弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

カテゴリ:無痛分娩事故( 42 )

第122回産科麻酔学会学術集会サテライト企画市民公開講座(神戸)

神戸新聞「無痛分娩、利点とリスク確認を 神戸で講座」(2018年10月20日)は次のとおり報じました.

 「日本産科麻酔学会学術集会はこのほど、出産時の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩(べん)をテーマにした市民公開講座を神戸市中央区の神戸国際会館で開催した。無痛分娩を巡る医療事故が起きていることを踏まえ、産科医と麻酔医の両資格を持つ入駒慎吾会長らが「医療を受ける側も正しい知識を身に付けることが、危険を遠ざけることにつながる」と呼び掛けた。

 無痛分娩は麻酔を使って出産時の痛みを感じにくくする方法。背中の脊髄神経に近い硬膜外腔という部分に局所麻酔薬を投与する「硬膜外麻酔」が主に用いられる。

 公開講座では入駒医師が利点とともに、陣痛促進剤の使用量増加や合併症が起こる可能性などを紹介。合併症の主な要因として麻酔薬の誤注入について取り上げた。

 血管内に誤って麻酔薬が入って起きる局所麻酔中毒は、呼吸や心臓が止まる危険性があるが「薬を薄めて使用すれば、致死的な症状を回避する方向には近づけられる」と説明した。
 また、硬膜外腔より中心にあるくも膜下に薬が入った際に起きる全脊髄くも膜下麻酔は、脳に麻酔が効くため、呼吸停止などを引き起こし、低酸素脳症を発症することもある。入駒医師は「患者さんがこのような状態になっても対応できるよう(医師が)トレーニングをし、異変を発見したら人工呼吸で対応できるようにすれば、命を失うことはなくなるはず」と話した。

 その上で、受講した妊婦らに対し、「自分の受ける医療行為を正しく知り、(医師に)一つずつ確認していくことで、危険から遠ざかることができる」と語り掛けた。

 このほか、聖隷浜松病院の山下亜貴子医師が登壇し、無痛分娩が日本で普及しにくい理由を、海外に比べて出産施設が分散し、産科医の負担が大きいことや、「おなかを痛めるのが母性」などの意見が背景にあると指摘。「無痛分娩で(痛みという)精神的な負担は減り、疲労感は少なくなる」とした。(篠原拓真)」


第122回産科麻酔学会学術集会サテライト企画市民公開講座は浜松でも9月に開催されました.
第122回産科麻酔学会学術集会は11月23日に浜松で開催されます.


谷直樹

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by medical-law | 2018-10-23 07:53 | 無痛分娩事故

陣痛促進剤の添付文書改訂見送り

読売新聞「無痛分娩の陣痛促進剤 安全対策を盛り込む添付文書改訂が見送りに…産婦人科医が反対」(2018年8月30日)は,次のとおり報じました.

 
「無痛 分娩 の多くで使われている陣痛促進剤について、厚生労働省の有識者会議は28日、安全対策として厚労省側が提案した添付文書(薬の医師向け説明書)の改訂を見送った。参考人として出席した産婦人科医の強い反対があり、合意に至らなかった。

 無痛分娩は、麻酔をかけて痛みを弱める出産方法。産後の疲労を軽減するメリットがあり、人気が高まっている。無痛分娩が普及した米国などと違い、国内の無痛分娩は人工的に陣痛を起こす計画分娩が主流で、陣痛促進剤が使われることが多い。2017年に無痛分娩を巡る重大事故が相次いで発覚したが、厚労省研究班の報告によると、無痛分娩をした妊産婦の死亡14例のうち13例で陣痛促進剤が使われていた。

 この日、開かれたのは、厚労相の諮問機関である薬事・食品衛生審議会に設けられた安全対策調査会。薬の安全性について有識者が話し合う。 

 会議の場で、厚労省は、2015~17年度の3年間に、無痛分娩で使った陣痛促進剤による副作用の疑いが報告されたケースの調査結果を発表した。報告は29例あったが、情報不足で因果関係の評価が困難だったため、厚労省は、「現時点での新たな注意喚起に合理的な理由はない」とした。ただし、麻酔をかけた状態で陣痛促進剤を使うと、副作用で異常に強い陣痛(過強陣痛)が起きていてもわかりにくく、対応が遅れる恐れがある。そのため厚労省は、添付文書にある、過強陣痛の防止策を示した警告欄の一文を修正し、無痛分娩時にも十分な監視を促す内容の改訂案を提示した。

