弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:医療事故・医療裁判( 1267 )

日本医療機能評価機構「医療事故情報収集等事業2017年 年報」

日本医療機能評価機構「医療事故情報収集等事業2017年 年報」によれば,2017年に報告された医療事故は4095件でした.2016年は3882件でしたから,増加しています.
「死亡」は318件(7.9%)でした.2016年は338件でしたから減少しています.
「障害残存の可能性がある(高い)」は426 件でした(10.4%).2016年は398件でしたから増加しています.

最も多い事故は,「療養上の世話」で1640件(40.0%)でした.
看護の事故が多く報告されています.
次が「治療・処置」で1094件(26.7%)でした.
なお,2016年も「療養上の世話」1,430(36.8%)「治療・処置」1168(30.1)で順位は変わりありません.

関連診療科は,
整形外科625件(12.5%),
外科419件(8.3%),
消化器科347件(6.9%),
内科340件(6.8%),
循環器内科312件(6.2%),
精神科277件(5.5%),
呼吸器内科267件(5.3%),
小児科225件(4.5%),
脳神経外科220件(4.4%),
泌尿器科182件(3.6%)
でした.

2016年は,
整形外科614件,
外科432件,
内科323件,
消化器科301件,
精神科286件,
循環器内科267件,
脳神経外科230件,
呼吸器内科224件,
小児科196件,
心臓血管外科192件
でしたので,順位に変動があります.

なお,裁判所の統計では,例年,内科,外科,整形外科,歯科の順でほぼ固定していますが,裁判所の分類には消化器科などがないので比較は難しいです.ただ,「死亡」と「障害残存の可能性がある(高い)」の合計は,医療裁判の件数に近いです.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-10-13 06:42 | 医療事故・医療裁判

愛知県がんセンター愛知病院,消化器内科医が肺がんの疑いを指摘する画像診断報告書を見落とし(報道)

朝日新聞「肺がん疑われるも治療せず、愛知県がんセンター愛知病院」(2018年10月12日)は,次のとおり報じました.

 [愛知県がんセンター愛知病院(岡崎市)は11日、肺がんが疑われる検査結果を主治医が見落とすミスがあったと発表した。9カ月後、リンパ節に転移していることがわかり、手術できない状態になったという。今後、主治医を処分する方針。

 同病院によると、幸田町の60代男性患者が昨年7月に大腸がんの経過観察でCT検査を受け、「肺がんが疑われる」との画像診断報告書が放射線科医から消化器内科の男性主治医(62)に報告された。だが主治医はカルテに記載せず、治療もしなかった。

 今年4月、男性患者がせきなどの症状で受診し、CT検査でステージ3の肺がんと判明。転移していて手術できず、抗がん剤治療などをして現在は経過観察をしている。昨年7月の時点では初期のステージ1だったとみられ、手術で根治した可能性があるという。

 病院は9月に男性患者と家族に謝罪。主治医が担当した過去の画像診断報告書を調査した結果、ほかに見落としはなかったという。」



報道の件は私が担当したものではありません.
自分の専門分野外の疾患に関することでも,画像診断報告書には目をとおすべきでしょう.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-10-12 19:14 | 医療事故・医療裁判

鳥取赤十字病院,大腸癌手術後の重度後遺症で1億2000万円和解(報道)

朝日新聞「鳥取)過失で患者に後遺症、解決金で和解 赤十字病院」(2018年10月12日)は,次のとおり報じました.

