弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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新型インフルエンザ特措法,強制診察・集会制限等最大3年も

新型インフルエンザ特措法,強制診察・集会制限等最大3年も_b0206085_855467.jpg

時事通信「集会制限命令盛り込む=ワクチン接種順位も-新型インフル法案」(2012年3月6日)は,次のとおり報じています.

「政府は6日、新型インフルエンザの発生時に医師に診察を命じたり、集会の制限命令を出したりする規定を盛り込んだ対策法案をまとめた。近く閣議決定し、今国会に提出する。
 法案によると、世界で新型インフルエンザが発生した際、政府は対策本部を設置。入国者の検疫を行ったり、医師に対し感染の疑いがある人の診察を命じたりできるようにする。
 さらに、国民の生命・健康、国民経済に重大な被害を与える恐れがあるインフルエンザが国内で発生した場合には、首相が緊急事態を宣言。集会の制限命令を出すなど私権制限に踏み込むことを可能にする。国民へのワクチン接種順位も決め、宣言の継続期間は最大3年とする。」


法案の内容がようやく報道されましたが,予想以上にひどい内容です.
新型インフルエンザを口実とする人権侵害にほかなりません.
しかも3年も!

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-07 00:18 | 人権

厚労省,医道審議会の答申を受け,リピーター医師を戒告処分

厚労省,医道審議会の答申を受け,リピーター医師を戒告処分_b0206085_1819910.jpg厚生労働省は,2012年3月5日,医道審議会の答申を受けて,医師・歯科医師38人の行政処分を発表しました.

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四日市市の××産婦人科の医師(71歳)は,麻酔薬の誤投与で出産後の女性を死亡させたとして業務上過失致死罪で罰金刑が確定し,2011年9月に厚労省が戒告処分を受けていますが,今回,別の2件の医療過誤であらためて戒告処分になりました.
いわゆるリピーター医師が処分されたのはこれが初めてです.

厚生労働省の処分は,行政処分です.
行政処分は,民事裁判とも刑事裁判とも,目的が異なります.
したがって,行政として,独自に認定,判断し,処分すべきです.
いままで刑事裁判で有罪となったことを受け,処分を決める,という対応であったことは,行政処分の本旨からすると異常なことでした.

ただ,従来の仕組みに変わりはありませんので,医道審議会が医療事故について独自に判断することには無理があります.

××産婦人科の医師は,戒告を受け再教育を受けることになりますが,再教育が必要なのはこの医師だけなのか,いささか疑問があります.一罰百戒と言えば聞こえはよいですが,不公平な処分という批判もあり得ると思います.

医療事故について,網羅的に収集検討し,原因を分析し,再発を防止するなかで,医道審議会ではなく,より適切な機関が再教育の必要性を判断していく仕組が必要と思います.

毎日新聞「医道審議会:医師と歯科医師38人を行政処分 不正などで」(2012年3月5日)は,次のとおり報じています.

厚生労働省は5日、医道審議会の答申を受け、刑事事件で有罪が確定するなどした医師と歯科医師計38人の行政処分を発表した。免許の取り消しは6人、1カ月~3年の業務停止は30人、戒告は2人。処分の発効は19日。

 患者の病名を偽り診療報酬を不正請求したとして詐欺罪で有罪になった旧厚生省医療指導監査官××××医師(61)=横浜市=や、共謀して女性を酒に酔わせて暴行しようとしたとして集団準強姦(ごうかん)未遂罪で有罪が確定した×××医師(39)=東京都北区=と××××医師(31)=文京区=は免許取り消しとした。

 産婦人科医院での2件の医療事故を巡り、患者の家族が事故を繰り返す「リピーター医師」として処分を申し立てていた××××医師(71)=三重県菰野町=は戒告とした。××医師は別の医療事故でも業務上過失致死罪で罰金50万円の略式命令を受け、昨年9月に厚労省から戒告処分を受けている。

