弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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新潟県立十日町病院,4か月間骨髄炎として診療を続けた悪性腫瘍患者について和解(報道)

MSN産経「十日町病院の女性医療事故死 1千万円賠償で遺族と和解へ」(2013年2月8日)は,次のとおり報じました.

 
「新潟県は8日、平成19年2月に県立十日町病院(十日町市)で起きた医療事故で死亡した女性(当時10代)の遺族に、1千万円の損害賠償を支払い、和解することを決めた、と発表した。2月県議会に賠償額を提案する。

 女性は16年4月に同病院で骨髄炎と診断され、治療を続けたが症状が改善せず、同8月に別の病院に転院。転院先で、比較的まれな悪性腫(しゅ)瘍(よう)と分かり、治療を続けたが、19年2月に亡くなった。

 遺族は21年7月に「専門病院に転院させ、早期に化学治療が行われていれば死亡に至ることはなかった」として同病院に損害賠償を請求していた。」


秋吉仁美編著「医療訴訟」では,裁判例を分析した結果,転医義務の発生要件は次のとおりとされています.

(a)重大で緊急性が高く,進行すれば予後不良であるなど,これに対する診療が必要な疾患が存在すること
(b)医師が上記(a)(病名は特定できなくともよい)を現に認識し又は認識し得ること
(c)患者の疾患が医師の専門外又はその疑いがあるか,当該医療機関では人的・物的設備が十分でなく,当該患者に求められる診療が困難であること
(d)患者の疾患について,より適切な診療が存在し,それが医療水準に照らして是認されること
(e)転医先が時間的・場所的に搬送可能な場所に存在すること
(f)転医先が患者の受入れを許諾していること
なお,裁判例においては必ずしも言及されていませんが,次の点も考慮すべきとされています.
(g)患者が転医のための搬送に耐え得ること
(h)転医することによって患者に重大な結果の回避可能性があること

悪性腫瘍は,「(a)重大で緊急性が高く,進行すれば予後不良であるなど,これに対する診療が必要な疾患が存在すること」に該当します.
(c)以下の要件は,本件ではさしたる問題にならなかったものと思われます.
そこで,具体的な病名までは認識しなくても,重大で緊急性が高く,進行すれば予後不良であるなど,これに対する診療が必要な疾患であることの認識可能性があれば,転医義務が生じることになります.
転医義務判断の局面では,結果の回避可能性は或る程度の可能性が認められれば十分ですが,因果関係判断の局面では結果回避について高度の蓋然性をもって立証することが求められます.
転院が早ければ死亡に至ることはなかったかどうかは仮定の話ですので非常に難しい問題ですが,その化学療法を早期に行った場合の生存率等をもとに判断することになるでしょう,
本件は,とくに因果関係の立証のハードルについて十分検討した結果の和解でしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-08 21:32 | 医療事故・医療裁判

助産師と小児科医を業務上過失傷害の疑いで書類送検(報道)

TBS「新生児治療で指欠損、助産師・医師ら書類送検」(2013年2月7日)は,次のとおり伝えました.

「3年前、神奈川県で低体温症になった赤ちゃんが治療中にやけどを負い、足の指3本を失うという事故が起きました。事故の責任はどこにあるのでしょうか。神奈川県警は7日、助産師1人と小児科医2人を書類送検しました。

 去年5月。家族に囲まれ、ろうそくを吹き消す北風晶彦ちゃん。この日、2歳の誕生日を迎えました。元気に遊ぶ晶彦ちゃんですが、足の指3本がありません。生まれた直後に低体温症に陥り、救命医療の過程で重度のやけどを負ったためです。

 3年前のあの日、晶彦ちゃんは4つの病院を転々とし、生死をさまよいました。2010年5月28日。当初、宗彦さんは助産院での出産を希望していました。しかし・・・

 「助産師に『今、陣痛が来ている』と報告し、 そのつど『まだ大丈夫、まだ大丈夫』と言われ、ようやく助産師が午前5時半ごろに到着したころにはもう産まれそうっていう状況になり、急きょ、自宅で出産するということになってしまいました」(父親 北風宗彦さん)

 出産自体は3時間ほどで終わり、安産だったものの、助産師に取り上げられた晶彦ちゃんの呼吸は弱く、泣き声もかすかに聞こえる程度だったといいます。

 容態の悪かった晶彦ちゃんが最初の診療所に運ばれたのは出産から1時間23分後。移動手段は助産師の車でした。

 「赤ちゃんの症状としては呼吸困難。NICU(新生児集中治療室)で入院させて治療しないといけない」(最初に運ばれた診療所 浅野クリニック 浅野充也医師)

