弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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グールド・コンダクツ&プレイズ・ワーグナー

グールド・コンダクツ&プレイズ・ワーグナー _b0206085_11443716.jpg
今日2月13日は Richard Wagner氏 の命日です.

Richard Wagner氏を好きな人は,分厚い管弦楽の響きと輝かしい色彩の楽劇をまず聴きますし,Glenn Gould氏 を好きな人は,ゴールドベルク変奏曲などBachを聴きますので,「Glenn Gould Conducts & Plays Wagner」は,それほど多くの支持をえていないかもしれませんが,必聴の1枚と思います.

1973年録音の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から「第1幕への前奏曲」,「神々のたそがれ」から「夜明けとジークフリートのラインへの旅」,そして「ジークフリート牧歌」(いずれも Glenn Gould氏 編)
そして,1982年録音のGlenn Gould氏指揮の「ジークフリート牧歌(小管弦楽によるオリジナル版) 」
が収録されています.

派手さはありませんが,音楽のつくりがわかりますし,シンプルにいい演奏です.

谷直樹
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by medical-law | 2012-02-13 03:14 | 趣味

嘘をついた医師は1割

嘘をついた医師は1割_b0206085_11584842.jpg以前,東京地裁医療集中部の裁判官は,医師は嘘をつかない,と言っていました.
他方,米国と日本の裁判事情を知っている人からは,日本の医師は平気で裁判で嘘を言う,日本にはキリスト教の信仰がないから宣誓の意味が軽い,と聞きました.

米国で,医師が,(法廷での証言の場面ではなく)患者への説明の場面で,どの程度嘘を述べているかを調べた結果がでました.

米国東部最大の病院であるマサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)が,医師1900人に行った調査で,「前年患者に嘘をついた」と答えた医師が約1割にのぼったとのことです.
医療過誤については,多くの医師が情報を隠した,と回答したとのことです.
「患者に重大なミスについて知らせるべき」と考えている医師は全体の2/3しかいません.

楽観的な見通しを言われ,正しい情報が隠されると,患者の informed choice に支障が生じます.

なお,「女性医師や白人以外の医師は、白人男性医師に比べ、嘘をつかず、規範を守る傾向にある」とのことです.

税金と保険の情報サイト「信頼できるのは女医? 2011年、1割の医者が患者に嘘をついた」(2012年2月11日)ご参照‎

Many Doctors May Be Less Than Honest With Their Patients」 (Feb. 09, 2012)ご参照

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by medical-law | 2012-02-13 02:03 | 医療事故・医療裁判

九州合同法律事務所のブログは九州合同法律事務所

九州合同法律事務所も2月11日からブログを始めました.
小林洋二先生,久保井摂先生,安倍久美子先生など文才のある先生方がいますので,期待しています.

九州合同法律事務所のブログタイトルは,「九州合同法律事務所」で,意外にそのまんまでした.

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by medical-law | 2012-02-12 01:20 | 司法

静岡県の病院,常位胎盤早期剥離による胎児死亡で2012年2月10日和解

静岡県の病院,常位胎盤早期剥離による胎児死亡で2012年2月10日和解_b0206085_13265781.jpg


重要な裁判上の和解が報道されています.

◆ 事案

毎日新聞「医療ミス訴訟:静岡赤十字病院、5500万円で和解 /静岡」(2012年2月11日)は,次のとおり報じています.

「訴状によると、女性は妊娠26週だった04年7月20日、腹痛などを訴え同病院を受診した際、実際は直ちに帝王切開が必要な常位胎盤早期剥離だったことに気付かなかった。その後も胎盤早期剥離の兆候が顕著だったにもかかわらず約10時間処置せず、胎児を死なせたとしている。」

◆ 訴訟上の和解

静岡地裁民事1部で,2012年2月10日,日本赤十字社がその女性に5500万円を支払い謝罪することで和解が成立しました.
日本赤十字社は,当初争う姿勢でしたが,昨年10月裁判所が鑑定を委託した産婦人科医が「治療は不適切」と報告したことから和解を受け入れた,とのことです.

◆ コメント

上記報道の件は私が担当したものではありません.
被告(医療機関)側から,原告(患者)側が私的鑑定意見書を提出しない限りは,裁判所が鑑定をすべきではない,という主張が行われることがしばしばあります.
しかし,両当事者が納得できる科学的な適正な裁判所鑑定が行われれば,医療訴訟は早期に解決します.
本件は裁判所鑑定が解決に奏功した例と思います.