 同省は診療報酬の不正請求について、従来は不正額に応じて処分していたが、額に関わらず「医業停止3カ月」など一定の処分内容とする方針に改めた。【佐々木洋】

 医道審議会の答申を受けた厚生労働省による処分者は次の通り(当時の所属医療機関の所在地、医療機関名、氏名、年齢、処分理由。敬称・呼称略)。

<免許取り消し>医療機関の所在地・名は非公表、×××(39)集団準強姦未遂
▽同、××××(31)集団準強姦未遂など
▽埼玉県桶川市、××××診療所××分院、××××(57)準強制わいせつ
▽和歌山県紀の川市、××耳鼻咽喉科、×××(53)同
▽広島市、××××××××病院など、×××(42)強制わいせつなど
▽横浜市、××クリニック、××××(61)詐欺

 <医業停止3年>
茨城県神栖市、×クリニック、××××(43)覚せい剤取締法違反など
▽東京都世田谷区、×××××病院、××××(45)同
▽大阪府吹田市、×××××××付属病院、××××(37)強制わいせつ

 <医業停止2年>
埼玉県川口市、××××××クリニック、××××(41)覚せい剤取締法違反
▽兵庫県猪名川町、×××××歯科医院、××××(64)準強制わいせつ

 <医業停止1年>
勤務先医療機関なし、××××(42)傷害など
▽高松市、×××××病院、×××(28)同

 <医業停止6月>
東京都港区、××××××クリニック、×××(62)保健師助産師看護師法違反
▽文京区、××歯科医院、×××(59)傷害
▽埼玉県毛呂山町、××××××病院、××××(33)住居侵入など
▽京都市、××歯科医院、××××(47)健康保険法などに基づく検査の拒否
▽同、××歯科医院、×××××(47)同

 <医業停止3月>
兵庫県尼崎市、××××病院、×××(41)自動車運転過失傷害など
▽東京都東村山市、××歯科医院、××××(44)児童買春・ポルノ処罰法違反
▽神奈川県伊勢原市、×××××××付属病院、××××(31)同
▽東京都府中市、××××病院、×××(30)迷惑防止条例違反
▽青森県弘前市、××病院、×××(46)道交法違反
▽堺市、××××クリニック、×××××(30)同
▽福井県越前市、××整形外科、××××(55)診療報酬不正請求
▽津市、××内科、×××(70)同
▽高知市、××歯科診療所、××××(47)同
▽京都市、××××歯科医院、××××(43)同
▽同、××××デンタルクリニック、××××(36)同
▽愛媛県今治市、××歯科医院、×××(54)同

 <医業停止2月>
川崎市、×××病院、××××(52)道交法違反
▽大分市、××××病院、××××(38)同

 <医業停止1月>
京都府木津川市、×××デンタルクリニック、××××(49)傷害
▽勤務先不明、×××××(76)、労基法違反など
▽広島市、××××××××病院、×××(29)道交法違反
▽福島県小野町、××クリニック、××××(64)廃棄物処理法違反

<戒告>
高松市、××歯科医院、××××(58)電磁的公正証書原本不実記録・同供用
▽三重県四日市市、××産婦人科、××××(71)医事に関する不正」

 
谷直樹
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by medical-law | 2012-03-06 08:46 | 医療事故・医療裁判

北九州市の病院,ガーゼ残置事案で示談(報道)

北九州市の病院,ガーゼ残置事案で示談(報道)_b0206085_18365177.jpg
日刊スポーツ「おなかの中に11年間ガーゼ放置」(2012年3月5日)は,次のとおり報じています.

