弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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茨城県医師会,早稲田大学医学部新設誘致に反対表明

茨城県医師会,早稲田大学医学部新設誘致に反対表明_b0206085_13561986.jpg読売新聞「医学部誘致なら医師不足に…という医師会の理屈」(平成23年9月22日)は,次のとおり報じています.

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「医学部誘致を公約とする茨城県の橋本知事が早稲田大学(鎌田薫総長)に新設医学部の誘致を打診したことについて、県医師会(斎藤浩会長)は21日、水戸市の県メディカルセンターで記者会見を開き、教員確保で全国の医師不足に拍車をかけるなどとして、医学部の新設・誘致は不適当と批判した。

 斎藤会長は18日に知事に会い、「おやめなさい」と進言したことも明らかにした。

 医学部の新設・誘致に反対する理由として、県医師会は「教員確保のために医師を集めれば全国の医師不足に拍車をかける」「既存医学部で入学定員の増加を図っている」「中小医療施設や有床診療所などの経営に影響する」「医学生は卒業後に出身地へ戻る可能性もあり県の医師不足解消にならない」の四つを挙げた。

 県医師会によると、医学部の入学定員は、1981~84年度に年8280人だったが、その後の抑制政策で2003~07年度は年7625人に減少した。04年度に始まった臨床研修制度で大学に医師が残らず、都市部の医療機関などに流れたことで地方の医療機関への医師配置システムが崩壊し、各地で医師不足が顕在化した。

 県内の医師数(2008年)は人口10万人当たり162・1人で、埼玉県に次いでワースト2位。二次医療圏別では、筑波大のあるつくば医療圏の同342・3人に対し、県北の常陸太田・ひたちなか医療圏は同90・9人と3分の1にも満たず、偏在も問題になっている。医師確保を県の喫緊の課題とする橋本知事は、09年8月の知事選で医学部誘致を公約とした。

 一方、国は08年度から医学部の入学定員の増員や、地域枠などを設ける医師確保策を講じており、県医師会の小松満副会長は「ハコモノを造れば壊すことはできない。融通性のある既存のシステムを維持すべき」と述べた。また、少子高齢化や人口減少の影響にも触れ、斎藤会長は医学部を新設すれば医師過剰になる恐れもあるとし、「大きな禍根を残す」と批判した。

 早大誘致を巡っては、橋本知事が6月下旬、鎌田総長に宛てて、医学部新設の際の県内立地を求める文書を提出。中央病院、こころの医療センター、リハビリテーションセンターなど県立の医療施設が近接する笠間市の県畜産試験場跡地(約35ヘクタール)をキャンパス候補地に挙げ、教育、研究に各施設を活用してほしいとの協力姿勢を示している。」


これは,さんざん言い尽くされた理屈です.
医師会は,では,他にどのような方法で,茨城県の医師不足を解消するのか,具体的な提案をしていただきたい,と思います.
医師偏在の解消策と医師総数の増員策は,どちらかではなく,両方が必要と思います.
医学部を誘致してもどうせ茨城県に医師は残らない,と決めつけるのではなく,どうすれば茨城県に医師が残るのか,を対策を考えることが必要と思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-22 13:23 | 医療

プラザキサ,間質性肺炎で注意喚起

プラザキサ,間質性肺炎で注意喚起_b0206085_2371775.jpg

キャリアブレイン「プラザキサ、間質性肺炎で添付文書改訂- 厚労省指示」(平成23年9月20日) は,次にとおり報じています.

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「厚生労働省は9月20日、抗凝固薬プラザキサ(日本ベーリンガーインゲルハイム)や抗血小板薬プラビックス(サノフィ・アベンティス)など13件について、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう関係企業に指示した。「重大な副作用」の項に、プラザキサは「間質性肺炎」を、プラビックスは「胃・十二指腸潰瘍」をそれぞれ追記するよう求めた。

 プラザキサは今年3月14日の発売以降、「間質性肺炎」7例(うち因果関係が否定できない症例2例)、これによる死亡4例(同0例)が報告された。
 プラザキサをめぐっては、発売から8月11日までに、因果関係の否定できない出血性副作用による死亡が5例報告されたため、同月に添付文書に「警告」の項を新たに設け、注意喚起を行っている。

 プラビックス(2006年5月発売)については、直近3年で「胃・十二指腸潰瘍」36例(同20例)の報告があった。死亡例はなかった。」


プラザキサは,アメリカ,カナダに続いて日本で承認されました.日本は世界で3番目にプラザキサを承認した国です.申請から承認までわずか10か月というのも,異例でした.