 NICUでの入院治療が必要と判断された晶彦ちゃんは、2つ目の病院となる「秦野赤十字病院」へ搬送。しかし、移動は救急車ではなく、助産師の車が使われました。病院に到着した時には出産から2時間以上が経過していました。付き添った宗彦さんによると、医師はこう声を荒げたといいます。

 「赤ちゃんが冷たすぎる。今まで何をやっていたんですか」

 晶彦ちゃんの身体の温度は34.7度まで低下し、「低体温症」などと診断され、身体を温める処置が施されました。病院側の説明によれば、保育器に入れられた晶彦ちゃんの周りに温かいタオルや枕などを置き、保育器内の上部にドライヤーで温風を送ったということです。身体の温度は上がったものの、呼吸の状態は悪く、晶彦ちゃんはさらに設備が整った別の病院に救急車で搬送されることに。この3つ目の病院で、父親の宗彦さんは衝撃の事実を知らされました。

 「やけどがひどい。これは何ですか」(医師)

 「まさか、やけどがあるなんてことはみじんも思いもしないです」(父親 北風宗彦さん)

 大きく水泡ができた晶彦ちゃんの足の皮は破れ、黄色い液体が漏れ出していました。重度のやけどと診断された晶彦ちゃんは「熱傷センター」のある4つ目の病院に運ばれ、そのまま入院。生後間もなく3本の足の指を失った晶彦ちゃん。それから1年5か月・・・晶彦ちゃんは自分の足で歩きました。

 助産師は宗彦さんに「適切な処置だった」と説明。秦野赤十字病院もドライヤーを使ったことは認めたものの、「医療行為でやけどが生じたとは考えにくく、やけどの原因は特定できなかった」としました。このままでは真実は明らかにならないと考えた宗彦さんは、神奈川県警に対し助産師らを刑事告訴しました。

 「もし、助産師が本当に正確なマー君の状況を伝えていれば(よかった)。(助産師が)低体温のことを伝えなかったこととか、そこが問題の本質だと思う」(父親 北風宗彦さん)

 それから2年半、7日、1つの局面を迎えました。神奈川県警が助産師と秦野赤十字病院の小児科医2人を業務上過失傷害の疑いで書類送検しました。県警は、小児科医2人については「ドライヤーで温めていなければ、もっと重篤になった可能性がある」として過失は不十分だと認めています。しかし、助産師については、晶彦ちゃんが呼吸不全に陥っていたにもかかわらず、救急車を呼ばずに自家用車で診療所に運ぶなど、産後の処置を誤ったことで、低体温症の原因を作ったと判断しました。

 「本当に今日は1つの節目だと思う。マー君にも帰ったらすぐに報告してあげたい」(父親 北風宗彦さん)

 宗彦さんは「きょうの書類送検は一つの節目だが、今後も事故の責任を明らかにしていきたい」と話しています。」


NHK「新生児事故 助産師ら3人書類送検」(2013年2月7日)は次のとおり伝えました.

「3年前、神奈川県二宮町で、自宅で産まれた男の子が低体温症になったうえ、病院で治療を受けた際に足に重いやけどを負って指を切断する事故があり、警察は、立ち会った助産師の対応の遅れなどが事故につながったとして、助産師ら3人を業務上過失傷害の疑いで書類送検しました。

書類送検されたのは、二宮町の「セラビ助産院」の66歳の助産師と、神奈川県秦野市の「秦野赤十字病院」に勤務していたいずれも30代の医師2人の合わせて3人です。
警察の調べによりますと、この助産師は、平成22年5月、二宮町で自宅出産に立ち会った際、産まれた男の子が呼吸障害だったのにすぐに救急車を呼ばないなど対応が遅れたことが低体温症につながった疑いがあるということです。
男の子は、その後、一命を取りとめましたが、秦野赤十字病院で治療に当たった2人の医師が、男の子を保育器に入れ、ドライヤーを上に向けて熱した風を送り続けた際、保育器の壁を伝わった風が足に当たり続けたために重いやけどを負って、足の指3本の切断につながった疑いがあるということです。
このため警察は7日、3人を業務上過失傷害の疑いで書類送検しました。
これまでの調べに対して、助産師は「自分で何とかなると思った」、2人の医師は「救命措置を最優先し、やむをえなかった」と話しているということです。
助産院“コメントできない”
神奈川県二宮町の「セラビ助産院」は「事実関係を確認中なので、コメントできない」と話しています。
また神奈川県秦野市の「秦野赤十字病院」は「現時点では警察から詳しい説明を受けていないので、コメントを差し控えたい」と話しています。」



テレビ朝日「ドライヤーで新生児の指を“欠損”助産師ら書類送検」(2013年2月7日)は次のとおり伝えました.