「○○病院(北九州市)は5日、1999年に卵巣腫瘍の手術をした50代の女性患者の腹部にガーゼを置き忘れるミスがあったと発表した。女性は昨年、ガーゼの摘出手術を受け、術後の経過は良好という。

 同病院によると、女性は昨年3月、体調不良を訴え市内の別の病院を受診した際、腹部から約20センチ四方のガーゼ1枚が見つかり、摘出手術を受けた。

 女性は99年10月の○○病院での手術以降、ほかに手術を受けていなかったという。同病院は今年2月、賠償金を支払うことで女性と示談が成立した。

 院長は「同様の事例が起きないよう再発防止を徹底する」としている。(共同)」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
体内に異物が残されていたことは,患者にとっては,不安なものです.
ガーゼ残置事案の示談報道は結構ありますが,おそらく報道される以上に起きているとみたほうがよいでしょう.根本的な徹底した再発防止策が必要と思います.

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by medical-law | 2012-03-06 08:11 | 医療事故・医療裁判

日弁連,新型インフルエンザ対策のための法制に関する会長声明

日弁連,新型インフルエンザ対策のための法制に関する会長声明_b0206085_185541.jpg

日本弁護士連合会(日弁連)は,2012年3月2日,「新型インフルエンザ対策のための法制に関する会長声明」を発表しました.
「新型インフルエンザ特措法」が,科学的な根拠が不十分なまま,人権に対する過剰な制約となる疑いが強いことから,以下の問題点を指摘し,性急な立法に反対しています.

内閣官房新型インフルエンザ等対策室は、本年1月、「新型インフルエンザ対策のための法制のたたき台」と題する資料(以下「たたき台」という。)を公表し、政府は今国会に「新型インフルエンザ対策特別措置法案(仮称)」(以下「新型インフルエンザ特措法」という。)の提出を予定している。

「たたき台」によれば、国は、発生した新型インフルエンザが国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあり、かつ、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるときに「新型インフルエンザ緊急事態」を宣言できるとされ、その緊急事態における措置として、集会等の制限の要請や指示を始め、土地の収用、政策金融、国民の予防接種など、国民生活や企業活動に広範な影響を及ぼす措置を実施するとされ、罰則規定にも言及されている。

しかし、これらの人権制限については慎重な配慮と十分な国民的議論が必要であり、とりわけ、集会の制限については、集会が民主主義の基礎となる市民に身近な表現活動であり、それゆえに集会の自由が憲法21条によって保障されている重要な人権であることに鑑みれば、より一層の慎重さが要求される。

また、「新型インフルエンザ」の危険性の程度や流行の可能性については、科学的にも意見が分かれているところである。衛生状態や環境の異なる海外での事例を我が国にそのまま当てはめることもできない。さらに、「たたき台」では、「新型インフルエンザと同様の影響を持つ未知の新感染症にも適用する」とされているが、「同様の影響をもつ未知の新感染症」の範囲も不明確である。 新型インフルエンザ等について、科学的な根拠が十分でないまま、予防接種が強制されたり、集会の自由を始めとする各種人権が制限される懸念を払拭できない。

新型インフルエンザについては、現行の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(1998年10月2日法律第114号)においてその対策が定められている。同法においては、「新型インフルエンザ等感染症」は「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの」と定義され(6条7項)、「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」が要件とされているが、2009年に発生したA型H1N1亜型インフルエンザ(以下「09年インフルエンザ」という。)は、その危険性がなお不明な時点で「新型インフルエンザ等感染症」に該当するものとして同法が適用され、その後、09年インフルエンザの危険性が概ね季節性インフルエンザと同程度であることが判明した後も、適用が続けられた。政府が、09年インフルエンザについて、同法6条7項の「新型インフルエンザ等感染症」と認められなくなった旨を公表したのは、2011年3月31日である。

このような09年インフルエンザの経験に照らすと、新型インフルエンザ特措法についても、その拡大適用が懸念されるところであり、仮に新たな新型インフルエンザ対策が必要であるとしても、その適用の要件及び手続、制限される人権の範囲及び程度等について、具体的内容を定めた法案に基づく十分な検討が必要であるが、今なお、政府が示しているのは極めて抽象的な「たたき台」のみであり、具体的な検討は全くなされていない。にもかかわらず、政府が3月中の法案提出を予定しているのは、あまりにも性急に過ぎる。

