弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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2012年3月3日沢田貴志医師ご講演「医療を受ける権利を守るために~外国人医療から見えてくるもの」

「医療を受ける権利を守るために~外国人医療から見えてくるもの」

講師:沢田貴志さん (医師・神奈川県勤労者医療生活協同組合港町診療所長)

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☆ いま,医療を受ける権利は守られているのでしょうか。そして,これからは・・・・・・。

☆ 日本で暮らす外国人にとって重要な人権問題である医療に取り組まれている沢田さんの経験の中には日本のこれからを示唆することがたくさんあるように思います。

☆ 日本に住む誰でもが医療を受ける権利を守るために,<医療者と患者・市民>はどのように連携していけばいのか一緒に考えていきましょう。

☆ 港町診療所で、弱い立場にある外国人に対する医療に取り組まれている医師の沢田さんが、外国人医療から見えてくる現在の医療の問題点と人々の医療を受ける権利を守るために医療者と患者・市民がどのように連携していくべきかについてお話してくださいます。

☆ これからの日本の医療の在り方について考えたい人にとって必聴のお話です。


○日時: 2012年3月3日(土)
 患者の権利オンブズマン東京総会:13時~13時55分
      記念講演:14時~15時30分
 
○場所: 東京医科歯科大学医学部A棟地下1階臨床講堂

○主催:患者の権利オンブズマン東京 03-5363-2052 谷直樹法律事務所内
 
どなたでも参加できます 参加費無料 事前申込不要

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by medical-law | 2012-03-02 06:16 | オンブズマン

薬害C型肝炎被害給付金,請求期限迫る

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「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」(平成二十年一月十六日法律第二号)は,公布の日から施行されました.
給付金の支給の請求には法律の行の日から起算して五年を経過する日まで,という期間制限があります.

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静岡新聞「薬害C型肝炎検査呼び掛け 給付金請求期限まで1年」(2012年2月27日)は,次のとおり報じています.

 「薬害肝炎被害救済法に基づくC型肝炎ウイルス感染者の給付金請求期限が、残すところ1年を切った。全国には薬害による感染者が1万人以上いるとされ、県内の保健所などは無料のウイルス検査を受け付けている。県疾病対策課は「疑いがあれば、積極的に受診してほしい」と呼び掛ける。
 薬害によるC型肝炎ウイルス感染をめぐり、国を相手取った損害賠償請求訴訟が全国の裁判所で続いている。給付金を受け取るためには、2013年1月15日までにこの損賠訴訟に原告として加わり、国と和解する必要がある。ただ、感染者の原告参加率は全体的に低調だ。
 厚生労働省によると12年2月24日現在、全国で薬害によるC型肝炎ウイルス感染者は推定1万人以上いるが、国を相手取った全国の訴訟で、原告になっている感染者は2206人(うち1679人は和解)にとどまる。
 県内は同日現在、薬害肝炎東京弁護団県支部の推計では、感染者は少なくとも数百人はいるが、静岡地裁で係争中の訴訟の原告は感染者と遺族を合わせて33人(うち21人が和解)にすぎない。
 同弁護団県支部の佐野雅則弁護士は「ウイルスに感染しても長期間発症しないケースがあるため、自分が該当するか否かに興味を持っていない人が多くいる」と指摘する。
 弁護団は、給付金の請求期限をさらに5年間延長するため、政府や主な政党に対して、開会中の国会で改正法案を可決するよう求めているが、先行きは不透明だ。
 県疾病対策課によると08年4月から県は、県内の保健所と主な医療機関29カ所で、無料でウイルス検査を実施している。

 薬害C型肝炎 1970年代から80年代半ば、手術や出産時の止血剤として、ウイルスに汚染された血液製剤「フィブリノゲン」や「第9因子製剤」を使用したことで広がった。国は2008年1月16日、症状に応じて1人当たり1200万円~4千万円の給付金を支給する救済法を、5年間の時限立法として施行した。」