 これに対し、参考人として出席した研究班代表の海野信也・北里大学病院長は、「合理的な根拠がわからない」とし、今後、さらにデータを蓄積する必要性を指摘した。もう一人の参考人の石渡勇・日本産婦人科医会副会長も「無痛分娩は怖いという印象を与えかねない」などと強く反対した。委員の中には、厚労省案に賛成する声のほか、書き方の工夫で対応してはどうかという意見もあったが合意できず、改訂見送りが決まった。

 無痛分娩で使われる陣痛促進剤に対しては、出産事故の被害者らでつくる「陣痛促進剤による被害を考える会」が今年3月、慎重に使うよう添付文書の改訂を求める要望書を厚労省に提出していた。同会の出元明美代表は「医師らがしっかり監視していればよいが、そうでないケースで重大な事故が起きている。広く注意を促せるせっかくの機会が生かされず、信じられない結果だ」と話している。」


陣痛促進剤の添付文書を無痛分娩時にも十分な監視を促す内容の改訂案とのことですが,そもそも陣痛促進剤使用の有無にかかわらず無痛分娩時には十分な監視が必要です.
無痛分娩の安全策は,陣痛促進剤に絡めるのではなく,正面から無痛分娩の問題として取り組むべきと思います.
無痛分娩は,(1)血管内へのカテーテル迷入,(2)くも膜下腔への局所麻酔薬の誤投与がとくに問題で,これらを完全に防止することはできませんが,①局所麻酔薬の少量分割投与,②投与後の厳重な観察,③呼吸循環動態の安定をはかりつつ応援を呼ぶことにより重大な結果が生じることを回避できます.実際に起きた無痛分娩事故は,これらを怠ったために起きています.無痛分娩における医療過誤は,局所麻酔約薬の連続的投与を行った例,観察を怠った例,呼吸循環動態を安定させつつ応援を呼ぶことを怠った例などであり,そのために重大な結果が生じています.
陣痛促進剤の副作用というのは違うのではないか,と思います.また,陣痛促進剤によって症状が分かりにくかったというのは言い訳にすぎません.陣痛促進剤を使用していても,無痛分娩に通常求められる観察を行っていれば,(1)血管内へのカテーテル迷入,(2)くも膜下腔への局所麻酔薬の誤投与は,観察すれば分かります.

谷直樹

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by medical-law | 2018-09-05 05:02 | 無痛分娩事故

名古屋市立大病院がセンター長に埼玉医科大産科麻酔科の医師を迎えて無痛分娩を実施

名古屋市立大病院では,埼玉医科大産科麻酔科から医師を迎えて無痛分娩を実施する拠点をつくるとのことです.無痛分娩を希望する妊産婦が年々増えていますので,安全に無痛分娩を実施できる体制を作っていただきたく思います.

中日新聞「名古屋市立大病院に無痛分娩拠点 9月新設、年内にも実施」(2018年8月30日)は,次のとおり報じました.

「名古屋市立大病院(同市瑞穂区)が、出産時の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩(ぶんべん)の実施と人材育成を担う「無痛分娩センター」(仮称)を9月に新設することが分かった。外部から産科麻酔の専門医をトップに招き、年内にも無痛分娩を始める方針。産科、麻酔ともに精通した医師が担う方式は中部地方では珍しい。

 国内で無痛分娩の出産は全体の6%程度にすぎず、対応する医療機関も一部のクリニックなどに限られている。近年、母子が死亡するといった事故が報告されているが、厚生労働省の研究班は今年3月に「他のお産と比べ、リスクに大差はない」と指摘している。

 名市大病院ではこれまで心臓の持病がある人などに無痛分娩を限定していた。だが、鎮痛効果が高く、産後の回復が早いとの理由でニーズは高まっており、安全性を確保した上での本格的な実施を模索してきた。

 関係者によると、センター長に就任するのは、現埼玉医科大産科麻酔科の田中基(もとし)医師(52)。無痛分娩は麻酔の投与が長時間にわたるほか、薬の量やタイミングを調整するなど高い技術が必要とされる。センターでは田中医師が投与などを担う見通しで、同病院の産科医らに実技指導し、無痛分娩を担う人材の育成も進める。将来的には、24時間365日の対応ができる体制整備を目指す。

 同病院での分娩は年間500件程度。無痛分娩は数十件になると見込んでいる。」



谷直樹

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by medical-law | 2018-09-05 04:55 | 無痛分娩事故

厚生労働省のウェブサイトに掲載を希望した無痛分娩取扱施設の 一覧(平成 30 年 6 月 15日時点)

厚生労働省のウェブサイトで,掲載を希望した無痛分娩取扱施設の 一覧(平成 30 年 6 月 15日時点)を見ることができます.