受診時に直ちに帝王切開が必要な常位胎盤早期剥離だった場合,その時点で帝王切開を行っていれば結果は違っていたのかが,問題になります.本件は,日本赤十字社が和解に応じたことからすると,結果は違っていたといえる事案なのでしょう.
なお,胎児死亡事案で5500万円の賠償額は,過去の例と比べて高額です.

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by medical-law | 2012-02-12 01:07 | 医療事故・医療裁判

日弁連の会長選挙,再投票へ

日弁連の会長選挙,再投票へ_b0206085_11551543.jpg

山岸憲司先生は大都市の弁護士会で票を伸ばし7958票,12弁護士会でトップ,宇都宮健児先生は地方の弁護士会の票を集め6608票,37弁護士会でトップでした.
そこで,今回も,再投票となりました.

山岸憲司先生は18弁護士会でトップをとらないと当選できません.
「The Country mouse and the Town Mouse」ではありませんが,目指すものがだいぶちがうようですので,18弁護士会で勝つのは大変です.

宇都宮健児先生は総投票でトップをとらないと当選できません.
尾崎純理先生の票の大部分が山岸先生支持に回ると,森川文人先生の票が宇都宮先生支持に回っても総投票で勝つのは大変な状況です.

当選者がいない場合は,選挙は振り出しに戻り一からやり直しになります.
ルール上は何回でも振り出しに戻り「そして,誰も会長になれなかった」という事態が生じるわけです.
このルールはこのままでよいのでしょうか.

谷直樹
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by medical-law | 2012-02-11 03:03 | 弁護士会

診療報酬の水増し請求返済不能のため病院が破産

診療報酬の水増し請求返済不能のため病院が破産_b0206085_13384088.jpg静岡県熱海市の「熱海温泉病院」を経営する医療法人社団「翔健会」(西田佳史理事長)は,診療報酬の水増し請求を繰り返し,時効にならない2006年9月~11年8月分で20億円を超しているとのことです.
返済不可能のため2月末で閉院する方針を決め,2012年2月10日,東京地裁に破産申請して,受理されました.

読売新聞「熱海温泉病院、診療報酬20億円以上を不正受給」(2012年2月10日)ご参照

もちろん水増し請求することに問題がありますが,長年水増し請求に気づかなかったことも問題です.

時々,このような破産,民事再生がありますので,医療過誤に基づく損害賠償請求は,急がねばなりません.

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by medical-law | 2012-02-11 00:57 | 医療

「脳卒中から助かる会」,t―PA療法で横浜市に要望書

「脳卒中から助かる会」,t―PA療法で横浜市に要望書_b0206085_1261153.jpg

「脳卒中から助かる会」は,2012年2月9日,血栓溶解療法(t―PA療法)対応の医療機関への搬送体制整備をすすめる横浜市に対し,t―PA療法について「とても有効な一方,脳出血の危険な副作用がある。治療を行う病院の医療体制は厳しい条件を満たす必要がある」と指摘し,市が搬送先としている31病院について(1)病院の安全基準を設定し,市が責任を持って認定する(2)搬送先は病院の能力に応じて決める(3)病院の医療体制と治療成績を公開する―などを要望しました.

神奈川新聞「救急体制改善へ、脳卒中患者らの団体が市に要望書提出/横浜」(2012年2月9日)ご参照

「脳卒中から助かる会」は,横浜市立脳血管医療センターの患者有志が,救急救命からリハビリテーションまでの一貫した機能の存続 を求めてつくった会です.

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by medical-law | 2012-02-10 08:55 | 医療

米FDA,PPI(プロトンポンプ阻害薬) とCDADの関連を警告

米FDA,PPI(プロトンポンプ阻害薬) とCDADの関連を警告_b0206085_11515055.jpg

米FDAは2012年2月8日,PPI(プロトンポンプ阻害薬)とCDADの関連を警告しました.PPIは,低容量,短期間の使用にとどめるべきとのことです.

Proton Pump Inhibitors (PPIs) - Drug Safety Communication: Clostridium Difficile-Associated Diarrhea (CDAD) Can be Associated With Stomach Acid Drugs

RECOMMENDATION: Patients should immediately contact their healthcare professional and seek care if they take PPIs and develop diarrhea that does not improve. Information for Healthcare Professionals:

A diagnosis of CDAD should be considered for PPI users with diarrhea that does not improve.
Advise patients to seek immediate care from a healthcare professional if they experience watery stool that does not go away, abdominal pain, and fever while taking PPIs.
Patients should use the lowest dose and shortest duration of PPI therapy appropriate to the condition being treated


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by medical-law | 2012-02-10 06:15 | 医療

愛媛県の病院,永久気管孔を塞いだ事故で調査報告書

愛媛県の病院,永久気管孔を塞いだ事故で調査報告書_b0206085_13225437.jpg愛媛県立中央病院で,看護師が患者の永久気管孔を塞ぎ患者が窒息死した事故について,同病院は,2012年2月7日,看護教育や情報共有の強化などの再発防止策を盛り込んだ報告書をまとめ,市保健所に提出しました.