当連合会は、新型インフルエンザ対策のための法制が、科学的な根拠が不十分なまま、各種人権に対する過剰な制約を伴うものとならないよう政府に求めるとともに、上記問題点を十分に検討することなく性急な立法を目指すことには反対する。」


新型インフルを口実に治安維持法ができようとしている,と言ってもよいでしょう.
戒厳令が出されてからでは遅すぎます.急いで反対の声をあげるべきでしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-05 08:47 | 弁護士会

大学が系列病院から麻酔科医を引き上げ

大学が系列病院から麻酔科医を引き上げ_b0206085_1832789.jpg
札幌医科大学が,苫小牧市立病院,浦河赤十字病院,国立函館病院,市立赤平病院,市立三笠病院などの系列病院から常勤麻酔科医を引き上げるそうです.

「医大麻酔科には40人の医師が所属しているが、女性が4割を占めている。さらに6人が産休に入ったことなどから、同医大の山蔭道明教授は「医師不足の中で、(派遣を)引き上げざるを得なくなった」と説明する。」

苫小牧民報「苫小牧市立病院、麻酔科常勤医不在に? 札医大が派遣打ち切り打診」(2012年 3月1日)ご参照

たしかに,麻酔科医は,勤務時間の関係と思いますが,女性が多いです.
このように女性医師が多いと出産などの事情が重なり医師不足に陥ることも,当然予見可能で対処もできたはずなのに,突然このような事態になったことは疑問です.
女性医師が増えていることを考えると,前と同じ人数では医師不足になることは明らかです.

なお,苫小牧市立病院については,「一昨年、苫小牧市立で起きた医療事故の対応をめぐり、医師と病院側の信頼関係にひびが入り「そういう対応の病院では勤務できない、という医師もいる」(山蔭教授)。」そうです(前掲新聞記事).
そのような事情で真っ先に苫小牧市立病院への派遣が打ち切りになったのかもしれません.
なお,別の地域の別の病院の話ですが,出来の悪い医師を厳しく叱ったら辞めてしまい,大学からその科の医師派遣を打ち切られた,ということを院長先生から聞いたことがありますから,派遣打ち切りにはいろいろな事情があるのでしょう.

ともあれ,麻酔常勤医が不在ということは,緊急手術ができないことを意味し,東胆振の中核病院としての役割を担えないことになります.

以前,国立がんセンター中央病院で10人の常勤麻酔科医のうち5人が退職し,手術数を制限せざるを得なかったこともありましたが,その後常勤医は14人となり体制が確立されました.
雨降って地固まることを期待いたします.

市議会で,「岩倉博文市長は「患者、市民に与える影響を最小限にするため、昨年11月から全力を挙げて取り組んでいる」と説明。常勤医師の確保については「報告できる段階ではないが、動いている案件もある」などと答え、継続して医師確保に力を入れる考えを強調した。」とのことです.

苫小牧民報「外科手術への影響必至 苫小牧市立病院常勤麻酔医不在問題」(2012年3月3日)

【追記】

苫小牧民報「苫小牧市立病院 5月までは麻酔科常勤医確保」(2012年3月6日)は,次のとおり報じています.