読売新聞「無痛分娩 全件数の14%、「常勤医1人」4割…公表同意268施設」(2018年6月16日)は,次のとおり報じました.

「出産の痛みを麻酔で和らげる無痛 分娩 の全国調査をしていた厚生労働省は15日、無痛分娩を手がける医療機関の実施状況を公表した。公表に応じた268施設のうち、常勤医が1人の施設は107と4割を占めていた。全分娩件数のうち、無痛分娩は14%だった。

 無痛分娩は、出産の疲労を軽くする利点があり、希望者が増えている。昨年、無痛分娩を巡る重大事故が相次いで発覚し、多くが体制の手薄な診療所での出産だった。

 調査は4~5月、分娩を扱う約2500施設を対象に実施。回答のあった39道府県の医療機関のうち、公表に同意した268施設について、医療機関名と連絡先、医師数、昨年1年間の実施件数などをリスト化し同省のサイトに掲載した。

 それをもとに読売新聞が集計したところ、全分娩件数は13万2323件で、うち無痛分娩は1万8296件と13.8%を占めた。

 全分娩のうち無痛分娩が半数を超える施設が16あり、8割超というところも5施設あった。この16施設のうち7施設は、1人の医師が出産と麻酔を兼務しているとみられる。

 福井、高知、佐賀の3県は公表に応じた施設がなかった。東京など都市部は回答が間に合わず現時点では未掲載のため、今後、公表施設数は増える見通しだ。」


谷直樹

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by medical-law | 2018-06-17 12:01 | 無痛分娩事故

厚生労働省通知,無痛分娩の安全な提供体制の構築について

厚生労働省は,平成 30 年4月 20 日,「無痛分娩の安全な提供体制の構築について」(医政総発 0420 第3号 医政地発 0420 第1号)を発し, 提言の周知徹底及び自主点検表の活用を求めました.

「無痛分娩については、複数の死亡事案が発生したことを受け、平成 29 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)による「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」(研究代表者:海野信也北里大学病院長)において、その実態把握と安全を確保する仕組みの検討を行い、平成30 年3月に、「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」(以下「提言」という。)が、別添1のとおり取りまとめられた。また、厚生労働省において、提言を基に、別添2の「無痛分娩取扱施設のための、「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」に基づく自主点検表」(以下「自主点検表」という。)を作成した。このため、下記について御了知の上、貴管下の分娩を取り扱う病院又は診療所(以下「分娩取扱施設」という。)の他、関係機関に対して、提言の周知徹底及び自主点検表の活用につき周知方お願いする。



1.安全な無痛分娩を提供するために必要な診療体制に関する提言について
無痛分娩を取り扱う病院又は診療所(以下「無痛分娩取扱施設」という。)は、「産婦人科診療ガイドライン産科編」(編集及び監修 日本産科婦人科学会及び日本産婦人科医会)を踏まえ、個々の妊産婦の状況に応じた適切な対応をとるとともに、提言の別紙「安全な無痛分娩を提供するために必要な診療体制」に記載されたインフォームド・コンセントの実施、安全な人員体制の整備、安全管理対策の実施並びに設備及び医療機器の配備が求められている。貴職においては、無痛分娩取扱施設に対し、提言で求められている体制の整備が徹底されるよう、周知をお願いするとともに、医療法(昭和 23年法律第205号)第25 条第1項の規定に基づく立入検査の際に、提言及び自主点検表を参考に、診療体制の確保について確認し、必要に応じて助言するようお願いする。

2.無痛分娩に係る医療スタッフの研修体制の整備に関する提言について
無痛分娩に関する関係学会及び関係団体は、安全な無痛分娩の提供体制を構築するため、無痛分娩に関わる医療スタッフに対する「無痛分娩の安全な診療のための講習会」の定期的な開催、「産科麻酔研修プログラム(仮称)」の策定及び専門施設における実技研修体制の整備等を行うこととしている。
講習会の開催予定や具体的な研修体制等については、詳細が定まり次第、追って周知する。

