弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:コンプライアンス( 74 )

大学教員が助産学専攻科の学生に「助産師にならなくてもいいのではないか」とアカハラ発言(報道)

朝日新聞「教員、女子学生にアカハラ・セクハラ 公表は未定」(2020年1月10日)は次のとおり報じました.

 「○○大学助産学専攻科の教員3人が2018年度、女子学生に対してアカデミックハラスメント(アカハラ)やセクハラをしていたことが、同大を運営する学校法人○○学院のハラスメント対策委員会の調査で分かった。

 ○○大は「公表するかどうか決める段階ではない。回答は差し控える」としている。

 ○○学院は19年3月、学生からの申し立てを受け、調査していた。同委員会が8月にこの学生に対して出した通知書によると、教員の1人は18年11月、「助産師にならなくてもいいのではないか」と発言。対策委は「努力、能力を否定し、学びへの意欲を削(そ)ぐもの」としてアカハラと認定した。同月、この教員が、他学生の前で「(病院実習の評価を)就職先に言いにいく」と言ったことについても「評価が低い旨を他の学生や病院スタッフの前で示すもの」で、アカハラに該当するとした。

 さらに、別の教員2人が、教材を買い替えたり修理したりするため、学生が加入する保険を使って虚偽の請求をさせようとした件も「教員としての優越的地位を利用して、不正行為に学生を加担させたことが認められる」として、黙認していた教員1人を含め、アカハラに該当するとした。その後、保険金請求については教員側から不服申し立てがあり、再調査委員会が設置されている。

 また、1人の教員は、学生の容姿などに関する発言を複数回行ったとして、セクハラと認定された。

 申し立てた女性は「再発防止策が取られているのか、大学から具体的な話がなく、分からない。ハラスメントに泣く学生をなくすためにも、大学は学生への説明をきちんとしてほしい」と話す。(山下知子)」



アカデミック・ハラスメントとは、教員等が、職務上の地位又は権限を不当に利用し、学生や他の教員等に対して行う教育研究上の不適切な言動をさします.


谷直樹

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by medical-law | 2020-01-12 13:25 | コンプライアンス

大分地裁令和元年12月19日判決,病院長解雇無効(報道)

報道によると,パワハラなどのコンプライアンス違反があったなどとして竹田医師会病院を懲戒解雇された元院長が解雇の無効を訴えた裁判で,大分地裁は,2019年12月19日,元院長の訴えを認める判決を言い渡した,とのことです.
報道の件は私が担当したものではありません.
院長のコンプライアンス違反と解雇のバランスは難しいです.

谷直樹

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by medical-law | 2019-12-23 15:25 | コンプライアンス

内閣法制局に出向中の厚労省職員が法案の条文を製薬会社役員に送った件で処分

時事通信「内閣法制局幹部、法案漏らす=製薬会社役員に、処分公表せず」(2019年9月3日)は次のとおり報じました.

「法案審査などを行う内閣法制局の幹部職員が公表前の臨床研究法案を製薬会社役員に漏らし、出向元の厚生労働省が2016年12月にこの職員を訓告処分にしていたことが3日、分かった。

 厚労省は公表基準に達しないと判断し、これまで処分を明らかにしていなかった。

 厚労省によると、この職員は旧厚生省採用で、現在は厚労省の研究機関に所属。法案を漏らした16年1月には内閣法制局に出向中で、職員は入手した法案の条文を製薬会社役員に送ったという。

 臨床研究法は、製薬大手ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データ改ざん事件を受けて制定された。産学の癒着防止に向け、製薬会社に対して臨床研究を行う研究機関への資金提供の公開を義務付ける法律で、17年4月に成立した。

 またこの職員は、障害者総合支援法改正案についても公表前の16年2月、自治体や施設の職員に内容を漏らしていたという。いずれの漏えいでも金銭などの受け取りなどはなかったという。

 厚労省は「漏えいにより法案の趣旨などがゆがめられた事実はなく、総合的に勘案して訓告処分にした。基準に達していないので公表してこなかった」と話している。」 


国家公務員法第100条第1項は,「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」としています.法案の内容は「職務上知ることのできた秘密」にあたる可能性も考えられるのではないでしょうか.

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by medical-law | 2019-09-03 13:20 | コンプライアンス

Siriが高い理想を十分に満たしていないこと

ガーディアン誌によると,医師と患者の間の医療情報のやりとりなど意図しない会話をSiriが記録しAppleの外部企業の分析担当者にわたっていたとのことです.
Hey Siriの呼びかけがあったと誤認されることがあったようです.
Appleは 会話サンプルの収集と分析を一時中止していましたが,秋から利用者が同意した場合に限って再開し,アップルの従業員のみが会話サンプルを聞くことができるようにするとのことです.

