ)したAV出演強制を助長する行為で、弁護士の品位に反する」として、男性弁護士の懲戒を所属先の第2東京弁護士会(2弁)に請求した。請求した男性は女性や男性弁護士と面識はないという。

2弁の綱紀委員会は28年3月、「提訴は正当で、品位に反するとは言えない」として懲戒審査に付さないことを決定。男性は日弁連に異議を申し立てた。

 日弁連の綱紀委は28年12月、「訴訟活動は弁護士の本質的職務で、提訴が懲戒理由とされるのは極めて例外的な場合に限られるべきだ」としつつも、(1)提訴はこの女性や同様の立場にいる女性にAV出演を強制する行為とみなされる恐れがある(2)請求額の妥当性や、提訴が女性の心理に与える圧力などを十分に検討していない-などとも指摘。

 「訴えの正当性がないことを知りながら提訴するなどの『不当訴訟』とまでは言えないものの、提訴や訴訟内容に問題がなかったとは言えない」として2弁の決定を取り消した。このため2弁の懲戒委員会は今年1月、懲戒審査を始めた。

「男性弁護士は取材に「日弁連の決定は異例で納得できない。正当な訴訟活動で懲戒されれば弁護士全体の萎縮につながる。懲戒委で正当性を訴える」と話した。(小野田雄一)」



2弁(第二東京弁護士会)と日弁連(日本弁護士連合会)の考えが分かれたことは、この問題が微妙なことを示しています.
反社会的勢力に所属する被告人を弁護するのは弁護士として正当な活動ですが、それとは違い、代理人として活動するには一定の限界があると思います.
いわゆる「不当訴訟」でなければ「正当な訴訟活動」であるとはただちに言えないと思います.
弁護士職務基本規程31条は,「違法な事件」でもなく,「不当な事件」でもなく,「明らかに不当な事件」を受任してはならない,としています。
「明らかに不当な事件」とは何かが問題ですが,「不当訴訟」は「明らかに不当な事件」ですが,「明らかに不当な事件」は「不当訴訟」に限らないと考えます.
普通の弁護士の倫理観からするとこの損害賠償請求訴訟事件を受任することには相当に強い弁護士倫理的抵抗感があると思われること(報道に接したとき,私は。こんな事件を受ける弁護士がいることに驚きました.)から,アダルトビデオ(AV)出演を拒否した場合の損害賠償を請求することは,「明らかに不当な目的」にあたるのではないか,と思います.仮に「明らかに不当な目的」と言えなくても,手段方法において「明らかに不当」と言えるのではないか,と思います.私の全くの個人的意見ですが,報道の件は「明らかに不当な事件」の受任として31条違反にあたると考えます.
また,「品位を失うべき非行」についても,最近は広く解釈されていると思います.
2弁(第二東京弁護士会)の最終結論を注目したいと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-19 02:31 | 弁護士会