3.無痛分娩の提供体制に関する情報公開の促進のための提言について
現在、妊婦及びその家族に対して無痛分娩に関する必要な情報を分かりやすく提供することを目的として、日本産科麻酔学会ウェブサイトにおいて「無痛分娩Q&A」(※)が公表されており、貴職においては、妊婦やその家族、分娩取扱施設及び関係機関に対する周知をお願いする。
さらに、こうした既存の情報提供に加えて、無痛分娩取扱施設は、自施設の無痛分娩の診療体制等に関する情報を各施設のウェブサイト等で公開することが求められている。貴職においては、無痛分娩取扱施設が、各施設の診療体制等についてウェブサイト等において情報公開を行うよう、周知をお願いする。なお、ウェブサイトについては、平成 30 年6月以降は医療法上の広告規制の対象となるため、虚偽・誇大広告に該当すると認められた場合には、適切に指導されたい。違法な広告を行った施設に対しては、医療法(昭和 23 年法律第205号)第6条の8の規定に基づく命令等を通じて、各施設のウェブサイトが適切に運用されるようお願いする。
また、提言において、関係学会及び関係団体は、今後、情報公開を行う無痛分娩取扱施設を取りまとめたリストを作成し、ウェブサイト上で公開することが求められている。当該リストの公開等については、詳細が定まり次第、追って周知する。
(※)
http://www.jsoap.com/pompier_painless.html

4.無痛分娩の安全性向上のためのインシデント・アクシデントの収集・分析・共有に関する提言について
(1) 分娩取扱施設からの情報収集について
従前より、日本産婦人科医会による偶発事例報告事業や妊産婦死亡報告事業を通じて、分娩取扱施設におけるインシデント・アクシデントに関する情報収集が実施されている。貴職においては、分娩取扱施設に対し、当該事業の報告対象となる事例が発生した場合には、速やかに地域の産婦人科医会へ報告するよう、周知をお願いする。
(2) 患者及び家族からの有害事象の相談について
従前より、患者及び家族からの医療に関する相談窓口としての役割は、医療安全支援センター(以下「センター」という。)が担ってきた。センターを所管する地方自治体においては、無痛分娩に関連する有害事象等の相談を受けた際に地域の実情に応じて適切に対応するために、あらかじめセンターと地域の医師会及び産婦人科医会との連携体制の構築を図るよう、お願いする。例えば、センターにおいては、無痛分娩に関連する有害事象等の相談を受けた際に、地域の医師会の窓口を紹介し、特に再発防止の分析に資する症例については、地域の医師会が地域の産婦人科医会へ報告する等の対応が考えられる。
(3) 都道府県の周産期医療協議会について
各都道府県においては、「周産期医療協議会における協議の徹底について」(平成29 年1月17 日付け厚生労働省医政局地域医療計画課救急・周産期医療等対策室事務連絡)により、周産期医療協議会において、母体死亡事例や重篤事例等に関する検証と再発防止等に関する協議を徹底するようお願いしてきた。貴職においては、本提言を踏まえ、母体死亡事例等が生じた場合に、再発防止等に向けて、周産期搬送や救急医療との連携等の
医療提供体制に関して、同協議会における協議の徹底に努めるとともに、地域の医師会、産婦人科医会及びセンター等に寄せられた相談内容についても、同協議会において安全な分娩体制の確保に資するような検討が行われるよう併せてお願いする。」


谷直樹

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by medical-law | 2018-05-02 13:09 | 無痛分娩事故

厚生労働省の研究班が無痛分娩の安全対策をまとめ公表(報道)

TBS「無痛分娩」安全に行うには? 増加する一方で事故も・・・」(2018年3月29日)は,次のとおり報じました.

 「出産の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩について、厚生労働省の研究班が安全対策をまとめ、公表しました。

 静岡県内の産科クリニック。行われていたのは帝王切開の手術です。万が一の容態急変に備え、執刀医だけでなく、麻酔担当など2人の医師が立ち会いますが、2人は、このクリニックの医師ではなく、別のクリニックからの応援です。日本は欧米に比べ小規模な診療所での出産が多く、現場ではいま、こうした連携が求められています。

 「静岡県は1人で開業が7~8割。肝心のところだけ2人になれる工夫で今のような(連携を)やっている」(前田産科婦人科医院 前田津紀夫医師)

 特に、最近ニーズが高まっている「無痛分娩」を行うために、医師の連携が重要だといいます。

 「無痛分娩」は、背骨の神経の近くに麻酔薬を注入し、痛みを和らげる方法で、出産時の疲労が少なく回復が早いとして、希望する人が増えています。その一方で、うまく息張れず、分娩が長時間に及ぶこともあり、容態の急変に備えた体制が必要だとされています。しかし、実際には医師が少ない小規模な診療所で行われているケースが半数以上だといいます。

 「(無痛分娩の)麻酔中に医師が離席してしまった。(無痛分娩を)やっていいクリニックなのか」(無痛分娩で妻と子を亡くした男性)

 無痛分娩で脳にダメージが残り亡くなった女性と子どもの写真です。異変が起きたとき、医師は外来診療を行っていて対応が遅れたとみられています。こうした事故が去年、相次いで明らかになりました。