経口直接トロンビン阻害薬ダビガトラン(商品名プラザキサ)は,出血死が報告され,添付文書が改訂され,出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていない等の記載がなされたばかりです.さらに,今度は,間質性肺炎についても注意喚起が求められました.

プラザキサの出血死の症例については,医師が注意し慎重に使用しても回避できないようなものも含まれているように思います.日本ベーリンガーインゲルハイムの言い分を鵜呑みにはできないと思います.

厚労省,血液凝固阻止剤「プラザキサカプセル」服用患者での死亡5例公表」ご参照

週刊ダイヤモンドのダビガトラン(商品名プラザキサ)の記事について」ご参照

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-22 01:43 | 医療

日病,「診療行為による死亡・事故の原因究明制度の在り方に関する中間報告」を近日発表

日病,「診療行為による死亡・事故の原因究明制度の在り方に関する中間報告」を近日発表_b0206085_19744.jpg◆ 報道

キャリアブレイン「医療事故調は三部構成、日病が近く中間報告」(平成23年9月20日)は次のとおり報じています.

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「日本病院会(日病、堺常雄会長)は9月17日の常任理事会で、医療安全確保推進委員会がまとめた、診療行為による死亡・事故の原因究明制度の在り方に関する中間報告案について議論した。中間報告案では、制度の基本的な考え方を示し、死亡・事故の原因を究明する「医療事故調査委員会」については、院内、外部(地方)、常設委員会の三部構成とした。この日の議論を踏まえ、同委でさらに検討を進めた後、近く中間報告が公表される予定。

 中間報告案では、▽医療事故・死等の原因を医学的に究明し、結果を教訓として医療事故防止を追求することは医療者の社会的責務である▽医学的な原因究明と再発防止を制度の趣旨とし、司法の判断、賠償問題の判断は別組織に委ねる―とする制度の基本的な考え方を明示した。
 また、医療事故調査委員会については、▽院内医療事故調査委員会(事故の当該医療機関として詳細な報告書を作成する)▽外部(地方)事故調査委員会(事故を外部の医療従事者や専門家が分析・評価する)▽中央事故調査委員会(常設組織。医療関係者以外の意見も加え、最終的に事故を分析・評価する)―の3段階とする方向性を打ち出した。
 常任理事会後の記者会見で堺会長は、「これをまとめたのは、無過失補償制度の話が出る前で、それに関しては別途検討する必要がある」との考えを示した。」


◆ 感想

日病(社団法人日本病院会)は,正会員数2,394病院(平成23年8月)で,日本の病院の全ての経営主体が参加する組織です.
その日病が,中間報告案であっても,「医療事故・死等の原因を医学的に究明し、結果を教訓として医療事故防止を追求することは医療者の社会的責務である」と認めたことは,大きな意味があると思います.

目先の訴訟防衛,刑事責任回避を旨として制度設計を行っていたら,医療の質が低下し,患者の安全が損なわれ,さらなる訴訟防衛,刑事責任回避を必要とする悪循環に陥ります.その意味で,「医学的な原因究明と再発防止を制度の趣旨とし、司法の判断、賠償問題の判断は別」というのも正しい方向だと思います.

