弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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薬事日報社説,実務実習の格差是正が課題に

2010年から始まった,病院や薬局での長期実務実習ですが,これまでは,実務実習の受入施設をいかに増やすかが課題でした.数が確保されると,内容が問題になります.

薬事日報社説,「実務実習の格差是正が課題に」(2012年11月30日)は,次のとおり論じています.

「受入施設数はある程度揃ってきた。今後より良い体制を形作っていくためには、実習内容の格差解消と内容の向上を進めるべきだろう。」

「病院、薬局ともに求人が求職者を上回る薬剤師不足が続いている。充実した実務実習を行うことが回り回って、薬剤師確保につながる可能性がある。薬学生は実務実習施設の情報を共有し、どこに就職すべきか、就職すべきでないかを判断しているようだ。

 あるべき姿として、希望する薬学生には必ず、複数施設での実務実習を行えるようにしてはどうだろうか。

 また、ある病院薬剤師から聞いたアイデアだが、院外処方箋を発行する病院と、それを応需する薬局でそれぞれ実務実習を行うことによって、入院から外来、在宅医療への流れを薬学生に体感してもらうのはどうか。

 実務実習は軌道に乗った。今後はその内容やあり方について改善が必要だ。」


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-30 06:36 | 医療

鶴岡市の病院,術後の肺水腫に気付くのが遅れ死亡した事案で和解(報道)

さくらんぼテレビ「荘内病院が患者の遺族に損害賠償へ」(2012年11月26日)は,次のとおり報じました.

「患者が死亡したのは病院側に落ち度があった。鶴岡市が遺族に損害賠償することになった。

去年9月荘内病院で、緊急手術を受けた50代の男性がその後死亡した。病院側は対応の不備を認め遺族に約4000万円の示談金を支払う方針を決めた。

荘内病院によると去年9月下旬、鶴岡市内に住む50代の男性がくも膜化出血で救急搬送されてきた。緊急手術を受けその後は会話や食事も普通に取れるまで回復したが容態が急変し死亡したという。

患者の死亡を受け病院側は医療事故調査委員会に要請し死亡の経緯を調べていた。

その結果、調査委員会は患者の死亡原因は手術後に引き起こした肺水腫に気付くのが遅れた病院側にあると結論付けた。これを受け病院側は遺族に対し謝罪するとともに、約4000万円の示談金を支払うことを決め鶴岡市の12月補正予算に追加計上している。

病院側は「あってはならないことで全力で再発防止に努めたい」とコメントした。」


報道の件は私が担当したものではありません.
以前,平成17年の子宮収縮抑制剤「塩酸リトドリン」による肺水腫死亡事故(咳や頻呼吸の症状がありながら肺水腫に気づきませんでした.)で,奈良地裁において平成23年5月17日に4000万円を支払うことで和解したことが報じられていましたが,本件も同様に肺水腫に気付くのが遅れた事案です.横浜地裁川崎支部平成16年12月27日判決(判時1910号116頁)も,重度の卵巣過剰刺激症候群に罹患し肺水腫で死亡した事案で,容態観察義務違反を認めています.ただし,控訴審(東京高裁平成21年11月18日判決)は患者側の逆転敗訴になっています.また,卵巣過剰刺激症候群患者がアルブミン製剤の過剰投与による肺水腫で死亡した事案で,新潟地裁平成14年9月13日判決は一部認容しています.
術後の肺水腫には十分気をつける必要があるでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-28 00:01 | 医療事故・医療裁判

一宮市の病院,医師と看護師の連絡不足のため7歳児が死亡した事案で和解(報道)

中日新聞「医療ミス女児死亡、一宮市が4500万円賠償」(2012年11月26日)は,次のとおり報じました.