 「(リスクに)対処できる体制を敷いてもらうことが必要」(無痛分娩で妻と子を亡くした男性)

 そして、厚労省の研究班が29日、無痛分娩についての安全対策を初めてまとめ、提言という形で公表しました。無痛分娩を実施する医師は麻酔の経験が100例以上あること、医療機関は麻酔管理者の配置など十分な人員体制を敷くことなどが示されました。しかし、対策はあくまで任意で、義務づけることまでは求めませんでした。

 「きょうこの提言を何とかまとめたが、まだまだ十分ではない。きょうはようやく第一歩を踏み出そうとしているという認識」(研究代表者・北里大学病院 海野信也院長)

 遺族などから実効性への疑問の声が高まるとみられますが、今後は関係する学会で議論が行われる予定です。



NHK「無痛分べん ”麻酔後30分は医師が確認を“ 厚労省研究班」(2018年3月29日)は,次のとおり報じました.

「麻酔を使って陣痛を和らげる「無痛分べん」について、厚生労働省の研究班は安全に実施するための手順や管理体制などを示した提言をまとめました。

麻酔を使って陣痛を和らげる「無痛分べん」については、重篤な事故が起きたという報道が相次いだ一方で、麻酔を投与したあとの管理手順が定められていないなどの課題が指摘されてきました。

29日、厚生労働省の研究班は提言を公表し、麻酔による中毒症状などへの対応が遅れないよう、麻酔の投与から30分間は担当医師が妊婦の呼吸や脈拍などを記録し状態を確認することや、産後3時間が経過するまでは、医師が5分程度で駆けつけられる体制をとるよう求めています。

また、麻酔を担当する医師は2年に1回程度、麻酔についての研修を受け、医療機関のホームページなどで研修の受講歴や無痛分べんの実施件数を公開することも求めています。

この提言は関連する学会などを通じて全国の医療機関に周知されることになっています。

一方、この研究班では無痛分べんによる事故の発生割合を調べようとしましたが、アンケート調査の回答率が低く十分な調査ができなかったとしたほか、無痛分べんを実施する医師に新たな認定資格の取得を義務づける案も検討しましたが、すでに実施している医師に参加を促すのは難しいなどとして見送られました。

研究班の代表で北里大学病院の海野信也病院長は「無痛分べんは急速に普及しているので、今回の提言を第一歩として引き続き安全体制の構築に努めたい」と話しています。」


研究班が提言をまとめたことは第一歩として評価できます.
しかし,その内容をみると歯がゆい限りです.
医師が少ない小規模な診療所で半数以上の無痛分娩行われているという現状を前提に,それらの小規模な診療所に可能な範囲で対策を検討するのでは限界があります.こと無痛分娩に関しては,国際的にもまれな日本の現状を改める必要があると思います.国際標準の実効的な安全策の実施に向けて,今後の各学会等の取り組みに期待し,注目したいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2018-03-29 17:30 | 無痛分娩事故

「市民公開講座~無痛分娩の安全性について」を傍聴して

共同通信「無痛分娩「リスク差ない」 厚労省研究班が見解示す」(2018年3月4 日)は,次のとおり報じました.

 「無痛分娩の実態把握のため、厚生労働省が設置した研究班が4日、普通のお産と無痛分娩のリスクについて「大きな目で数字を見た感じでは、そんなに差がなさそうだと言える」との見方を示した。東京都内で開いた公開講座で、代表の海野信也・北里大病院院長が市民からの質問に答えた。研究班が安全評価を公言するのは初めて。

 研究班は死亡事故を受けて設置され、2017年8月から無痛分娩の安全管理体制構築の議論を進めていた。年度内に提言をまとめる。

 10年以降に無痛分娩を受けた14人が死亡したことについて、海野氏は「同期間の妊産婦死亡者271人に占める割合は5.2%。分娩全体での無痛の実施率も14年度からの3年間で4.6%から6.1%に伸びており、ほぼ同じ割合で死亡するケースも起きている」と説明。ただ「だから大丈夫というわけではない。もっと細かく調べなければならない」と付け加えた。

 「死亡したケースをみると、麻酔薬が脊髄に入り込む合併症によるものが多い」とし、蘇生設備を整備し、医師らが研修やトレーニングを受けて緊急時に対応できるようにすれば、死亡・後遺症を防ぐことができると主張。妊婦が実施施設を選べるよう、施設側が医師の実績など情報公開を進める必要性も指摘した。〔共同〕」


NHK「無痛分べんのリスクを正しく知る市民講座」(2018年3月4日)は,次のとおり報じました.