日病の中間報告に期待いたします.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-21 00:58 | 医療

10月22日,患者の権利法をつくる会設立20周年記念シンポジウム~みんなの医療基本法

10月22日,患者の権利法をつくる会設立20周年記念シンポジウム~みんなの医療基本法_b0206085_16381970.jpg


基調報告 設立20年の歩みと患者の権利
報告者 小林洋二さん(弁護士、患者の権利法をつくる会事務局長)

パネルディスカッション
 コーディネーター 
   鈴木利廣さん(弁護士、明治大学法科大学院教授)

 シンポジスト
   伊藤雅治さん(社団法人全国社会保険協会連合会理事長)
   加部一彦さん(愛育病院新生児科部長)
   小西洋之さん(参議院議員)
   桜井なおみさん(NPO法人HOPEプロジェクト理事長)
   辻純一郎さん(昭和大学教授、医薬品企業法務研究会)

開場:13時00分
時間:13時30分~16時30分
会場:明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー1011
主催:患者の権利法をつくる会


是非,ご参加を!

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by medical-law | 2011-09-20 16:21 | 医療

「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」,佐賀県でも開始

「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」,佐賀県でも開始_b0206085_17393229.jpg朝日新聞「医療ミス?第三者の目 客観評価で再発防止期待 佐賀」(2011年09月20日)は,次のとおり報じています.

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「病院で医療行為中に患者が死亡した場合、医療ミスかどうかの判断を裁判や警察などにゆだねず、第三者の評価委員会が医療行為の是非を検証する「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」が今月、県内でも始まった。まだ適用はないが、遺族は医療ミスの有無や死因を客観的に知ることができ、医療機関は再発防止策を取ることができると期待されている。

 2日夜、佐賀市新中町の県医師会。福岡県で事業の世話人を務める福岡東医療センター研究教育部長の居石(すえ・いし)克夫医師(66)が、医師や弁護士を前に講演した。「患者は『医療は完全なもので、予期せぬ結果は医療ミス』と思っている。患者の不信感を招くと、(医療者と)コミュニケーション不足になり、悪循環だ」。中立的な機関が介入する必要性を語った。

 事業は2005年、厚生労働省の補助事業として始まり、九州では07年に福岡県で導入された。今年8月末までに、全国の10地域で145件の症例を扱った。一般社団法人「日本医療安全調査機構」が担う。

 死亡事案が起きた場合、医療機関が機構に依頼して事業が始まる。中立性を保つため、解剖は患者が死亡した所とは別の病院で行う。県内では、死体の画像診断ができる佐賀大医学部付属病院(佐賀市)のAi(エー・アイ)センターを利用することもある。結果は報告書にまとめてホームページで公開し、再発防止につなげる。費用は全て機構が負担する。

 県内での司法解剖件数の増加も、事業が始まった背景の一つだ。医療ミスによる死亡で解剖が必要な場合、警察は司法解剖で捜査に当たる。県警によると、10年の司法解剖数は62体。年々増加傾向にあるが、県内にいる嘱託解剖医は1人だけ。事業で病理解剖をすることで、司法解剖医の負担を軽くする。
 時間を短縮する効果もある。医療過誤の訴訟は判決まで数年かかることが少なくないが、事業なら平均10カ月で報告書ができる。

 評価委のメンバーには医療者も含まれるが、これまでの報告書では「電子カルテの記載が簡潔すぎる。もう少し詳細に記載した方がよい」「手技(医療技術)の改善が望まれる」など、厳しい意見もあった。

 居石医師によると、約7割の遺族が報告書に納得するという。しかし一部には、報告書を不満として訴訟になったケースもある。佐賀大医学部病因病態科学講座の徳永蔵(おさむ)教授(64)は「司法解剖では詳細な結果は全て公表されないが、事業で結果を明らかにし、医療の透明化が進むことを期待したい」と話している。

 過去の報告書は、機構のHP(http://www.medsafe.jp/index.html)で公開中。問い合わせは、佐賀支部事務局がある県医師会(0952・33・1414)へ。(伊豆丸展代)」


「医療ミス?・・・」という標題はあまり適切とはいえません.

医療の質の向上と患者の安全のためには,診療行為に関連した死亡について,臨床面及び法医学・病理学の両面からの解剖所見に基づいた正確な死因の究明と,診療内容に関する専門的な調査分析とに基づき,診療上の問題点と死亡との因果関係とともに,同様の事例の再発を防止するための方策が専門的・学際的に検討され,広く改善が図られていくことが必要です.
そのための事業が,「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」で,北海道,宮城,茨城,東京,新潟,愛知,大阪,兵庫,岡山,福岡で行われてきました.
1件100万円弱かかるということで,本年4月に北海道と東京に縮小しようとの動きもありましたが,その意義から継続となった経緯があります.