「神奈川県二宮町で、生まれたばかりの赤ちゃんの処置を誤り、足の指3本を失わせたなどとして助産師の女ら3人が書類送検されました。

二宮町のセラビ助産院の助産師の女(66)は2010年5月、北風宗彦さん(36)の長男(2)が生まれた際、呼吸障害があったにもかかわらず、NICUに搬送するなどの適切な処置をせずに、低体温症を発症させた疑いが持たれています。その後、搬送された秦野赤十字病院で、医師の女(37)と男(30)が長男にドライヤーの熱風を直接当てて重いやけどをさせ、両足の指3本を失わせた疑いが持たれています。取り調べに対し、助産師の女は「何とかなると思った」と容疑を認めています。」


MSN産経「男児大やけど 助産師のずさんな対応に振り回された家族」(2013年2月7日)は。次のとおり報じました.

 「動けないほどの陣痛になるまで自宅待機させられ、呼吸障害のあった男児がようやく運ばれた医療機関は救急対応できない近所の診療所…。神奈川県二宮町で自宅分娩(ぶんべん)の男児が低体温症などに陥り、助産師(66)が業務上過失傷害容疑で7日に書類送検された事件。助産師の初期対応のずさんさは際立っており、男児の父親(36)は「命を預かる助産師として対応能力に問題があったのは明らか」と訴えている。

 ■想定外の自宅出産 父親によると、「自然なお産」に興味を持っていた母親は、予定日2カ月前の平成22年4月、助産師が運営する助産院での出産を決めた。5月27日午前3時ごろに陣痛が始まり、同日夜に助産院で受診したが、「あと1日かかる」と診断されていったん帰宅した。

 しかし、28日午前5時、母親は動くことができなくなり、助産師が自宅を訪れた後の午前8時12分に出産。想定外の自宅分娩となった。男児はほとんど産声を上げず、背中をさすっても反応はほとんどなかった。心配する父親に助産師は「大丈夫、大丈夫」と答え、チューブで酸素吸入を続けた。不安を感じながらも両親は助産師の言葉を信じたという。

 ■「赤ちゃんが冷たい」

 医療法は緊急事態に備えて助産院に医療行為を嘱託する医療機関を確保するよう求めており、この助産院でも町に隣接する市立病院と契約を結んでいた。「小児科医に診せる」。出産から約1時半後、助産師は父親にこう告げ、男児を自家用車に乗せた。しかし、搬送先はなぜか近くの小児科診療所だった。医師は呼吸障害があると診断、男児は総合病院に運ばれた。

 「赤ちゃんが冷たい、今まで何をしていたんですか!」。肌着とバスタオルにくるまれ、顔面蒼白(そうはく)の男児を一目見た総合病院の医師はこう叫んだ。男児は胎内で低酸素状態となり、その影響で排便。汚れた羊水を肺に吸い込んだため、呼吸不全と低体温になったと診断された。総合病院で羊水の吸引や体温を上げるためのドライヤーによる加温の緊急処置を受けた男児は28日午後、人工呼吸設備の整った市立病院に救急搬送された。

 ■3本の指を切断

 父親は転院先の市立病院でわが子にふりかかるさらなる不幸を知った。ドライヤーによる加温で、男児が両足に大やけどを負っていたからだ。結局、6月には壊死(えし)した右足の指2本と左足の指1本を切断せざるを得なかった。

 助産師のずさんな対応は今回の事件以前から際立っていた。助産師から「近くの病院で診てもらって」と電話越しに言われた女性は救急車内での出産を余儀なくされ、別の女性は助産院で出産後に出血が止まらなかったにもかかわらず搬送まで約2時間を要して出血量が3リットルに及んだという。

 県助産師会の関係者は「まじめに取り組む助産師が大多数。このような無責任な対応をされると助産師全体の評価が下がってしまう」と懸念している。」


神奈川新聞「二宮・新生児医療ミス:女性助産師、嘱託医らと連絡取らず」(2013年2月8日)は次のとおり報じました.
 