「麻酔を使って陣痛を和らげる無痛分べんのリスクを正しく知ってもらおうと、東京で医師による市民講座が開かれました。

無痛分べんは、出産の際に麻酔をかけ、陣痛を和らげる分べん方法で、妊婦が死亡するなど重大な事故が起きていることから、厚生労働省の研究班が対策を協議しています。

無痛分べんのリスクを正しく知ってもらおうと4日、研究班のメンバーが東京・千代田区で市民講座を開き、出産を考えている女性などおよそ90人が参加しました。

この中で、加藤里絵医師は、無痛分べんの際に、背中の「硬膜外腔」と呼ばれる場所に局所麻酔をしたとき、誤って脊髄の通る場所や、血管に入ってしまうと呼吸がしづらくなり、最悪の場合、心臓が止まる危険性もあると説明しました。

一方で、こうした事態は、医療者が妊婦の様子を注意深く見て、けいれんが起きるなどの初期症状を見逃さず適切に対処すれば、防ぐことができると伝えました。

厚生労働省の研究班によりますと、去年明らかになった無痛分べんの重大な事故で、原因を特定できた6件のうちの4件は、麻酔が誤って脊髄の通る場所に入ったケースだったということです。

研究班では今後、無痛分べんを安全に行うための具体的な手順を示すほか、全国の医療機関に対し、無痛分べんの実績や、麻酔を扱う医師の研修履歴をホームページで公開するよう求めていくことにしています。」



読売新聞「妻子を亡くした神戸の遺族、無痛分娩事故の再発防止を要望」(2018年3月5 日)は,次のとおり報じました.

「神戸市西区の診療所で出産の痛みを麻酔で和らげる無痛 分娩 を巡る2015年9月の事故で、妻子を亡くした男性(33)が2日、安全対策を検討する厚生労働省研究班に、再発防止に向けた要望書を提出した。

 要望書では、これまでの研究班の検討内容を不十分と指摘。安全な無痛分娩のために望む点などを妊産婦にアンケート調査することや、無痛分娩の麻酔に習熟した医師の認定制度導入を、近くまとめる研究班の提言に盛り込むことなどを求めた。

 厚労省研究班は、重大事故の続発を受け、昨年夏に設置された。医療機関への実態調査の分析や、情報公開の方法などを検討してきた。先月の最終会合では、認定制度の導入の是非について関係学会・団体に検討を委ねる方針が示された。」


読売新聞は,「麻酔を担う医師の要件など望ましい体制を示したものの、出産と麻酔を1人の医師が行うことを容認するなど、実施要件の厳格化に反対する診療所に配慮した形で、続発する事故の歯止めとなるかは不透明だ。」と書いています.

無痛分娩を行うと,ときに全脊麻(硬膜外腔に入れるはずの麻酔薬が脊髄くも膜下腔に投与されておきます)になることがあります.
医師はこのようなことが起きないように注意していますが,どんなに注意深く適切に行っても,ときに全脊麻になること自体は防止できません.
無痛分娩で全脊麻になっても,適切な体制がとられていて人工呼吸なども含め呼吸循環動態を維持するよう適切に対応すれば,亡くなったり後遺症を残すことはありません.

ところが,無痛分娩事故として報道された8件中7件が麻酔が原因で,4件が全脊麻でした.
つまり,日本では,現在,無痛分娩で妊産婦が全脊麻になったときに,必ずしも適切な対応がとられる体制になっていません.無痛分娩で妊産婦が全脊麻になったときに,適切な対応がとられる医療機関と適切な対応がとられない医療機関があります.そして,無痛分娩を受けようとする妊産婦は,現在,適切な対応がとられる医療機関かそうでない医療機関かを知る手がかりがありません.

(リスクが変わらないという推定自体,全体の実施件数が増えていることからの大雑把なもので正確性が疑わしいですし,仮に妊産婦死亡率が無痛分娩を実施した場合とそうでない場合で異なるというエビデンスがなくても)誰もが,この状況はよくない,改善しなければならない,と考えているはずです.
安全安心に無痛分娩が行われる体制をつくるべきです.

研修も情報公開も安全安心な無痛分娩のためには有用ですが,それだけでは十分ではないでしょう.
研修は,専門医認定制度とリンクして,実効性のあるものになります.専門医認定制度は,医師が研修を受ける動機付けになります.
また,妊産婦からすると,専門医認定制度があったほうが医療機関選択が容易です.