私は,相談者が「報告書」をもってきた例もいくつか経験しており,事実が解明され,病院側と遺族に事実についての共通の認識が得られたことで,紛争化の防止にも役立ちました.

この事業は,地域を拡大し,さらにすすめていってほしいと思います.

もし,内科学会を中心とするモデル事業が頓挫すると,警察庁が「犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会」を立ち上げていますので,警察が犯罪死か否かの観点から死因究明を行うことになるでしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-20 15:34 | 医療

世界保健機関報告書,生活習慣や喫煙,飲酒に起因する非伝染性疾患に警鐘

世界保健機関報告書,生活習慣や喫煙,飲酒に起因する非伝染性疾患に警鐘_b0206085_1744882.jpgCNN「生活習慣に起因する疾患、世界の筆頭死因に WHO」(2011年9月19日)は,次のとおり報じています.

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「世界保健機関(WHO)は18日、がんや糖尿病など生活習慣に起因する非伝染性疾患に関する報告書を発表した。こうした疾患による死者を減らすため、たばことアルコールに対する課税、公共の場の禁煙区域設置、食品に含まれる塩分とトランス脂肪酸の削減、健康的な食生活と運動を促すキャンペーンの推進を各国に提言している。

報告書では、生活習慣や喫煙、飲酒に起因する非伝染性疾患の患者は富裕国でも貧困国でも発生していると警鐘を鳴らした。

心疾患、がん、肺疾患、糖尿病による死者は世界で年間3600万人に上り、死亡原因の筆頭になっている。世界経済フォーラムと米ハーバード大学公衆衛生校の研究によると、もしこのままのペースが続いた場合、低・中所得の国々が2011~25年にかけて被る損失は推定約70兆円に上る恐れがある。

低・中所得の国々では栄養不良や感染症も問題になっており、WHOの専門家は「医療費負担のために毎年1億人が貧困に追い込まれている」「医療費の大半を、心臓血管系の疾患や脳卒中、肺疾患、糖尿病、がんなどの非伝染性疾患が占める」と指摘する。

国連総会は19日と20日の2日間にわたり、この問題について討議する。健康問題が議題になるのは、国連総会史上これが2度目だという。」


生活習慣という言葉は便利に使われていますが,(1)喫煙,(2)飲酒,(3)食品に含まれる塩分とトランス脂肪酸の削減,(4)健康的な食生活と運動について具体的に考えることが重要と思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-20 01:48 | タバコ

大野若菜さんのヒンデミット

大野若菜さんのヒンデミット_b0206085_8511872.jpgヨハネス・ブラームス国際コンクールで,9月9日,ヴィオラ部門の決勝が行われ,東京芸大付属音楽高校3年の大野若菜さんが優勝したことが,ビッグニュースとして報じられていました.

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そこで,動画を探してみると,「ヒンデミット:無伴奏ヴィオラ・ソナタ 作品25-1 ~第4楽章」がアップされていました.

2011年1月10日,小樽市民センター・マリンホールで開催された「ヴィオラブーケ・コンサート~若き音楽家たちが奏でる色とりどりの小品集」からの動画だそうです.

退廃音楽としてナチスの弾圧を受けたヒンデミットですが,もともとヴィオラ奏者でもあり,そのヴィオラソナタ3曲と無伴奏ヴィオラソナタ4曲は,ヴィオラの重要なレパートリーになっています.
とくに,無伴奏ヴィラソナタ作品25の1の第4楽章(Hindemith solo viola sonata op. 25, 4th movement )は有名です.

大野さんの演奏を聴いてみると,これが実にいいのです.
堂々としていて,ヴィオラの強靱さ,音楽の構築が前面にでています.
弾ききった後,どや顔をし,大きな歩幅で退場するところはご愛嬌です.

大野さんの演奏は,ブラームスも含めて,いろいろ聴いてみたいですね.

なお,全日本学生音楽コンクールで予選落ちしましたが,ヴァイオリンの岸本萌乃加さん(大野さんと同学年)も期待の星です.