「県警によると、助産師としてのキャリアは40年以上。「やることはやったと思っている。判断が間違ったとは思わない」。業務上過失傷害の疑いで書類送検された女性助産師は7日、神奈川新聞社の取材に対し、そう強調した。

 医療法は、医療行為ができない助産所の開設者に対し、産婦人科医の嘱託医と、救急対応可能な医療機関を定めるよう義務付けている。この助産師は今回、どちらにも頼らず、自身の車でこうした医療機関ではない診療所や総合病院に運んだため、治療が遅れた、とされる。

 この初期対応について、県内のあるベテラン女性助産師は「救急車を呼び、連携先の病院に搬送すべきだった」と疑問を投げ掛ける。「助産師も、搬送された側の医師も最善を尽くそうとしたのだろうが、結果的に二重三重に後手に回った」とも。

 このベテラン助産師は、安全なお産のため、平時から嘱託医や緊急時の協力医療機関と意思疎通を図っているという。だが「地域や個人によって、意識に温度差があるのが現状。十分な関係が築けていない場合もある」と指摘する。

 県助産師会は今回の事故を受け、書類送検された助産師を除名にしたといい、「コメントする立場にない」としている。」



読売新聞「出生男児の救急搬送、なぜ遅れた…低体温症に」(2013年2月8日)は,次のとおり報じました.

「二宮町で2010年、自宅で生まれた男児を病院にすぐ搬送せず、低体温症にさせたとして、同町の女性助産師(66)が7日、業務上過失傷害容疑で書類送検された事件。男児は病院で低体温症の応急処置を受けた際、やけどを負って足の指3本の切断を余儀なくされた。「すぐに救急搬送されていれば……」。そう悔やむ男児の父親は、今回の事件が多くの医療関係者の教訓になることを願っている。(竹内駿平)

◆助産師を書類送検

 県警などによると、男児は同年5月28日朝、自宅分娩(ぶんべん)で出生。その際、胎便を含んだ羊水を吸い込むことで呼吸障害を引き起こす「胎便吸引症候群」に陥った。

 助産師は異常分娩の場合、産科・産婦人科や小児科があり、入院設備も備えている提携先の医療機関に乳児を搬送することになっている。しかし、この助産師は提携先の小田原市の病院に男児を運ばず、自家用車で同町の診療所に搬送。診療所から「対応できない」と回答されると、秦野市内の病院に搬送した。この時すでに、出産から約2時間20分がたっていた。

 男児は病院で低体温症と診断され、女性医師(37)は体温を上げるため、男児を入れた保育器内をドライヤーで暖めるよう男性研修医(30)に指示。研修医らは男児にタオルを巻き、直接温風が当たらないよう注意したが、温風が容器内を対流し、体温を測るために露出していた足などにやけどを負った。

 男児はこの処置で一命を取り留めたが、最終的に搬送された横浜市内の病院で翌6月、右足の薬指と小指、左足の小指の計3本の欠損が確認された。

 男児の両親が助産師の対応について大磯署に被害を申告し、医師2人についても秦野署に刑事告訴したため、県警は捜査を開始。助産師は助産師歴40年以上のベテランで、調べに対し、「何とかなると思った」と供述し、容疑を認めているという。

 一方、医師2人は「命を救うためにやむを得ず行った」と話しており、県警は「これほど重度のやけどを負うことは通常、予見できず、刑事責任を問うのは困難」と判断した。

 医師の対応について、小児救急医療に詳しい元長野県立こども病院副院長の田中哲郎氏は「ドライヤーを用いた点は検討すべき余地があり、湯たんぽを保育器に入れて容器全体を温めるなど、他の方法もあった」と前置きした上で、「原因は助産師にあり、病院側の措置に悪意はない。一命を取り留めた点は評価すべきだ」と指摘する。

 男児は現在2歳。父親(36)によると、低体温症による後遺症は確認されず、元気に外を走り回れるほどにまで回復しているという。

 父親はこの日、「命を救ってくれた医師には感謝しているが、息子が生まれた日、もしすぐに救急搬送されていればという思いは拭い切れない」と複雑な胸中を語った。」



一般に医療者の刑事責任を問うことには反対論も強いのですが,本件の助産師の場合,刑事責任を問われてもやむを得ないのではないか,と思います.小児科医はおそらく不起訴でしょう.
検察の判断に注目したいと思います.