医師と患者の間の会話から自動的にカルテを作成する音声アシスタントが開発されています.それが普及するためにはプライバシーが守られることが重要でしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2019-08-30 04:45 | コンプライアンス

静岡県の要因,病院敷地内で酒気帯び運転をした医師と同乗の看護師を減給処分

朝日新聞「がんセンターの医師らを減給 病院敷地内で酒気帯び運転」(2017年12月22日)は次のとおり報じました

「静岡県立がんセンターは21日、公道外で酒気帯び運転をしたとして、男性常勤医(33)を減給6カ月、車に同乗し、運転を止めなかった35歳と24歳の女性看護師2人を減給3カ月の懲戒処分とし、発表した。

 センターによると、3人は11月17日未明、裾野市内の居酒屋で飲酒後、運転代行業者を使って病院に戻った。医師が、停車した乗用車を病院敷地内の駐車場まで動かそうとして、酒気帯びの状態で約45メートル運転した。この際、花壇にバンパーを接触させたという。警備員が監視カメラで見ていて発覚した。 」


病院敷地内はみなし公道ですから,酒気帯び運転は許されません.
看護師は,医師が違法なことをしても止められないのでしょうか.医師と看護師の間に封建的上下関係があるのでしょうか.


谷直樹

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by medical-law | 2017-12-23 00:33 | コンプライアンス

告発を受けた厚労省の担当者が,准教授から告発があったことを金沢大学の当事者に伝えた件で,国が和解

告発を受けた厚労省の担当者が,准教授から告発があったことを金沢大学の当事者に伝えた件で,国が和解_b0206085_761698.jpg
共同通信「不正告発の漏えい、国が和解金」 (2017年 6月 5日)は,次のとおり報じました.

「金沢大医学系の男性准教授が、大学内の不正を厚生労働省に内部告発したところ、その情報を大学側に漏らされたとして、国などに損害賠償を求めた訴訟は5日、東京地裁(鈴木正紀裁判長)で和解した。准教授の弁護士によると、国が和解金を支払う。金額は非公表。弁護士は「国が支払い義務を負うのは、情報漏えいの非を認めたことと同じであり、実質的な勝訴」と話した。

 訴えによると、准教授は2013年10月、大学病院の臨床試験で死亡事故が発生していると電話で厚労省に告発した。電話を受けた担当者は、准教授から告発があったことをそのまま大学の当事者にメールで伝えた。」


この件は,私が担当したものではありません.
告発を受けた厚労省の担当者が,准教授から告発があったことをそのまま金沢大学の当事者に伝えるなどということは考えられないことです.

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by medical-law | 2017-06-06 06:56 | コンプライアンス

厚労省,イグザレルト錠の副作用症例12例の報告遅延でバイエル薬品株式会社に対し報告命令

厚労省,イグザレルト錠の副作用症例12例の報告遅延でバイエル薬品株式会社に対し報告命令_b0206085_1746490.jpg
厚生労働省では,5月29日,バイエル薬品株式会社に対し,医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律第69条第1項の規定に基づき,報告命令を行いました.

<報告命令の概要>

バイエル薬品株式会社が,イグザレルト錠(一般名リバーロキサバン)において副作用症例12例の報告遅延があったことを5月26日(金)に公表したことを受け,同社の製造販売する全ての医薬品を対象に,医薬品医療機器等法第68条の10第1項に基づく厚生労働大臣への報告が行われていない又は遅延した症例の有無を調査するとともに,遅延した原因等について,7月31日(月)までに報告を求めるものです。


親会社のバイエルホールディング株式会社の常務執行役員・法務・特許・コンプライアンス本部長は日本人の弁護士ですので,このような報告遅延は意外です.

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by medical-law | 2017-05-29 17:37 | コンプライアンス

バイエル薬品,カルテ無断閲覧,接待,論文作成代行,内部告発社員に退職勧奨

バイエル薬品,カルテ無断閲覧,接待,論文作成代行,内部告発社員に退職勧奨_b0206085_17293859.jpg
バイエル薬品株式会社は,2017年4月10日,「2012年・2013年の「服薬における患者様の嗜好に関するアンケート調査」に関するご報告とお詫び」を発表しました.