特定フィブリノゲン製剤又は特定血液凝固第IX因子製剤の投与を受けたことによってC型肝炎ウイルスに感染したこと人,およびその人の胎内又は産道においてC型肝炎ウイルスに感染した人は,相当の人数にのぼる筈です.この被害の大きさ,証拠収集の困難性,立証の壁などを考えると,来年1月で請求できなくなる,というのは,不合理と思います.給付金の請求期限をさらに5年間延長すべきでしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-02 05:24 | 医療事故・医療裁判

睡眠薬と死亡・発がんリスク,Hypnotics' association with mortality or cancer: a matched cohort study

b0206085_7274944.jpgペンシルバニア州在住で睡眠薬を服用する健康な人1万500人と,睡眠薬を服用しない2万3600人を対象に,平均2年半にわたって観察研究を行っった結果,睡眠薬を服用する人は,死亡リスクが3.6倍から5.3倍高く,発がんリスクが3.5倍高いことが報告されました.

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死亡リスクは、1年間の睡眠薬処方が多い人ほど高く,1年間に18服以下しか処方を受けていない人のリスクは3.6倍,1年間に132服を超える処方を受けていた人は5.3倍もリスクが高まっていました.
しかも,これは,観察期間平均2.5年という短い間での差です.

ただ,睡眠薬の副作用で命を縮めているとまでは断言できず,睡眠薬処方を必要とする人のほうがもともと死亡リスクが高い可能性もあります.

Hypnotics' association with mortality or cancer: a matched cohort studyご参照

Discussion
Patients with prescriptions for hypnotics had approximately 4.6 times the hazard of dying over an average observation period of 2.5 years as compared to non-users. These findings were robust with adjustment for multiple potential confounders and consistent using multiple strategies to address confounding by health status. A dose–response effect was seen. Among users in the highest tertiles of annualised dosages, the HRs for death were 5.3, 5.7 and 6.6, respectively, for all hypnotics, zolpidem alone and temazepam alone. This top third of users were prescribed 92.8% of all the prescription doses of hypnotics (supplemental figure 2). Those in the top third were also 35% more likely to develop a new major cancer.

Perhaps the most striking finding was that an increased hazard for death was present even in the lowest tertile of hypnotic use, such that hypnotic drugs were associated with a 3.6-fold increased risk of dying for patients using <18 hypnotic pills per year. Several strategies to discover biases that could account for this hazard, even at low levels of use, revealed none. Nonetheless, some residual confounding is inevitable in our results as a consequence of factors that were inadequately assessed. However, considering the minimal impact of the major confounders for which we did control upon the HRs, we think it unlikely that confounding explains the high mortality that we found associated with hypnotics.・・・・

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-02 04:36 | 医療

FDA,高コレステロール治療薬スタチン剤の高血糖・糖尿病リスクを警告,認知障害も添付文書に記載

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米食品安全局(FDA)は,2012年2月28日,高コレステロール治療薬スタチン剤の服用が高血糖や糖尿病にかかるリスクを少ないながら上げる,と警告しました.
また,記憶の一部喪失や混乱を起こしたケース(認知障害)があったことも添付文書に記載するとのことです.
他方,肝酵素の日常的モニタリングについては添付文書から除きました.

Statin Drugs - Drug Safety Communication: Class Labeling Changeご参照

FDA Drug Safety Communication: Important safety label changes to cholesterol-lowering statin drugsご参照

FDA Expands Advice on Statin Risksご参照

なお,平成20年5月22日東京地裁判決は,スタチン剤と神経障害との因果関係を認めています.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-01 03:08 | 医療

岡山大学病院でも,患者情報が入ったUSBメモリー紛失

b0206085_8565096.jpg◆ 岡山大学病院のUSBメモリー紛失事故

岡山大学病院の医師は,2012年2月18日,学会の発表資料の作成のため,患者278人分の個人情報をデータをUSBメモリーに記録し,ズボンのポケットに入れて自宅に持ち帰りました.
翌日出勤した際,紛失に気付き,コンビニなど立ち寄り先も探しましたが見つからず,2月21日に岡山西署に遺失届を出しました.
USBメモリーには,医師が勤める内科系診療科を受診した患者の氏名,年齢,疾患名,服用薬,CT検査のデータなど,1人につき最大90項目の情報が記録されていました.