【追記】

公益社団法人日本助産師会は,平成25 年3 月1 日,「神奈川県の助産師が書類送検された件に関する日本産師会の見解」を発表しました.

「日本助産師会(以下本会)は神奈川県助産師が書類送検された件について専門家集団としての責任から以下の対応をしてまいりましたのでご説明させていただきます。

1 当該助産師に対する本会の対応について

当該助産師の助産業務につき、安全上の問題があり助産業務を継続することが適切ではないと判断し指導を行って参りましたが、当該助産師に積極的な改善対応が認められませんでした。そのため、分娩を取り扱う業務の停止と研修を勧告しましたが、この勧告は受け入れられないとの回答がありました。
以上の経緯により総会に於いて除名処分と致しました。

2 除名に関する公表について

除名については会員用ホームページに掲載し、公表しております。

3 当該助産業務の継続について

当該助産師の助産業務の継続は様々な問題を抱えていると判断し、助産業務の停止の勧告をしたことは上記のとおりですが、本会は強制加入の職能団体ではないため助産所の開業を停止させる権限はなく、当該助産師は本会を除名されましたが、残念ながら助産業務を継続するに至っております。

4 取材対応を控えさせて頂いている理由について

当該助産師は既に書類送検され、司法手続に入っているため、コメントを控えさせて頂いております。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-02-08 10:07 | 医療事故・医療裁判

鳥取県立中央病院,下垂体腫瘍摘出手術後のクモ膜下出血に再手術を行わず失明の事案で和解(報道)

朝日新聞「県、800万円賠償和解へ  県立中央病院 医療ミスで失明」(2013年2月7日)は,次のとおり報じました.

「県立中央病院(鳥取市江津)は6日、鼻の奥で膨らんだ腫瘍(しゅ・よう)を取り除く手術をした際の医療ミスで失明したとして、鳥取市内に住む70代女性に損害賠償金800万円を支払うことで和解すると発表した。県は2月定例県議会に和解金を盛り込んだ補正予算案を提案するといい、可決されれば女性と和解する。

中央病院によると、女性は2011年9月15日、鼻と脳の間にある下垂体の腫瘍を取り除く手術を受けた。摘出手術は成功したが、副作用として約12時間後にクモ膜下出血を発症。40代の男性主治医は出血量が少なかったことから開頭手術を行わず、投薬治療を選んだが、女性の視力が戻らず失明が確認された。

 女性は12年7月、弁護士を通じて中央病院に損害賠償を請求。病院側も院内に調査委員会を設置し、外部の専門家の意見などから「開頭手術をすれば視力が戻った可能性があった」と医療ミスを認め、女性に謝罪した。

 会見した日野理彦(のり・ひこ)院長は「女性が高齢だったことから負担のかかる開頭手術を避けたようだ。失明により多大な迷惑をおかけして本当に申し訳ない」と陳謝した。(宋潤敏)」


投薬治療と外科的治療の選択ミスが問題となった事案です.
病院内の調査委員会の検討が,医事紛争の比較的短期間での解決に寄与したと言えるでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-08 01:34 | 医療事故・医療裁判

弁護士鬼丸かおる先生(東京弁護士会)を最高裁判事に任命

弁護士鬼丸かおる先生(東京弁護士会)を最高裁判事に任命_b0206085_11391559.jpg2012年12月26日に定年退官した須藤正彦氏(70歳)の後任は,東京弁護士会の鬼丸かおる先生(64歳)で,2月6日以降に就任する,と報道されました.
平成6年から平成9年まで司法研修所民事弁護教官でしたので,鬼丸先生から教わった方も多いのではないでしょうか.

鬼丸先生は,東大法学部卒,日本女性法律家協会副会長,内閣府国民生活審議会委員などの経歴があり,債権回収会社の取締役,防衛省防衛人事審議会委員などを務めました.
東京弁護士会の「高齢者・障害者の権利に関する特別委員会」の委員長でしたので,期待しています.


【追記】

毎日新聞「ひと:鬼丸かおるさん 最高裁判事に就任」(2013年2月7日)は,次のとおり伝えました.