◆ 事故原因

「報告書は、事故原因について、担当看護師に首の切開口が「永久気管孔」との認識がなく、フィルムシートで塞いだこと、と結論。臨床現場での看護教育が不十分で、カルテに依存し看護師間や医師との情報共有が不足していたとした。」(毎日新聞「県立中央病院の医療事故:再発防止策まとめる 報告書提出 /愛媛」(2012年2月8日))

「報告書によると、患者のカルテに「咽頭癌(がん)」「気切孔あり」との記述があったが、「永久気管孔」とは書かれておらず、看護師が口と鼻からも息ができると思い込んでいたことなどが事故原因と断定。」(読売新聞「患者情報の共有不十分」(2012年2月8日)


毎日新聞は,看護教育不十分,カルテ依存を主眼に報じていますが,読売新聞は,カルテに「永久気管孔」と記載がなかったことを指摘しています.

◆ 再発防止

毎日新聞の報じる再発防止は次のとおりです.
(1)医師が講師を務める研修の実施
(2)カルテに加え、対面・口頭での再確認の徹底
(3)全業務の見直しを進める改善推進本部設置

読売新聞の報じる再発防止策は次のとおりです.
(1)カルテに依存し過ぎず、医師や看護師間で申し送りを行う際などに口頭で患者情報を再確認する
(2)カルテの記載法指導や看護教育の強化

◆ コメント

上記報道の件は私が担当したものではありません.
私は,「愛媛県立中央病院,患者の永久気管孔を塞ぎ窒息死」で次のとおり書きました.

「喉頭を摘出し永久気管孔を開けている患者は,稀ではありません.ただ,脳神経外科では,あまりみなかったのでしょう.
たしかにこの20代の担当看護師の思いこみは軽率ですが,永久気管孔を開けている患者であることは,医師・看護師で共有すべき情報です.医師は,看護師に伝えるべきと思います.」

医師が看護師に伝えていないことに問題があると思います.

事故調査報告書は,プライバシーにかかわる部分を除いて,病院のサイトなどで公表していただくと,他の病院でも事故防止に役立てることができます.愛媛県立病院のサイトに未だ調査報告書が掲載されていないようですが,掲載いついてご検討いただきたくお願いいたします.

谷直樹
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by medical-law | 2012-02-09 04:23 | 医療事故・医療裁判

富山刑務所で,搬送が遅れ受刑者死亡

富山刑務所で,搬送が遅れ受刑者死亡_b0206085_13205100.jpg◆ 事実の経過

受刑者(70代男性)は,2011年6月上旬に入所し,高血圧や糖尿病などのため定期的に治療を受けていました.
2012年2月5日午後8時35分,受刑者は,呼吸はしているものの,意識もうろうとした状態で,刑務官の呼びかけにこたえない状態でした.
刑務官は,体温を測り,低かったことを確認しました.
まばたきをしていたため,当直責任者は「意識があり,緊急性はない」と判断し,受刑者の体を湯たんぽや毛布で温めて経過をみました.

午後9時30分に看護師に連絡し,看護師が午後9時50分に到着しましたが,受刑者の脈が弱く,低体温で,血圧も測れない状態でした.
午後10時半過ぎに,消防に救急出動を依頼しました.
午後11時10分頃,受刑者は富山市内の病院に運ばれましたが,「救急車から引き渡しを受けてまもなく,男性は蘇生処置が必要な状態になった」とのことです.
受刑者は,午後11時52分,死亡が確認されました.

読売新聞「まばたきしたと搬送まで2時間余、受刑者死亡」(2012年2月8日)

◆ コメント

報道の件は私が担当したものはありません.
刑務官は,意識レベルの測定法を知らなくても,午後8時35分の時点で意識もうろうとした状態で呼びかけにこたえない状態で,体温が低いのですから,通常,重大な異変があると判断できるでしょう.その時点で,消防に救急出動を依頼すべき義務があったと思います.

本件は,死因が未だわかりませんので,死亡についての因果関係は未だ不明ですが,刑務所の対応に問題がある事案ではないかと思います.

なお,神戸地裁平成23年9月8日判決は,神戸拘置所で医師の診察を受けさせず凍死した事案で,国に賠償を命じています.

谷直樹
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by medical-law | 2012-02-08 12:08 | 医療