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by medical-law | 2011-09-19 08:11 | 趣味

10月2日,群馬県教育会館で,ハンセン病国家賠償訴訟判決から10年の記念集会

10月2日,群馬県教育会館で,ハンセン病国家賠償訴訟判決から10年の記念集会_b0206085_1927834.jpg平成23年10月2日午後2時から,群馬県教育会館で,「群馬・ハンセン病訴訟を支援し,共に生きる会」主催の記念集会が開かれます.
谺雄二さんの「人権のふるさとを創る~ハンセン病療養所の将来構想について」と題する講演があります.
入場無料,事前申し込み不要です.
お近くの方は是非ご参加を!

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東京新聞「ハンセン病国家賠償訴訟判決から10年  回復者の谺さんが講演」(平成23年9月15日)は,次のとおり報じています.

「ハンセン病差別に対する国の責任を認めた二〇〇一年の歴史的な国家賠償訴訟判決から今年で十年を迎え、記念集会が十月二日、前橋市大手町の県教育会館で開かれる。全国原告団協議会長を務める草津町の国立療養所「栗生(くりう)楽泉園」の回復者、谺(こだま)雄二さん(79)が差別と人権をテーマに講演する。

 この訴訟は回復者たちが一九九八~九九年、旧らい予防法に基づいて各地の療養所で強制隔離され、著しく人権を侵害されたとして、熊本地裁などで起こした。同地裁は二〇〇一年五月、患者の女性に強制した中絶などを「非人道的」と非難。「一九六〇年には隔離規定が人格権を定めた憲法に違反することは明白」と国の責任を認め、国に総額約十八億二千万円の支払いを命じ、確定した。

 谺さんは七歳で発病。母親と兄も発病し、東京の療養所に入所して強制労働させられた母親は終戦直前、餓死同然で亡くなった。兄もその数年後に死亡した。東京の療養所へ面会に来た父親は「ここは人間の住む所じゃない」と一時は家族を連れ戻したという。

 記念集会は県内の支援者ら約四百五十人で組織する「群馬・ハンセン病訴訟を支援し、ともに生きる会」(高崎市)などの主催。午後二時から、ハンセン病を学ぶ高崎健康福祉大(同)の学生たちがメッセージを発表するなどした後、谺さんが「人権のふるさとを創る~ハンセン病療養所の将来構想について」と題して講演する。

 同会の吉幸(よしこう)かおる事務局次長(77)は「回復者が高齢化する中、人権侵害の歴史を二度と繰り返さないように問い直したい」と来場を呼び掛けている。入場無料。事前予約は必要ない。 (菅原洋)」


谷直樹
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by medical-law | 2011-09-18 19:12 | 医療

日本口腔インプラント学会,インプラント治療を行う際に歯科医師が注意すべきチェックリスト作成へ

日本口腔インプラント学会,インプラント治療を行う際に歯科医師が注意すべきチェックリスト作成へ_b0206085_10402996.jpg

NHK「インプラント 注意点リスト作成へ」(平成23年9月18日)は,次のとおり報じました.

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「あごの骨に金具を埋め込んで人口の歯を取り付けるインプラント治療を巡って、トラブルが後を絶たないことから、専門の歯科医師などで作る学会は、安全対策として、患者に持病がないかどうかなど治療の際に注意すべき点をまとめたチェックリストを作ることになりました。

インプラント治療は、入れ歯などよりも自分の歯に近い感覚を持てるとして、歯を失ったときの治療法に選ぶ人が増えていますが、トラブルが後を絶たず、先月には都内の歯科医師が業務上過失致死の疑いで書類送検されています。

こうした状況を受けて、専門の歯科医師などで作る「日本口腔インプラント学会」は、安全対策に取り組もうと、インプラント治療を行う際に歯科医師が注意すべき点をまとめたチェックリストを作ることになり、17日に名古屋市で開かれた学術集会で素案を示しました。
素案には、▽治療の前に、患者に糖尿病や骨粗しょう症、金属アレルギーなど、治療の障害となる持病がないかどうかを確認することや、▽患者が手術や管理の具体的方法とその経済的負担について正しく理解しているかどうかを確認すること、などが盛り込まれています。