 「愛知県一宮市立市民病院で2010年、脳出血で入院した市内の女児=当時(7つ)=が、医師と看護師の連絡不足から適切な治療を受けられずに死亡したとして、市が26日、損害賠償金4500万円を支払うことで遺族と合意したと発表した。

 市によると、女児は同年9月、頭痛を訴えて病院へ搬送され、検査で脳出血が確認された。入院当初から体が部分的にけいれんし、主治医の指示で看護師が交代でけいれんを抑える薬を数時間おきに投与した。

 入院翌日の夜、女児はけいれんが全身に広がったが、看護師は医師を呼ばず投薬を続け、人工呼吸や点滴など適切な措置をしなかった。入院3日目の早朝に女児は出血で脳が腫れ、死亡した。主治医は病院内にいなかったが、救急外来には別の医師がいた。

 松浦昭雄副院長は取材に「全身けいれんが起きた場合、子どもの病状は大人より急速に悪化するという意識が低く、医師を呼ばなかった」と看護師の判断ミスを指摘。

 医師についても「指示は薬の投与のみだった。子どもの容体は変化しやすいことを看護師に伝え、全身けいれんが起きたらすぐ医師を呼ぶよう指示すべきだった。深く反省している」と話した。」


報道の件は私が担当したものではありません.
部分けいれんでも長く続いたり,断続的に起きると要注意です.まして,全身けいれんに変化していたのですから,医師を呼びけいれんを止めるより強い薬剤を投与するなどの治療が必要だった事案でしょう.
本件は,典型的な連絡ミスの類型にあたると思います.
新日本法規「看護業務をめぐる法律相談」617頁ご参照.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-27 00:00 | 医療事故・医療裁判

第14回薬害根絶フォーラム,「子どもたちの未来のために、私たちはいま何を伝えるべきか?」

中國新聞「薬害根絶へ再発防止策考える」(2012年11月25日)は,つぎのとおり報じました.

「薬害根絶フォーラムが24日、広島市南区の広島大霞キャンパスであった。肺がん治療薬イレッサや陣痛促進剤などによる全国11の被害者団体でつくる連絡協議会の主催。被害の報告やパネル討論を通じ、再発防止策を考えた。

 イレッサの副作用の間質性肺炎で夫を失った女性や、汚染された血液製剤を投与されC型肝炎になった患者たち9人が、心身の苦痛や将来の生活への不安を明かした。

 続くパネル討論には各団体から6人が参加。「すぐに対応しないことが被害を深刻化させている」と、国の姿勢を批判する声が上がった。全国薬害被害者団体連絡協議会の勝村久司・副代表世話人は「教育で薬害の実態を伝えることが大事だ」と強調した。」


文科省が『薬害って何だろう?』をもっと有効活用してほしいと思います.

薬害根絶フォーラムは,毎年,全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連)の主催で開かれています.
全国薬害被害者団体連絡協議会は,(財)いしずえ(サリドマイド福祉センター),イレッサ薬害被害者の会,MMR被害児を救援する会,大阪HIV薬害訴訟原告団,東京HIV訴訟原告団,スモンの会全国連絡協議会,京都スモン基金,薬害ヤコブ病被害者・弁護団全国連絡会議,陣痛促進剤による被害を考える会,薬害筋短縮症の会,薬害肝炎訴訟原告団で構成されています.

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by medical-law | 2012-11-26 00:06 | 医療

第21回国民の医薬シンポジウム「がんの薬物療法について考える その批判的・科学的検討」

「第21回国民の医薬シンポジウム「がんの薬物療法について考える その批判的・科学的検討」が,2012年11月23日,開催されました.

しんぶん赤旗「抗がん剤治療を検討 医薬シンポ イレッサ不当判決批判」(2012年11月24日)は,次のとおり講演の内容を紹介しています.