「最高裁で戦後5人目の女性判事に6日付で就任した。これで現在の15人の判事のうち3人が女性となり、三つある小法廷すべてに女性がそろう。「男女の区別が意識されなくなれば良いですね」。男女差を埋める活動に力を注いできた弁護士としての感想だ。

 大学助手だった母は結婚で家庭に入った。「女は主婦しか仕事がないの?」。子供心に母の無念を探った。女性が社会で男性と渡り合っていくのは簡単でない。まず資格を取り、社会に根付く男女格差を何とかしたい、と弁護士を志した。

 ひとつの裁判が胸に残る。生後すぐ保育器で高濃度の酸素を投与され、失明した患者による「未熟児網膜症」訴訟。弁護士1年目から病院側弁護団のメンバーに加わり、病院勝訴で決着した。提訴時に幼児だった原告は成人し、一家は離散していた。長年闘って誰も幸せになれない不条理。本心では喜べない勝訴だった。

 2男1女の母。満員電車に揺られながら訴訟の書面を考え、夕方には保育園へ子供たちの迎えに走った。「女性はダメと言われたくなかった」。育児が一段落すると、司法研修所教官として後進を指導した。教えを受けた女性弁護士は「細身で明るい色のスーツ姿でさっそうと歩く姿があこがれだった」と話す。

 「子供には後ろ姿だけ見せてきた。進む道は自分で決めなさいと」。長女は3年前、裁判官になった。「憲法の番人」となる母の背を「頑張れ」と押してくれた。【石川淳一】

 【略歴】鬼丸(おにまる)かおるさん 「男女の区別が意識されなくなれば」と語る新最高裁判事。東京都出身。東大卒。75年弁護士登録。「訴訟相手からよく『鬼だ』と言われる」。疲れた頭は休日のヨガで無にする。64歳。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-02-06 08:31 | 司法

がん研究会有明病院,胃がん手術の縫合ミスに気づかなかったとして提訴される(報道)

読売新聞「「胃がん手術死亡は医療ミス」 遺族が提訴」(2013年2月6日)は,次のとおり報じました.

「胃がん手術を受けて死亡したのは、担当医師らの医療ミスが原因だとして、長野市の男性(当時57歳)の遺族が、がん研究会(東京都江東区)を相手取り、慰謝料など計約1億6000万円を求める訴訟を長野地裁に起こしたことが5日、わかった。

 男性は昨年1月5日、がん研究会が設ける「がん研究会有明病院」で胃の全摘出手術を受けた。術後、腹膜炎や敗血症などの症状に見舞われ、細菌感染による播種性血管内凝固症候群を併発し同18日に死亡した。

 訴えによると、胃を全摘した後に腸と腸をつなぐ縫合にミスがあり、膵液(すいえき)が多量に漏れる症状が出たため男性は翌6日に緊急手術を受けた。この際は、担当医師らは縫合ミスに気づく機会があったのに、処置を怠った、と指摘。遺族側は、医師らの過失によって死亡したのは明らかとし、診療契約上の注意義務違反による債務不履行や不法行為に基づく損害賠償義務がある、と主張している。

 がん研究会広報部は「訴状の内容を検討のうえ、今後の対応を考えたい。まずは患者の冥福を祈りたい」としている。」


縫合ミスの事案は,訴訟前に解決することが多いのですが.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-06 05:47 | 医療事故・医療裁判

小児がん拠点病院の指定に関する検討会,小児がん拠点病院選定結果のまとめ

「小児がん拠点病院の指定に関する検討会」は,2013年1月31日,北海道大学病院,東北大学病院,埼玉県立小児医療センター,国立成育医療研究センター,東京都立小児総合医療センター,神奈川県立こども医療センター,名古屋大学医学部附属病院,三重大学医学部附属病院,京都大学医学部附属病院,京都府立医科大学附属病院,大阪府立母子保健総合医療センター,大阪市立総合医療センター,兵庫県立こども病院,広島大学病院,九州大学病院の15医療機関を「小児がん拠点病院」に選定しました.

同一の地域から複数の医療機関が選ばれている一方で,小児がん拠点病院が全く選定されていない地域もあります.
これは,「小児がん拠点病院の整備について」(平成24年9月7日健康局長通知)に基づき、小児がん拠点病院を募集し,申請があった37医療機関から,小児がん領域での総合力を重視し,多角的な視点で評価を行ない,平均点4点以上の医療機関を選定した結果です.

名古屋大学医学部附属病院,4.48
京都府立医科大学附属病院,4.44
九州大学病院,4.41
広島大学病院,4.30
兵庫県立こども病院, 4.29
国立成育医療研究センター,4.26
三重大学医学部附属病院, 4.23
埼玉県立小児医療センター,4.19
神奈川県立こども医療センター,4.18
大阪市立総合医療センター,4.16
東北大学病院,4.10
大阪府立母子保健総合医療センター,4.09
北海道大学病院,4.05
京都大学医学部附属病院 ,4.01
東京都立小児総合医療センター,4.01

評価まとめはコチラの末尾です.