山陽新聞「入通院患者278人分の情報紛失 岡山大病院、男性医師持ち出す」(2012年2月29日)ご参照

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◆ 感想

相変わらず,全国の病院で,同様の個人情報紛失事故が続いています.
岡山大学病院では,患者のデータを院外に持ち出すためには氏名や生年月日を削除しなくてはいけないという規定がありましたが,守られていませんでした.
このようなことが続いているのは,日本の病院の個人情報管理に問題があることを示唆していると思います.

米国では,Health Insurance Portability and Accountability Actがあり,最高150万ドルの民事制裁金が課せられます.
個人情報の紛失による実害発生が確認されたか否かを問わず,制裁金や補償金を負担するシステムのほうが,緊張感をもって個人情報を取り扱っていただけるように思います.

また,暗号化した状態でなければコピーできないようにするなど,根本的な再発防止策が必要と思います.

ちなみに,報道によると,昨年6月以降,USBメモリーや外付けハードディスクの紛失事故は,以下の施設で起きています.

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

8月
筑波メディカルセンター病院

9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院

11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-01 02:28 | 医療

西日本新聞社説,「医療版事故調 命守る体制確立するには」

西日本新聞社説,「医療版事故調 命守る体制確立するには医療版事故調については,政権交代で頓挫しまb0206085_8445117.jpgしたが,仕切り直しの上,論議が再開し行われ,実現の機運が高まっています.

西日本新聞社説,「医療版事故調 命守る体制確立するには」(2012年2月29日)は,次のとおり述べています.

「医療版事故調をめぐっては、自公政権下の2008年6月、厚労省が第三者機関を設置する法律の大綱案をまとめたが、医療界の反発や政権交代の影響を受け棚上げ状態になっていた。国民の命に関わる課題が3年間も宙に浮いたままになっていたことは、残念でならない。今度こそ話を前に進めてもらいたい。

 08年の厚労省法律大綱案とは、どのような内容だったのか。国に第三者による中立的な事故調査委員会を創設する▽医師法21条で義務付けた警察への「異状死」届け出は原則、免除する▽標準的な医療行為から著しく逸脱している場合は警察に通知する-が大きな柱だった。

 これに対し、当時野党だった民主党は医療機関自身による院内調査を原則とする対案を公表した。そのうえで、医師法21条を削除する一方、結果に不満がある被害者側は都道府県に設ける第三者機関に調査を依頼できるとした。

 ここで議論が足踏みした背景には、帝王切開の妊婦が死亡して医師の刑事責任が問われた福島県立大野病院事件の無罪判決(福島地裁、08年)もある。執刀医が無罪になったからといって何も問題がなかったわけではないはずなのに、当時の厚労省担当者は「正面から取り組む機運がうせてしまった」と振り返る。

 厚労省は今回の検討部会で大綱案と民主党案を土台に協議を進める方針だが、省内からは「振り出しに戻ったも同然で、方向性は全く見えない」(幹部)との声も漏れてくる。与野党対立が続く国会を考えても、先行きは不透明だ。

 日本医師会は昨年6月、院内調査の原則を柱とする提言をまとめた。事故被害者の遺族などは、第三者による医療版事故調の必要性を強く訴えている。

 いずれにせよ、事故の背後にある構造的な問題点に迫り、それを組織や社会が共有しなければ、事故の教訓は生かされない。それはJR西日本の尼崎脱線事故を引き合いに出すまでもなかろう。

 そのためには、個人の刑事責任を問うこととは別に、客観的に医療事故の原因を究明する体制を整備することが不可欠だ。国民の命を守るという視点を基本に据え、建設的な論議を期待したい。」


医療版事故調は,刑事責任と絡めることなく,本来の事故原因の解明と再発防止の目的から検討していただきたいと思います.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-01 00:50 | 医療事故・医療裁判