◆ 吉村良一氏(立命館大学法科大学院教授)

「イレッサの副作用で死亡した遺族らが国とアストラゼネカ社を訴えた裁判で、原告を敗訴させた東京・大阪両高裁の判決について、その不当性を「副作用に関する指示・警告が不適切」という観点から、製造物責任法をもとに批判しました。」

◆ 福島雅典氏(先端医療振興財団臨床研究情報センター長)

「「がん治療を35年間、専門にしてきた。がんの制圧はできる。それは薬物に頼るのではない。予防と早期発見がカギを握る」
また福島氏は、肺がん治療薬イレッサについて海外から重篤な副作用が報告されていたのに、日本で承認したことを鋭く告発。副作用で大量の死亡者を出したメーカーや国、学会関係者の「人間性が問われる」と指摘しました。」


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-24 17:07 | 医療

NPO法人患者の権利オンブズマン副理事長久保井摂氏が語る「患者の権利の現状」(西日本新聞)

西日本新聞「患者の権利 現状は「オンブズマン」副理事長に聞く 医療機関の理解まだ 保障へ環境整備必要」(2012年11月23日)で,久保井摂先生は,次のとおり述べています.

 「各医療機関は患者の権利をかなり尊重するようになってきた。例えば、権利の代表格であるインフォームドコンセント(十分な説明を受けた上での同意)はどこも意識している。ただ、全体でいえば、深く理解しているとは言い難い。」

 「患者の権利を主張する患者が現れたとき、各医療機関は依然として、その矛先が自分たちに向かってくると警戒している。それは間違った認識だ。この権利をめぐっては、患者と医療機関は対立関係ではなく、協調関係にあることを理解してほしい。両者は患者の権利が保障されるための環境整備を国や自治体に求めていくパートナーだ」
 「例えば、病院勤務医が患者に説明を十分にしたくても、医師は忙しくて時間があまりとれない問題がある。解決に向け、病院の医師数について国などに適切な配置基準を設けるよう要求していくのは、患者と医療機関だ。日本の医療は公的制度なので、環境整備は国や自治体に責任がある」

 「苦情で感じるのは、高齢者の『死』をめぐっての医療不信が増えているということだ。背景には『死』が医療に閉じ込められ、市民側が『死』をよく知らないこともあると思う」
 「さまざまな慢性疾患を抱える高齢者の場合、医学的にはいつ亡くなってもおかしくないのに、いざ亡くなると不適切な医療だったのではないか、と疑ってしまうこともあるようだ。人はどうやって死ぬのかや、医療の限界についての理解が市民側に不十分だと、こうした不信が生じる。それではいけないと思い、市民向けに『医療講座 死生学入門』も企画している」

◇「医療講座 死生学入門」 
(1)12月1日午後2時、福岡市中央区天神3丁目の天神チクモクビル。二ノ坂保喜・にのさかクリニック院長が「死を見つめて生きる‐在宅ホスピスの現場から」と題して話す
(2)来年2月23日午後2時、天神2丁目の天神ビル。谷田憲俊・前山口大医学部教授が「日本人の死生観の変遷を振り返る」と題して話す。
参加費は1回500円。事前に予約を。患者の権利オンブズマン事務局=092(643)7579。」


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-24 13:44 | オンブズマン

中津川市の病院,胃ろう手術とカテーテル交換の際に医療ミス,和解(報道)

毎日新聞「医療過誤:中津川市民病院、225万円支払い和解 患者に胃ろう手術、カテーテル交換ミス /岐阜」(2012年11月23日)は,次のとおり報じました.

「中津川市は22日、市民病院で行われた同市内の女性患者(当時86歳)に対する胃ろう手術と、その後のカテーテル(管)交換の際にミスがあったとして、女性の次男に賠償金約225万円を支払うことで和解したと発表した。

 女性は認知症のため市民病院に入院。消化器系の治療を受けていた。09年9月9日に消化器内科の男性医師(32)が、腹部を切開し胃にカテーテルを通して栄養分を補給する胃ろう手術を行った。翌年3月26日、カテーテルの交換を行った直後、下痢の症状が起きたため同6月18日に内視鏡検査を実施。胃ろう手術の際に誤って結腸を貫いていたことや、カテーテル交換時に先端が胃に届いていなかったことなどが判明した。

 女性は退院して自宅療養をしていたが、今年2月に死亡している。【小林哲夫】」

岐阜新聞「中津川市民病院、手術ミスで和解 225万円賠償」2012年11月23日)は,次のとおり報じました.
 