「苫小牧市立病院の麻酔科常勤医が不在になるとされていた問題で、苫小牧市の岩倉博文市長は5日記者会見し、4月から2カ月間は、1人の常勤医確保に見通しが立ったことを発表した。苫小牧市医師会と協力して、市内医療機関からの応援態勢も協議しており、「地域医療を守るため、最大限の努力をしていく」などと述べて診療体制の維持に全力を挙げる考えを強調した。

 会見には市医師会の沖一郎会長も同席した。札幌医科大学からの医師派遣で3人の常勤態勢だった麻酔科は、今月中は常勤医2人と、札医大関連病院から出張医が週1日か、2週に1回派遣する方向で対応する。

 4、5の2カ月間は、札医大が常勤医1人を派遣することで了承を得た、という。さらに市内などの医療機関で、市医師会に所属する11人の麻酔科医の協力を得る形で、こうした医師がシフトを敷いたり、「札幌からも応援してもらう」(沖会長)方向で調整を続けている。

 これらの態勢を取ることで、夜間や休日、緊急時の手術に関して、沖会長は「(市立以外の)基幹病院や外科系医療機関でどのくらいできるのか調節、精査している。手術ができないことではない」と説明。基幹病院としての機能維持に協力する考えを強調した。

 6月以降の常勤医確保や診療体制は、岩倉市長は「報告できる段階ではないが、常勤医確保に向けて万全を期していきたい」と述べるにとどめた。

 また、市長は札医大が派遣引き揚げの方針を示したことについて、医師不足のほか、一昨年6月の医療事故に対する「病院の対応も影響している」と説明。十分な事故解明を行わず、麻酔による事故として議会報告したことについて「麻酔科医師、大学医局関係者に大変不快な思いをさせ、心からおわびしたい」と不適切な対応を陳謝した。沖会長も「(病院側の対応は)医師の立場から、麻酔科医が病院から離れていくことにつながる可能性は十分にあり得た」との認識を示した。

 こうした状況を踏まえ、事故原因や過失の有無などを再検証する医療事故調査検討委員会を中旬に設置することを改めて説明。医療事故に対する院内組織の強化にも言及した。」


 
 苫小牧民報社「「原因の特定困難」 苫小牧の市立病院事故調査委員会が報告」(2012年5月25日)は,次のとおり報じました.

苫小牧市の岩倉博文市長は25日、臨時記者会見を開き、市立病院医療事故調査検討委員会の報告書を受け、再発防止など院内の医療安全体制の確立に向けた取り組みの促進を強調した。

 事故は2010年5月に発生。人工関節置換手術を受けた患者に術後、障害が出たもので、院内の情報共有や検証が不十分なまま、「麻酔による事故」と当初、市議会などに報告した。

 調査委が原因と当時の対応を再検証し、24日の委員会で報告書をまとめた。会見に同席した沖一郎委員長は、事故原因について「時間が経過し、特定は困難との結論に至った」と説明。一方で「情報共有や事故後の管理部門の不適切な対応が問題を大きくした」として、院内体制確立の必要性を提言したと述べた。

 市長は、医療安全体制構築に向けた行動計画を策定したことを説明し、「体制を立て直し、市民や医療関係者に信頼される病院づくりに取り組む」と強調。「患者や、一連の対応で医療関係者にご迷惑を掛けた」と謝罪した。」


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by medical-law | 2012-03-04 11:30 | 医療

FDA,エリキスの承認判断を延期

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以前,「ファクターXa阻害剤アピキサバンがワーファリンに優るという報告」を書きましたが,ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社とファイザー社の塞栓症薬Factor Xa阻害剤「エリキスELIQUIS」(一般名:アピキサバンapixaban)について,米食品医薬品局(FDA)は,新たな情報が提供されたことから,最終承認判断期限を3カ月延期し6月28日としました.

ワルファリンの代替薬として,ベーリンガー・インゲルハイム社のプラザキサPradaxa(一般名:ダビガトラン)とジョンソン・エンド・ジョンソン社のザレルトXarelto(一般名:リバロキサバン)と三つ巴の競争になるでしょうが,プラザキサの例をみるまでもなく,安全性は慎重に検討される必要があります.