血栓症領域製剤の服薬における患者様の嗜好に関するアンケート調査は「同領域製剤の剤型や服薬の回数などについて、実際に製剤を服薬されている患者様への聞き取り調査により、服薬に関する嗜好を確認する目的で行った調査です。その結果は国内の医学誌に掲載されましたが、本調査にご協力をいただきました患者様のカルテの一部をデータ転記のために特定の弊社社員が不適切に閲覧していたこと、本調査の実施主体が弊社であることについて書面上、明確にされていなかったことなどから、2016年1月に医学誌より取り下げられ、同時に取り下げの事実が同誌誌面において公表されております。なお、本調査は嗜好に関するアンケート調査であり、臨床研究ではありません。」

NHK「 バイエル薬品 新薬発売で患者カルテを無断閲覧」(2017年4月11日)は,次のとおり報じました.

「平成24年に脳や肺などの血管が詰まりやすくなる「血栓症」の治療薬「イグザレルト」を発売する際、ほかの製薬会社の薬がどれくらい使われているかを事前に把握するため、複数の社員が宮崎県内の開業医に依頼して、無断で患者のカルテを閲覧していたということです。」


TBS「カルテ無断閲覧させた医師、クラブ・料亭での接待の実態」(2017年4月12日)は,次のとおり報じました.

「接待で築いた関係のもとで得られたカルテのデータを使って何が行われていたのか。これはバイエル薬品の血栓症治療薬「イグザレルト」の広告です。そこには問題の開業医の名前が記されています。広告には開業医の名前で書かれ、医学誌に掲載された論文が使われていました。しかし、実際には、この論文を書いたのは開業医ではなくバイエル薬品側だったというのです。これは、バイエル側が書いたという論文の元原稿。開業医は、赤い文字でわずかに2か所、添削しただけでした。」

 「『製薬会社が(調査を)実施して研究の中身の論文も書いて、だけど医師の名前を借りて非常に悪質なケース。製薬企業と医師との不健全な経済的な関係は社会問題化している』(薬害オンブズパースン会議 水口真寿美 弁護士)」

TBS「バイエル薬品“カルテ”無断閲覧、内部告発社員に「退社」勧める」(2017年4月13日)は,次のとおり報じました.
 
「大手製薬会社「バイエル薬品」が患者に無断でカルテを閲覧していた問題で、社内で内部告発した社員に対し、上司が「会社に法的責任はない」と話したうえで、会社を辞めるよう勧めていたことがわかりました。」

連日報道されているバイエル問題ですが,やってはいけないことばかりです.
バイエルは,医薬品,医療機器業界の法令順法意識調査では17位とされていました.
親会社のバイエルホールディング株式会社の常務執行役員・法務・特許・コンプライアンス本部長は日本人の弁護士ですので,このような実態は意外です.


谷直樹

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by medical-law | 2017-04-13 17:29 | コンプライアンス

学校法人加計学園が第2の森友学園に

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学校法人加計学園の第2の森友学園疑惑が報道されています.
医科系学部の新設、37億円相当の公有地の無償譲渡、96億円の補助金が市議会で可決された背景には、強い政治力があったのでしょうか?

加計孝太郎理事長は安倍晋三総理の旧友と報じられています.
昭恵夫人が学校法人加計学園の運営する認可外保育施設で講演した際に政府職員2人が同行していたとのことです
千葉科学技術大学と安倍晋三総理系人脈のつながりも報道されています.

なお,森友学園問題・PKO日誌問題で渦中の防衛大臣ですが,弁護士としては非常に少ないタイプの方です.



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by medical-law | 2017-03-24 03:01 | コンプライアンス

元教授グループによる論文不正問題で元教授ら5人処分(報道)

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東京大学は,3月3日,東京大分子細胞生物学研究所元教授のグループによる論文不正問題で,元教授ら5人の処分を発表しました.多数の論文に捏造,改竄があった件で,隠蔽工作を図った元教授,元助教授,元准教授,元特任講師が懲戒解雇相当,元助教が諭旨解雇相当とされました.

「東京大学は、「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(第一次)」(平成26年8月1日公表)および「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(最終)」(平成26年12月26日公表)の裁定に関連し、当該関係者が本学在職中に行った不正行為について、仮に在職者であったとする場合に懲戒事由に該当する不正行為であったのかを調査した結果、東京大学教職員就業規則(平成16年4月1日東大規則第11号)第39条に規定する懲戒処分に相当するものと判断し、2月17日付けで、下記の通り懲戒処分相当を決定し通知した。」


論文不正は広く深い問題です.他の研究室についてもそのようなことがないよう願いたいものです.


谷直樹

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by medical-law | 2017-03-04 05:11 | コンプライアンス