今回はバランスのとれた総合力を重視した結果で,選ばれなかった医療機関の中にも特定の領域において突出した実績を持つ医療機関があります.こうした医療機関も,小児がん患者が適切な医療を受けられる医療提供体制を整備していくという観点で重要であり,拠点病院と連携し,小児がん診療のネットワークの一員として、大きな役割を担うことが期待される,としています.

「小児がん拠点病院の指定に関する検討会」は,2013年2月5日,「小児がん拠点病院選定結果のまとめ」を発表しました.

「Ⅳ 拠点病院を中心とした望ましい小児がん診療体制の構築について

平成24年6月に閣議決定したがん対策推進基本計画(以下「基本計画」という。)では、重点的に取り組むべき課題の一つとして、新たに小児がん対策が掲げられた。基本計画の中では、小児がん患者とその家族が安心して適切な医療や支援を受けられるような環境の整備を目指し、5年以内に拠点病院を整備し、小児がんの全国の中核的な機関の整備を開始することが目標に定められている。

小児がん拠点病院の必要性に至った背景には、小児がんの年間新規患者数が2000人から2500人と少ないにも関わらず、小児がんを扱う施設は約200程度と推定され、小児がん患者が必ずしも適切な医療を受けられていないと懸念されていることがあげられる。
こうした課題を踏まえた上で、小児がん拠点病院の整備について検討を行い、平成24年9月にとりまとめられた「小児がん医療・支援の提供体制のあり方について(報告書)」では、「小児がんは患者数も少ないことから、質の高い医療を提供するため、患者や家族の経済的・社会的な負担を軽減する対策(教育環境の整備、宿泊施設の整備等)も図りながら、一定程度の集約化を進めることが必要であり、これまで関連する学会の努力により小児がんを専門的に扱う医療機関に一定の集約化が進められている。一方、均てん化の観点から、患者が発育時期を可能な限り慣れ親しんだ地域に留まり、他の子どもたちと同じ生活・教育環境の中で医療や支援を受けられるような環境を整備する必要もある。」と記載されている。

今回、小児がん拠点病院の選定に当たっては、この「集約化」と「均てん化」のバランスをとりつつ、小児がん診療の総合力という観点から、申請のあった医療機関を評価し選定を行った。今後、これらの拠点病院を中心に日本の小児がん診療提供体制を構築することが期待される。

同時に、今回の選定作業を通じて、
① ブロック内の確実な連携の推進
② 特定の領域で突出した実績を有する医療機関の扱い
といった課題も明らかになった。

これらの課題に対しては、以下のような対応が考えられる。


<課題への対応>

① ブロック内の確実な連携の推進

今後、拠点病院が中心となって、ブロック内の小児がん医療機関の参加も得て、ブロック全体を見渡した確実な連携を推進するとともに、それを検証する仕組みが必要である。

このため、拠点病院に対しては、ブロックごとに小児がん診療提供体制について、特に診療連携と人材育成という観点から協議する場を設置し、小児がん診療提供体制に関する各医療機関の役割分担・連携のあり方、地域の小児がん診療の向上に向けた取組等を盛り込んだ計画(以下「計画」という。)を指定後6ヶ月後を目途に厚生労働省に提出することを提言する。とりわけ、ブロック内に複数の拠点病院が指定された地域では、各拠点病院の強みを活かし、ブロック全体として提供される医療の質が向上するよう、具体的な連携の姿を明確に示す必要がある。

なお、協議の場では、今回指定に至らなかった医療機関も含め、地域ブロック全体の小児がん診療を考える際に重要な役割を果たすと考えられる医療機関、及び地域ブロックを超えて連携が必要な医療機関等にも参加を求め、切れ目のない連携を進めることが必要である。

厚生労働省に対しては、指定1年後を目途に、有識者、患者・家族等、医療従事者等から構成される検討会を設置し、各ブロックの計画とその進捗状況を検証することを提言する。さらに、検証結果を踏まえ、必要に応じて指定された拠点病院に対して改善を要請するとともに、小児がん医療を充実させるべき地域が明らかになった場合には、新たな医療機関の追加指定も含めて検討することを提言する。