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by medical-law | 2012-03-03 09:00 | 医療

2012年3月3日沢田貴志医師ご講演「医療を受ける権利を守るために~外国人医療から見えてくるもの」

「医療を受ける権利を守るために~外国人医療から見えてくるもの」

講師:沢田貴志さん (医師・神奈川県勤労者医療生活協同組合港町診療所長)

2012年3月3日沢田貴志医師ご講演「医療を受ける権利を守るために~外国人医療から見えてくるもの」_b0206085_2041216.jpg


☆ いま,医療を受ける権利は守られているのでしょうか。そして,これからは・・・・・・。

☆ 日本で暮らす外国人にとって重要な人権問題である医療に取り組まれている沢田さんの経験の中には日本のこれからを示唆することがたくさんあるように思います。

☆ 日本に住む誰でもが医療を受ける権利を守るために,<医療者と患者・市民>はどのように連携していけばいのか一緒に考えていきましょう。

☆ 港町診療所で、弱い立場にある外国人に対する医療に取り組まれている医師の沢田さんが、外国人医療から見えてくる現在の医療の問題点と人々の医療を受ける権利を守るために医療者と患者・市民がどのように連携していくべきかについてお話してくださいます。

☆ これからの日本の医療の在り方について考えたい人にとって必聴のお話です。


○日時: 2012年3月3日(土)
 患者の権利オンブズマン東京総会:13時~13時55分
      記念講演:14時~15時30分
 
○場所: 東京医科歯科大学医学部A棟地下1階臨床講堂

○主催:患者の権利オンブズマン東京 03-5363-2052 谷直樹法律事務所内
 
どなたでも参加できます 参加費無料 事前申込不要

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by medical-law | 2012-03-02 06:16 | オンブズマン

薬害C型肝炎被害給付金,請求期限迫る

薬害C型肝炎被害給付金,請求期限迫る_b0206085_7325051.jpg

「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」(平成二十年一月十六日法律第二号)は,公布の日から施行されました.
給付金の支給の請求には法律の行の日から起算して五年を経過する日まで,という期間制限があります.

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静岡新聞「薬害C型肝炎検査呼び掛け 給付金請求期限まで1年」(2012年2月27日)は,次のとおり報じています.

 「薬害肝炎被害救済法に基づくC型肝炎ウイルス感染者の給付金請求期限が、残すところ1年を切った。全国には薬害による感染者が1万人以上いるとされ、県内の保健所などは無料のウイルス検査を受け付けている。県疾病対策課は「疑いがあれば、積極的に受診してほしい」と呼び掛ける。
 薬害によるC型肝炎ウイルス感染をめぐり、国を相手取った損害賠償請求訴訟が全国の裁判所で続いている。給付金を受け取るためには、2013年1月15日までにこの損賠訴訟に原告として加わり、国と和解する必要がある。ただ、感染者の原告参加率は全体的に低調だ。
 厚生労働省によると12年2月24日現在、全国で薬害によるC型肝炎ウイルス感染者は推定1万人以上いるが、国を相手取った全国の訴訟で、原告になっている感染者は2206人(うち1679人は和解)にとどまる。
 県内は同日現在、薬害肝炎東京弁護団県支部の推計では、感染者は少なくとも数百人はいるが、静岡地裁で係争中の訴訟の原告は感染者と遺族を合わせて33人(うち21人が和解)にすぎない。
 同弁護団県支部の佐野雅則弁護士は「ウイルスに感染しても長期間発症しないケースがあるため、自分が該当するか否かに興味を持っていない人が多くいる」と指摘する。
 弁護団は、給付金の請求期限をさらに5年間延長するため、政府や主な政党に対して、開会中の国会で改正法案を可決するよう求めているが、先行きは不透明だ。
 県疾病対策課によると08年4月から県は、県内の保健所と主な医療機関29カ所で、無料でウイルス検査を実施している。

 薬害C型肝炎 1970年代から80年代半ば、手術や出産時の止血剤として、ウイルスに汚染された血液製剤「フィブリノゲン」や「第9因子製剤」を使用したことで広がった。国は2008年1月16日、症状に応じて1人当たり1200万円~4千万円の給付金を支給する救済法を、5年間の時限立法として施行した。」