「中津川市は22日、市民病院(浅野良夫院長)で2009年9月に市内の女性患者=当時(86)=に胃ろうを造設する手術をした際、大腸の主要部分の結腸を貫通させる医療過誤があったとして、遺族に約225万円の損害賠償を支払うことで11月16日に和解した、と発表した。女性は今年2月に恵那市内の病院で死亡したが、医療過誤との因果関係はないとしている。

 病院によると、消化器内科の男性医師=当時(32)=が手術を担当。10年3月に胃ろうカテーテルを取り換えたところ、女性に下痢の症状が出た。症状が改善されないために同年6月に内視鏡検査を行うと、胃ろうが横行結腸を貫いて造られていることが分かったという。下痢は取り換えたカテーテルの先端が胃に届かずに横行結腸にとどまったため、起きたとしている。男性医師は現在、他の病院に勤務している。

 病院は「(今後は)確実に胃ろうが入っているか確認したい」としている。」

報道の件は私が担当したものではありません.
本件は,医師が誤って胃ろうを横行結腸を貫いて造ったこと,看護師が誤ってカテーテルの先端が胃に届かなかったことの二重の医療ミスがあったと考えられる事案です.
医療ミスが何個あっても,賠償責任はミス(過失)と因果関係のある損害に限られます.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-23 20:52 | 医療事故・医療裁判

SFC,ライフクラウドの時代がやってくる

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の「SFC Open Research Forum 2012」で,パネルディスカッション「ライフクラウドの時代がやってくる~個人の健康情報を利用する情報社会基盤〜」がありました.

個人が,医療機関におけるカルテ等のEHR(Electronic Health Record)と,医療機関以外のPHR(Personal Health Record)を管理する「マイカルテ構想」がテーマです.
患者自身が自分の医療情報,健康情報にアプローチできるようになると,患者が自分の健康状態,病状を正しく理解でき,より健康に気をつけ,また医療者との意思疎通の円滑になると思います.ただ,個人情報保護についての環境整備も必要ですし,患者の同意なく行政・医療機関を含め第三者が利用することを制限する法整備も必要でしょう.

伏見学氏が「医療情報は誰のもの?」で,パネルディスカッションでの発言を,以下のとおり,紹介しています.

◆ 坪田一男氏(慶應義塾大学医学部教授)の発言

「医療情報は原則としてその人自身のもの。しかしながら、それらの情報は病院や医療機関に存在する。本来ならばこうした状況はおかしいはずだ」
「医療情報が本人のものになり、簡単に情報へアクセスでき、経時的にデータを保管するような環境の整備が必要だ」
「現在の医療情報は病気の診断に用いられる結果情報からのアプローチに過ぎない。ヘルス情報を定常的に取得し、健康状態を把握することは予防医療の観点で重要だ」


◆ 黒岩祐治氏(神奈川県知事)の発言

「マイカルテ、すなわち、ICT(情報通信技術)を用いた診療情報の利活用によって、効率的な医療が行われているかどうかの検証が可能になる。高齢者はさまざまな病気を抱えていて、それぞれ治療方法が異なる。今までの診療情報がないと薬を選ぶ際にも無駄が生じ、個人の負担額が膨らんでいくばかりだ」

◆ 堀部政男氏(一橋大学名誉教授)の発言

「個人情報保護とデータ活用の両立が課題となっている。実現に向けて、法的整備や環境整備が必要になってくる」
「医療情報の活用を考えたとき、地方自治体は今まで個人情報保護について審議会や審査会で対応していたが、今後は第三者機関が対応していくべきだ。個人や医療関係者が自由にデータを利用できる上で第三者機関の役割は大きい」



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by medical-law | 2012-11-23 06:06 | 医療

大学病院,肝腎機能の異常値を確認しないまま抗がん剤を投与した事案を公表

徳島大学病院は,「消化器・移植外科抗がん剤治療におけるインシデントについて」を発表しました.