「鳥取赤十字病院(鳥取市)で適切な処置が受けられず後遺症が生じたとして、鳥取市内の男性(69)とその家族が、日本赤十字社(東京都)と当時の担当医師に約1億1168万円の損害賠償を求めた訴訟が鳥取地裁で和解し、日赤側が解決金1億2千万円を支払ったことが11日までにわかった。和解は8月8日付。

 訴状などによると、男性は2008年7月、同病院で大腸がんの摘出手術をしたが、縫合不全の疑いがあるなどとして2度にわたって緊急の再手術を受けた。その後、感染症により呼吸障害などが生じ危篤状態となった。一命はとりとめたが、脳が萎縮し重度の認知症や両手足のまひなどの後遺症が残ったという。

 原告側は「十分な検査をしていれば重症化は防げた」と13年9月に提訴。今回の和解について、「病院側にはもっと親身になって患者の立場に立って考えてほしかった」とコメントを出した。」


報道の件は私が担当したものではありません.
上記報道からは経過と過失がわかりませんが,検査義務違反で因果関係が肯定できる事案なのでしょう.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-10-12 11:34 | 医療事故・医療裁判

市立札幌病院,誤嚥後の措置で提訴される(報道)

b0206085_17452252.jpg

北海道新聞「入院16歳、意識回復せず 市立札幌病院 両親が市提訴へ」(2018年10月5日)は次のとおり報じました.
 
「市立札幌病院(関利盛院長、747床)の看護師と医師が適切な処置を怠り、長男(16)に重度の低酸素脳症を負わせたとして、両親=札幌市=らが札幌市などに介護費用や慰謝料計約3億6千万円の賠償を求め、5日にも札幌地裁に提訴することが分かった。原告側によると、長男は現在も意識が回復していない。

 訴状によると、長男は潰瘍性大腸炎を患い、2016年12月22日に市立病院に入院していた。同29日、嘔吐(おうと)物が誤って気管に入る誤嚥(ごえん)によって心拍数と血圧が著しく低下し、約1時間後に呼吸と脈が停止。救命医の処置で蘇生したが、全治不明の低酸素脳症を負った。

 原告側は、薬の副作用治療で対応していた精神科の看護師と医師の2人が長男の急変に気付いたものの、呼吸と脈が停止するまでの約1時間、適切な経過観察や小児科医などに判断を仰ぐなどの注意義務を怠ったことが原因と主張。「病院を運営管理する市の使用者責任は免れない」とする。

 原告側によると、市側は見舞金の支払いと示談を申し出たが、因果関係について否定したため、提訴を決めた。市立病院は「訴状を精査して真摯(しんし)に対応したい」としている。(野口洸)」


報道の件は私が担当したものではありません.
救急蘇生の基本は,心停止の予防と迅速な初期対応です.
誤嚥して心拍数と血圧が著しく低下した後に,約1時間後の心肺停止まで何を行ったかが問題でしょう.



谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-10-08 19:52 | 医療事故・医療裁判

乳癌見落としで提訴(報道)

熊本日日新聞「「乳がん見落とし」多良木病院を提訴 球磨郡の女性損害賠償請求」(2018年10月4日)は,つぎのとおり報じました.

 「公立多良木病院(熊本県多良木町)で乳がん検診を受けた球磨郡内の女性(50)が、病変の見落としで左胸の全摘出手術を余儀なくされたとして、同病院に約2200万円の損害賠償を求める訴訟を熊本地裁に起こした。提訴は2日付。

 訴状によると、女性は2013年7月に乳がん検診を受診。その際、左胸にしこりを感じたが、検診結果には精密検査を勧める記載はなかったという。

 14年3月に別の病院で乳がんと判明。他にもがんが転移していた。原告側代理人によると、検診時に撮影した画像を別の医師に鑑定してもらったところ、がんの可能性があり、精密検査が必要と判断されたという。同病院は「訴状を見ておらず、コメントできない」としている。(山口尚久)」


報道の件は私が担当したものではありません.
乳癌の画像診断過誤は一般に難しく,有責判決も少ないので,訴訟の推移を見守りたいと思います.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-10-08 19:37 | 医療事故・医療裁判

神戸市立医療センター中央市民病院,生体肝移植手術死亡事案で3500万円和解(報道)

神戸新聞「生体肝移植で死亡 神戸市側、3500万円支払いで和解」(2018年10月6日)は,次のとおり報じました.