特定フィブリノゲン製剤又は特定血液凝固第IX因子製剤の投与を受けたことによってC型肝炎ウイルスに感染したこと人,およびその人の胎内又は産道においてC型肝炎ウイルスに感染した人は,相当の人数にのぼる筈です.この被害の大きさ,証拠収集の困難性,立証の壁などを考えると,来年1月で請求できなくなる,というのは,不合理と思います.給付金の請求期限をさらに5年間延長すべきでしょう.

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by medical-law | 2012-03-02 05:24 | 医療事故・医療裁判

睡眠薬と死亡・発がんリスク,Hypnotics' association with mortality or cancer: a matched cohort study

睡眠薬と死亡・発がんリスク,Hypnotics\' association with mortality or cancer: a matched cohort study_b0206085_7274944.jpgペンシルバニア州在住で睡眠薬を服用する健康な人1万500人と,睡眠薬を服用しない2万3600人を対象に,平均2年半にわたって観察研究を行っった結果,睡眠薬を服用する人は,死亡リスクが3.6倍から5.3倍高く,発がんリスクが3.5倍高いことが報告されました.

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死亡リスクは、1年間の睡眠薬処方が多い人ほど高く,1年間に18服以下しか処方を受けていない人のリスクは3.6倍,1年間に132服を超える処方を受けていた人は5.3倍もリスクが高まっていました.
しかも,これは,観察期間平均2.5年という短い間での差です.

ただ,睡眠薬の副作用で命を縮めているとまでは断言できず,睡眠薬処方を必要とする人のほうがもともと死亡リスクが高い可能性もあります.

Hypnotics' association with mortality or cancer: a matched cohort studyご参照

Discussion
Patients with prescriptions for hypnotics had approximately 4.6 times the hazard of dying over an average observation period of 2.5 years as compared to non-users. These findings were robust with adjustment for multiple potential confounders and consistent using multiple strategies to address confounding by health status. A dose–response effect was seen. Among users in the highest tertiles of annualised dosages, the HRs for death were 5.3, 5.7 and 6.6, respectively, for all hypnotics, zolpidem alone and temazepam alone. This top third of users were prescribed 92.8% of all the prescription doses of hypnotics (supplemental figure 2). Those in the top third were also 35% more likely to develop a new major cancer.

Perhaps the most striking finding was that an increased hazard for death was present even in the lowest tertile of hypnotic use, such that hypnotic drugs were associated with a 3.6-fold increased risk of dying for patients using <18 hypnotic pills per year. Several strategies to discover biases that could account for this hazard, even at low levels of use, revealed none. Nonetheless, some residual confounding is inevitable in our results as a consequence of factors that were inadequately assessed. However, considering the minimal impact of the major confounders for which we did control upon the HRs, we think it unlikely that confounding explains the high mortality that we found associated with hypnotics.・・・・

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by medical-law | 2012-03-02 04:36 | 医療

FDA,高コレステロール治療薬スタチン剤の高血糖・糖尿病リスクを警告,認知障害も添付文書に記載

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米食品安全局(FDA)は,2012年2月28日,高コレステロール治療薬スタチン剤の服用が高血糖や糖尿病にかかるリスクを少ないながら上げる,と警告しました.
また,記憶の一部喪失や混乱を起こしたケース(認知障害)があったことも添付文書に記載するとのことです.
他方,肝酵素の日常的モニタリングについては添付文書から除きました.

Statin Drugs - Drug Safety Communication: Class Labeling Changeご参照

FDA Drug Safety Communication: Important safety label changes to cholesterol-lowering statin drugsご参照

FDA Expands Advice on Statin Risksご参照

なお,平成20年5月22日東京地裁判決は,スタチン剤と神経障害との因果関係を認めています.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-01 03:08 | 医療