専門医認定制度に反対する理由は,現在無痛分娩を行っている医師が無痛分娩を行えなくなるのは無痛分娩へのアクセスが悪化しよくないということのようです.
しかし,法的に専門医資格がなくても無痛分娩を行い得るとすることは可能ですし,現在無痛分娩を行っている医師が専門医資格を取得できないために,無痛分娩希望の妊産婦が事実上その医師のところでは無痛分娩を受けないことになることは,安全安心でない無痛分娩を排除することになり無痛分娩の普及のために必要なことで,妊産婦の安全のためにはむしろよいことと考えます.

無痛分娩を受けると,くじ引きのように全脊麻に当たるかもしれません.諸外国では全脊麻に適切に対応して死亡するようなことはないのに,日本では全脊麻に適切に対応できない施設であったなら死亡するかもしれません.妊産婦は,このリスクを知ったとき,安全安心な無痛分娩よりアクセスの容易さを優先するとは思えません.

研究班のとりまとめが,無痛分娩の安全な体制作りの方向への舵取りになることを期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2018-03-05 09:07 | 無痛分娩事故

3月4日,市民公開講座~無痛分娩の安全性について

3月4日13時から,「市民公開講座~無痛分娩の安全性について」が, ステーションコンファレンス東京で開催されます.

日 時 平成30年3月4日(日曜) 13時~16時 (受付 12時より)
会 場 ステーションコンファレンス東京 503 BCD
     〒100-0005 東京都千代田区丸の内 1-7-12 サピアタワー
主催  無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究班

参加費 無料 (申し込み不要) ※先着200名

どのようなことが話されるのか,注目したいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2018-03-03 10:07 | 無痛分娩事故

無痛分娩に専門医制を

神戸新聞「無痛分娩に専門医制を 神戸で出産の遺族が要望書」は次のとおり伝えました.

「神戸市西区の産婦人科医院で2015年9月、麻酔で痛みを和らげる無痛分娩
(ぶんべん)で出産をした女性とその長男が亡くなった医療事故で、女性の夫
(33)=東京都=が2日、無痛分娩の安全対策を検討している厚生労働省研究
班に、専門医認定制度の導入などを求める要望書を送付したと明らかにした。

 無痛分娩の際に受けた麻酔が本来の硬膜外腔(がいくう)ではなく、内側のく
も膜下腔に達したため、女性は呼吸困難になり低酸素状態となった。脳に損傷を
受け、意識が戻らないまま昨年5月に死亡。長男も呼吸・循環不全のため、脳に
重い障害を負い、同年8月に亡くなった。担当する院長は外来診察のため、女性
の異変に対応するのが遅れたという。

 要望書は、専門医制度の導入を巡る同研究班の議論で、デメリットとして「無
痛分娩を提供する医療機関が激減する」などを挙げていることについて、制度導
入に消極的だと指摘。さらに、麻酔後に適切な観察や対応がなされなかったこと
から、「急変に対応できる体制(産科医、麻酔科医らの24時間常駐と機器の準
備)の確保が必要」と提言した。

 女性の姉(37)は「無痛分娩のニーズや提供する医師が増える可能性がある
中で今、変えないといけない。妊産婦の意向も聞き取った上で、専門医制度導入
の道筋だけでも打ち出してほしい」と話した。(篠原拓真)」


谷直樹

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by medical-law | 2018-03-03 09:57 | 無痛分娩事故

無痛分娩事故の被害者遺族が,厚労省研究班への要望書を提出しました。

2015年9月2日に神戸市西区のクリニックでおきた無痛分娩事故により妻と子を亡くした被害者遺族が,本日,厚労省の「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究班」(海野班)に要望書(別紙)を郵送提出しました。
 要望は,以下の3点です。
(1) 妊産婦の視点に立って検討いただきたく、そのために妊産婦対象の無痛分娩についてのアンケート調査実施の方向性を示してください。
(2) 専門医認定制度の導入は、妊産婦にとってはメリットですから、導入の方向を示してください。
(3) 今後無痛分娩事故で人が亡くなることがないように、現状をよしとせず、世界標準と同レベルの安全な無痛分娩のために必要な人的物的体制を提言してください。

要望書は,以下のとおりです.

貴研究班が昨年8月23日に立ち上がり、「『医療安全に関してはダブルスタンダードは社会的に許容されない』という認識のもと、世界標準と同等のレベルの、病院・診療所で共通の安全対策の標準的方法に関するコンセンサス形成をはかる。」という基本方針が示され、研究班の任務として、諸外国のガイドライン等の検討を行ない、安全対策に関するコンセンサスを形成し、標準的方法を提示する、とのことで、私は期待を抱いて注視してきました。
貴研究班は、無痛分娩実施医療機関に対しては、「無痛分娩実施施設に関する情報公開の促進のための提言」(検討中)への積極的な対応を求めるとのことで、私は情報公開が進むものと期待しています。
ただ、討議の過程をみると、十分とは思えないところもありますので、貴研究班が提言をとりまとめ、平成30年度以降の方向性を示すに際し、以下のとおり、要望いたします。