「神戸市立医療センター中央市民病院で生体肝移植手術後、合併症により20代で死亡した男性患者の両親が、手術に過失があったとして慰謝料など計約1億1470万円の損害賠償を求める訴訟を起こし、病院側が両親に和解金計約3580万円を支払うなどの内容で和解していたことが分かった。9月28日付。

 訴状などによると、先天性胆道閉鎖症だった男性は2005年7月、父親の肝臓の移植手術を受けた。両親側は「父親の肝臓摘出時に右肝静脈が適切に切除されず、不適合な状態と認識しながら移植を進めた」などと主張。移植した肝臓は定着せず、同年9月に男性は亡くなった。病院側は「当時の医療水準では過失はない」と反論していた。

 市と両親側弁護団によると、和解条項には、右肝静脈の位置を誤認したことを確認する▽術中の超音波検査による肝静脈の位置確認などで再発防止に努める-ことが盛り込まれた。

 病院側は「患者を救えなかったことを深く受け止める。再発防止に努めたい」。両親らは「同様の事態の防止につながることを念願する」とコメントした。

 父親の手術は、生体肝移植後1年以内に患者の死亡が相次いだ民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」(閉院)の元理事長らが担当した。」


報道の件は,私が担当したものではありません.
医療事件の多くが和解で解決しますが,報道されるのはごく一部です.
判決でなく和解であっても,同様の事件を担当している者には参考になります.
また,同じような事故が今後他院で起きないようにするためにも,和解内容は参考になると思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-10-06 09:04 | 医療事故・医療裁判

肺がん検診での見落としでクリニックに約1100万円請求(報道)

朝日新聞「検診で見落とし」がんの男性、賠償求め申入書(2018年10月4日)は,次のとおり報じました.

「東京都杉並区の肺がん検診で相次ぐ見落としがあったとされる問題で、再検査でがんと分かった70代男性が検診を受託したクリニックに対し、約1100万円の損害賠償を求める申入書を提出した。対応次第で提訴も検討するという。

 申入書の提出は2日付で、代理人の弁護士が3日公表した。申入書によると、男性は昨年8月、「河北健診クリニック」(同区)で受けた区の肺がん検診で「異常なし」と診断された。しかし、見落とし問題発覚後の今年8月、再検査でステージ3と判明した。男性側は、昨年時点のX線画像を見た別の病院の医師から「ステージ1だったとみられる」という見解を得たとし、「見落としと病状の進行には因果関係がある」と主張している。

 申し入れを受けて、クリニックを運営する社会医療法人・河北医療財団は「財団としてのコメントはありません」としている。

 同クリニックが区から受託した肺がん検診をめぐっては、40代の女性が症状の見落としで今年6月に死亡したことが発覚。過去9424人分のX線画像を再確認したところ、今回の男性を含む44人は精密検査が必要とされた。」


報道の件は私が担当したものではありませんが,私もがんの見落とし事件が結構担当しています.検診の医療水準を低く認定した裁判例があり,その裁判例が一般人が検診に期待するレベルと乖離しているために,相談者へのがん見落としの過失の説明に苦労します.また,裁判所における因果関係の認定も,一般人の感覚にそぐわないところがあり,説明に苦慮します.
なお,癌の見落としについては,裁判になる前に解決することも多いです.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-10-05 18:13 | 医療事故・医療裁判

前橋地裁高崎支部平成30年9月26日判決,陳述書等が名誉毀損にあたるとして医療法人と理事長に30万円の損害賠償命じる(報道)

毎日新聞「裁判証言の名誉毀損認定 医療法人に賠償命令 地裁高崎支部判決」(2018年9月27日)は,次のとおり報じました.
 