日本口腔インプラント学会は年内をめどにチェックリストをまとめ、公表することにしています。学会の常務理事の大阪大学歯学部の前田芳信教授は「チェックリストをきっかけに、より安全で安心な体制を作っていきたい」と話しています。」


インプラント治療関連の医療事故が何件あるかは,調査公表されていませんが,インプラント治療を巡ってトラブルが後を絶たないことは間違いないでしょう.
業務上過失致死の疑いで書類送検された歯科医師の例は,特殊な1例ではなく,氷山の一角の可能性があります.

事故が起きたあとは賠償の問題になりますが,賠償は金銭的な解決にすぎません.
事故を起こさないための体制をつくることが重要です.
チェックリストはその第一歩です.
インプラント治療について,綿密な事故調査と分析を行なうと,対策が明確になってよいと思います.
より安全で安心な治療体制をつくるための,「日本口腔インプラント学会」の今後の活動に期待いたします.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-18 10:15 | 医療

茨城県,早稲田大学医学部新設誘致

茨城県,早稲田大学医学部新設誘致_b0206085_824430.jpg

◆ 報道

msn産経「早大に医学部新設打診 茨城県、医師不足解消狙う」(平成23年9月18日)は,次のとおり報じています.

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「■笠間の畜産試跡地提案

 県が早稲田大(東京都、鎌田薫総長)に対し、医学部の新設誘致に乗り出すことが関係者の話で分かった。既に県関係者が笠間市の県畜産試験場跡地を候補地として提案しており、今後、誘致活動が具体化するとみられる。県は医師確保を最重要課題としており、医学部誘致が医師不足解消につながることが期待されるが、国は約30年間、医学部新設を認可しておらず実現に向けて課題は大きい。

 関係者によると、早大医学部の新設誘致は、早大と縁があるベテラン県議がパイプ役を務め、協議を進めている。既に笠間市平町の県畜産試験場跡地を候補地とする具体的な案も示している。

 厚生労働省の調査によると、平成20年の県の医師数は人口10万人当たり153・7人と全国ワースト2位で、県内には医療過疎地域も多い。
 県は昨年、ドクターヘリを導入して救急医療体制の充実を図ったが、根本的な医師不足は解消されていないのが現状だ。
 橋本昌知事は21年の知事選で、マニフェストに大学医学部誘致を掲げた。早大医学部誘致にも積極的な姿勢を示しているとされる。

 ただ、文部科学省などは医学部新設に慎重姿勢。昭和54年以降、新設は認められていない。今後、橋本知事をはじめ県幹部が早大への働きかけを強めていくとみられる。」


◆ 感想

医師不足が言われて久しいのですが,これに対し,問題は医師不足ではなく偏在である,増やして今度は多くなりすぎたらどうするのか,などというと反対論があり,医師の増員は実現できていません.とくに医学部新設には強い反対論があります.

しかし,現実に,医師が不足している地域があり,過重な労働を強いられている医師がいます.医師増員に反対する人たちは,具体的な偏在解消策を提案しているわけではありません.医師増員へ向けて積極的に踏む出す必要があると思います.
早大医学部構想は,何度も浮上していますが,東京には医学部が集中していますので,もし早大が医学部をつくるとしたら,地方の既設医学部のない地域になります.茨城県は候補の1つにはなるでしょう.

ちなみに,最近,早大に,中外製薬の寄附講座「現代医療最前線への挑戦」が開設されました.
2011年秋学期(2011年9月~2012年1月)に,オープン教育センター実施科目としてオムニバス形式で実施し,受講者は全学部生150名程度とのことです.
臨床医や研究者から,日本のがん医療の現状と課題や倫理観について語って頂くほか,証券アナリスト並びに実際に業務に携わる企業の社員(研究者・MR)から、がん治療に挑む製薬企業の取り組みについて語って頂く内容とのことです.プレスリリースご参照.

医学部をつくるのはとても大変なことですが,医学医療に新しい風を吹き込むためにも,医学部新設実現に期待いたします.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-18 05:46 | 医療