1 実態把握について
日本産婦人科医会のアンケート調査が行われましたが、医師へのアンケートという性格上、必ずしも正確な実態が把握されたとは言いきれない面があるように思います。
妊産婦側の視点を欠いては一面的なものになりますので、妊産婦へのアンケート調査も必要と考えます。
妊産婦側が無痛分娩をどのようなものと認識し、妊産婦希望による無痛分娩がどのようにして行われているのか、無痛分娩に対するニーズの内容、とくに安全な無痛分娩のために何を望んでいるのか、を調査していただきたく思います。

2 安全管理体制の構築について
(1)認定制度の導入等
貴研究班は、関係学会・団体に対して「産科麻酔関連の認定制度等」の導入の要否に関する検討を要望する、とのことで、専門医認定制度導入自体についてすら積極的な方向を示していません。
貴研究班は、専門医制度・技術認定制度等の導入のメリットとして「わが国の産科麻酔・無痛分娩の質の向上につながる」、「妊産婦及び社会に対して無痛分娩実施施設のレベルを判断する基準を提供できる」点をあげました。
デメリットしては、「現に無痛分娩を実施している医療機関・医師が資格を新たに取得することは難しい」、「資格取得が無痛分娩実施の条件となってしまうと、無痛分娩を提供できる医療機関が激減することになる」点をあげました。
しかし、これは、専門医の資格を取得できないような医師が無痛分娩を実施している現状を認めた上で、現状を変えることをデメリットと言っていることになります。
安全な無痛分娩のためには、人的物的に体制が整っていない医療機関で無痛分娩が行われている現状を変える必要があると考えます。上記の点は妊産婦にとってはデメリットではありません。妊産婦にアンケートを行えば、専門医認定制度導入に賛成する意見が圧倒的に多数だと思います。
なお、必ずしも資格取得を無痛分娩実施の条件とする必要はありません。妊産婦に情報を提供しその選択に委ねることも十分考えられます。硬膜外無痛分娩(脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔を含む)の件数は年間1から20件の施設が最も多いことが報告されました。その件数で産科医が無痛分娩に熟練しレベルを維持できるのか、を考えると、仮に年間1~20件の施設が無痛分娩を止めることになったとしても、デメリットは生じないと思います。
亡き妻は、無痛分娩のリスクを知らされていませんでしたが、仮に知らされていたら無痛分娩を選択しなかったでしょうし、選択するとしても設備や体制の整った医療機関を選んだはずです。妊産婦に無痛分娩のリスクが知らされていなかったために無痛分娩の件数が増えてきたとすれば、リスクについての情報提供がなされれば、今後も同じように無痛分娩の件数が増え続けるとは考えられません。
さらに、「産科麻酔研修プログラム(仮称)」とそれに基づいた「産科麻酔の実施・実技」研修のコース及び講習会等の企画、実施が方向性として示されるようですが、研修を実効的なものとするためには、専門医の資格取得と関連付けたほうがよいと考えます。

(2)安全な無痛分娩のために必要な人的物的体制
硬膜外麻酔後の適切な観察がなされず、急変時に適切な対応がなされていなかったために、私の妻と息子は亡くなりました。安全な無痛分娩のためには、麻酔後に見守りができ、急変に対応できる人的物的体制(産科医、麻酔科医らの24時間常駐と機器の準備)が確保されていることが必要と考えます。無痛分娩は硬膜外麻酔等が行われることから、少なくとも専門医認定制度がない現状では、麻酔科医の関与が必要と思います。

3 要望
(1) 妊産婦の視点に立って検討いただきたく、そのために妊産婦対象の無痛分娩についてのアンケート調査実施の方向性を示してください。
(2) 専門医認定制度の導入は、妊産婦にとってはメリットですから、導入の方向を示してください。
(3) 今後無痛分娩事故で人が亡くなることがないように、現状をよしとせず、世界標準と同レベルの安全な無痛分娩のために必要な人的物的体制を提言してください。


      (連絡先)
〒160-0003東京都新宿区四谷本塩町3番1号四谷ワイズビル1F
谷直樹法律事務所 電話 03(5363)2052


なお,第1の要望書(2017年7月14日)は,http://medicallaw.jp/youbou1.pdf
第2の要望書(2017年8月8日)は,http://medicallaw.jp/youbou2.pdf
をそれぞれご参照ください。


谷直樹

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by medical-law | 2018-03-02 12:23 | 無痛分娩事故