「裁判での主張が名誉毀損(きそん)になるかどうかが争われた民事訴訟で、前橋地裁高崎支部(桜井進裁判官)は26日、陳述書や供述の内容が名誉毀損に当たるとして、高崎市で歯科医院を運営する医療法人と理事長に30万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。

 訴えたのは、吾妻郡の女性。判決によると、女性は2012年にこの法人を相手取り「インプラント…」

 
陳述書は,裁判の争点との関係で正当な目的があり,かつ相当な表現方法であれば,名誉毀損にあたりません.
陳述書の内容は,必ず代理人の弁護士が点検し,不穏当な表現があった場合は,変更,削除いただいているはずなので(これは医療側の代理人も同じだと思います),名誉毀損にあたる表現の陳述書は提出されないはずなのですが...

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-09-30 10:06 | 医療事故・医療裁判

三重大学医学部附属病院,インスリン過量投与について原因を分析し再発防止へ

三重大学医学部附属病院は「インスリン過量投与についてのお詫びとご報告」を発表しました.

経緯

患者さんは県内在住の1歳女児で、当院で平成30年3月に、 ある疾患に対して全身麻酔下に手術を受けられました。手術そのものの経過は順調でしたが、術後3日目から、致死的不整脈の危険性がある血中カリウム値の上昇を認めたため、グルコース・インスリン療法が開始されました。
25%ブドウ糖液200mlにインスリン製剤(ヒューマリンR)を10単位、混注・点滴する処方で計4回実施されました。
3回目終了時点までは、カリウム値は順調に低下し、全身状態も安定しておりましたが、4回目施行中に急変しました。
急変時の血液検査で著明な低血糖を認め、低血糖に起因する急変であると考えられました。その後、点滴液内のインスリン濃度を測定したところ、過量投与が判明いたしました。
4回目の点滴液には、予定量と比べて5~7倍程度過量のインスリンが誤って混注されていたと考えられます。
過量投与が判明後、患者さん・ご家族には速やかにすべてをご説明の上、謝罪いたしました。また、第3者機関である日本医療機能評価機構にも報告するとともに外部調査委員会を設置いたしました。さらに、直後から特命医療チームを結成し、組織をあげて患者さんの健康被害からの回復に取り組んでいるところであります。

原因

当院においては、インスリン製剤を他の薬液に混注するときは、ダブルチェックの上、専用の注射器を用いて行う手順となっていますが、実際には、専用注射器を用いていなかったこと、そして、ダブルチェックが十分に機能しなかったことが明らかになりました。
専用注射器は、インスリンを安全に秤量するために作られた注射器で、単位数が分かりやすく表示されています。また、当院が採用しているものは、最大容量は30単位(0.3m)であることから、本事例のように10単位(0.1ml)の秤量であっても間違いは起こりにくく、万一間違っても3倍までの過量投与に留まります。ところが、本事例では、インスリン専用の注射器ではなく、一般の薬剤の秤量等に用いる最大容量が1ml(インスリン1ml
は100単位相当)の注射器を用いて秤量していました。この注射器にはインスリンの単位の表示はなく、1mlの注射器で、0.1mlを秤量することとなります。実際に行おうとしたことは、まず、0.7ml(インスリンとして70単位相当)程度を秤量し、空気を抜きながら
0.1mlまで、インスリンを捨てるという手順でしたが、おそらく、捨てる作業を失念し、約0.7ml(70単位)すべてをブドウ糖液に混注してしまった可能性が高いと考えられます。専用注射器を用いなかった理由として、インスリン製剤のすぐ近くに専用注射器が見当たらなかったこと、1mlの注射器でも問題なく調製できると認識していたことの2点を挙げています。
さらに、インスリンはハイリスク薬であるので、調製(秤量・混注)時には厳しい手順でのダブルチェックを求めています。一般の薬剤であっても調製時は看護師2名によるダブルチェックを行いますが、調製前に2名が別のタイミングで確認することも可としています。しかし、インスリンを調製するときは、調製時にリアルタイムで同時に2名の看護師によって確認する手順となっています。本事例は調製前にはダブルチェックは行われていましたが、リアルタイムに調製時には行われていませんでした。本来2名の看護師で確認しながら行うべき、インスリンをブドウ糖液に混注するという作業を1名で 行っていたということになります。
加えて、グルコース・インスリン療法施行時における血糖測定の指示の頻度については主治医の判断に依っており、病院としての規定がなく、4回目の施行時には1日1回の血糖測定指示のみであったこと、関係したスタッフにインスリン使用時は常に低血糖のリスクがあるとの認識が希薄で、確かに典型的な低血糖の症状ではありませんでしたが、急変前後に血糖を測定していなかったことが、発見の遅れに繋がりました。