「本院消化器・移植外科で抗がん剤治療を受けられていた患者さんが本年7月劇症肝炎による肝不全で亡くなられました。
事実詳細と対応について報告いたしますとともに、ご迷惑をおかけいたしましたことについてお詫び申し上げます。
 
患者さんは60歳代の男性で近医での内視鏡検査で腫瘤を認めたため、本院消化器・移植外科に紹介され消化器系の癌と診断されました。

腹腔鏡を用いた悪性腫瘍切除術を受けられ、退院後外来にて補助化学療法として標準的な抗がん剤内服治療がご本人に説明され同意のうえ開始されました。治療開始前及び第1コース途中の一般末梢血検査、生化学検査では異常はありませんでした。治療の第2コース開始のため受診された際に、予定に基づき一般末梢血検査、生化学検査が行われました。

担当医は一般末梢血検査で血小板の減少は確認しましたが、生化学検査で肝腎機能の異常値が出ていたにもかかわらず、これを確認しないまま抗がん剤を投与し、その後もこの結果が確認されることはありませんでした。

2週間後の受診予定日の朝、患者さんはご自宅で意識障害がある状態で発見され、本院に救急搬送されました。重度の肝腎機能障害があり集中治療を行いましたが、約2週間後、劇症肝炎による肝不全で亡くなられました。

ご家族には上記の経緯を逐一ご説明し、謝罪申し上げております。

本院では再入院の3日後に調査委員会の設置を決定し、計5回の委員会を開催いたしました。関係者に聴き取りを行うと供に、各種関係資料を基に事実関係を検証しました。その結果、当該薬剤としては異例ではありますが、その副作用の可能性が高いと考えました。また、第2コース開始の時点で抗がん剤治療を中止しても劇症化を防ぐことができたかどうかは不明ですが、継続して投与したことが患者さんの予後に影響を与えた可能性は否定できず、本院の責任は重大であると判断いたしました。

現在本院では、調査委員会から提案された改善策を各部署で実施し、その効果を検証しているところです。」


報道の件は私が担当したものではありません.
このように,医療事故を調査し公表することは,再発防止のためにとても大事なことだと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-22 18:33 | 医療事故・医療裁判

川内市の診療所,アルコール依存症の男性患者に頭を殴られた女性へ2000万円を支払い和解(報道)

スポーツ報知「「Dr.コトー」診療所で暴行」(2012年11月21日)は,次のとおり報じました.

 「鹿児島県薩摩川内市の市立○○診療所で、入院中の夫に付き添っていた女性(87)が入院患者から暴行を受けてけがをしたとして、約7300万円の損害賠償を市に求める訴訟を鹿児島地裁に起こし、同市は解決金として2000万円を支払い和解する方針であることが21日、市などへの取材で分かった。

 所長は、人気漫画でテレビドラマ化された「Dr.コトー診療所」の主人公のモデル。市は解決金支出について市議会に説明し、12月の本会議で可決されれば和解する。

 訴状などによると、女性は2008年8月、夫と同室でアルコール依存症の男性患者に頭を殴られてけがをし、後遺症もあった。女性は「患者が他人に危害を加えないよう、個室に入院させるなどの措置を取る義務を診療所が怠った」として昨年2月に提訴した。

 市は和解する理由について、取材に「過失を認めることはできないが、女性の障害や年齢などを考慮した」としている。」


報道の件は私が担当したものではありません.
診療所には施設内の安全を確保する義務があり,具体的事案で何をどこまで行っていたかが問題です.
本件は「患者が他人に危害を加えないよう,個室に入院させるなどの措置を取る義務」の有無が争われた事案です.和解ですが,同種事案の解決に参考となります.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-22 01:06 | 医療事故・医療裁判