以上より、本事例の直接的な原因は、①インスリン専用注射器を用いずに秤量したこと、②調製(秤量・混注)時にリアルタイムでダブルチェックを行っていなかったこと、という明確なルール違反にあると考えますが、その背景にはインスリンはハイリスク薬であるという認識が関係した医師・看護師だけでなく病院全体で十分でなかったことにあると考えます。

再発防止への取り組み

まず、職員全体で本事例の詳細を共有し、2度と同じ事故を繰り返さないとの決意を新たに致しました。職員集会等を通して、本事例の経過を共有するとともにインスリンはハイリスク薬であり、使用時には低血糖のリスクを常に念頭に置かなければいけないことを繰り返して啓発いたしました。また、外部委員による事故調査報告書を現在、全職員で閲覧しているところです。本事例を将来に亘って風化させることなく共有し続けるための今後の職員研修のあり方についても検討を行っています。
次いで、インスリンの調製には専用注射器を用いること、調製時にリアルタイムでのダブルチェックを行うこととの手順の遵守徹底を図りました。
遵守徹底のための環境整備として、①インスリン製剤と専用注射器は病棟内の同じ場所に配置すること、②ダブルチェックを行う調製者、確認者の2人の名前を明記する専用シールを新たに作成し、インスリンが混注されている点滴バッグや注射器に貼付する、の2点につきましては、すでに施行しています。
さらに、グルコース・インスリン療法施行時の血糖測定の頻度をマニュアルに明文化するとともに、マニュアルそのものもわかりやすい内容に改訂いたしました。現在、より分かりやすいマニュアルのあり方につきまして組織全体で検討しているところであります。
既に実施されている対策の遵守状況につきましてはラウンド(病棟の巡視)等を通して継続的にモニタリングを行っております。
いま一度、被害に遭われた患者さん・ご家族にお詫びを申し上げるとともに、
患者さんの健康回復、再発防止に全力で取り組むことをお誓い申し上げます



事故は非常に残念ですが,これが医療安全につながることを期待いたします.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-09-28 18:31 | 医療事故・医療裁判

滋賀県立精神医療センターの患者自殺の事案で,病院側の管理不十分を認め300万円支払いへ(報道)

朝日新聞「病院の管理不十分で患者自殺、遺族に300万円支払いへ」(2018年9月12日)は次のとおり報じました.

「滋賀県は11日、県立精神医療センター(草津市)で、患者が入院の同意後に外出して自殺したのは病院側の管理が不十分だったとして、遺族に300万円を支払うことで合意できる見込みになったと発表した。9月議会に関連議案を提出する。

 センターや県経営管理課によると、昨年9月、県内の50代女性がセンターの外来で入院が必要と判断され、入院に同意した。付き添っていた親族1人が入院の手続きをしている間に、女性が待合室から外出し、近隣のマンションから飛び降りて死亡したという。

 遺族は昨年12月、センター側の監視が不十分だったとしてセンターに損害賠償を請求。今年5月には県内の簡易裁判所に調停を申し立て、センターと協議してきた。センターは「外出に対して病院の管理が万全でなく、一定の責任を負うべきだ」と判断。300万円を支払うことで遺族と和解の見通しが立ったという。



報道の件は私が担当したものではありません.
入院前の患者を1人にしてしまったことが悔やまれる事案で,もう少し病院側に配慮があれば,と思います.患者の自殺における病院の管理責任について参考になる解決です.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-09-13 08:57 | 医療事故・医療裁判