② 特定の領域で突出した実績をもつ医療機関の扱いについて

今回、拠点病院の選定にあたっては、小児がん領域における総合力を重視し、造血器腫瘍、固形腫瘍(脳・脊髄腫瘍を含む)の両領域でバランスのとれた実績を持ち、難治性・再発症例に対応できること、地域連携、緩和ケア、長期フォローアップ、相談支援、臨床研究、長期滞在施設等を重視して評価を行った。

 しかしながら、申請医療機関の中には、例えば、脳・脊髄腫瘍の実績の多い埼玉医科大学国際医療センター、網膜芽腫の実績の多い国立がん研究センター中央病院、ハプロ移植の実績の多い福島県立医科大学附属病院など、特定の領域において突出した実績を持つ医療機関があった。こうした医療機関も、小児がん患者が適切な医療を受けられる医療提供体制を整備していくという観点で重要であり、拠点病院と連携し、小児がん診療のネットワークの一員として、大きな役割を担うことが期待される。

こうしたことから、厚生労働省に対しては、指定1年後を目途に拠点病院を検証する際、こうした特定の領域に優れた実績を持つ医療機関についても、小児がん医療提供体制の中でどのように位置づけるべきか検討することを提言する。

拠点病院の選定は小児がん対策の第1歩であり、拠点病院を中心とした地域全体の小児がん医療・支援の向上のためには、今後の検証と改善が重要であることは言うまでもない。

また、小児がん医療は拠点病院で完結することはなく、今回指定に至らなかった医療機関、申請を見合わせた医療機関等、拠点病院以外の医療機関も小児がん医療及び支援の充実には不可欠であり、これらの医療機関の協力を得ることも重要である。

厚生労働省においては、拠点病院の指定後も、1年後を目途に、有識者、患者・家族等、医療従事者等から構成される検討会を設置し、各拠点病院から提出された計画及び実施報告をもとに、各拠点病院の取組・実績等の把握や評価、拠点病院の抱える課題の抽出を行い、課題への対応案を検討していくことが求められる。
さらに、均てん化と集約化のバランスをとりつつ、新たな医療機関の追加指定や特定の領域に実績を持つ医療機関についても全国の小児がん医療提供体制の中で果たすべき役割を検討する必要がある。また、必要に応じて、拠点病院の指定要件の見直しも検討すべきである。

将来的には、平成25年度に整備が予定されている小児がんの中核的な機関を中心とし、全国の小児がん患者が、全人的な質の高い小児がん医療及び支援を受けることができる体制を確保することが必要であり、小児がん医療提供体制の先駆的な取組を参考として、他の希少がん対策にも反映していくことが期待される。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-02-06 04:53 | 医療

日本透析医学会,「慢性血液透析療法の導入と終末期患者に対する見合わせに関する提言(案)」への意見募集

日本透析医学会,「慢性血液透析療法の導入と終末期患者に対する見合わせに関する提言(案)」への意見募集_b0206085_721596.jpg日本透析医学会は,『慢性血液透析療法の導入と終末期患者に対する見合わせに関する提言(案)』(透析会誌45(12):1085-1106,2012)を発表し,次のとおり一般からの意見を募集しています.

「日本透析医学会では、かねてより慢性血液透析療法の導入と終末期患者に対する見合わせに関する提言の策定を目指して慎重に作業を進めてきました。
 つきましては、本提言の案に関しまして、広く皆様からのご意見等を賜りたく、本提言の案をご提示申し上げます。
 ご意見等、平成25年3月31日までに学会事務局にメイル( tosekiigakkai@jsdt.or.jp )、文書でお送り下さいますようよろしくお願い申し上げます。
平成25年1月8日
一般社団法人日本透析医学会理事長 水口 潤」


詳細は,日本透析医学会のサイトからリンクしている,PDFファイル第57 回日本透析医学会学会委員会企画コンセンサスカンファレンスより『慢性血液透析療法の導入と終末期患者に対する見合わせに関する提言(案)』(透析会誌45(12):1085-1106,2012)をご一読ください.現状がよくわかります.

CBニュース「終末期患者の人工透析中止で提言案-透析医学会、一般からも意見募集」(2013年2月4日)は,次のとおり報じています.

「医療チームによる慢性血液透析の見合わせ決定プロセス
 日本透析医学会は、終末期患者への透析の非導入や継続中止について、意思決定プロセスに関する提言案をまとめた。導入や継続を見合わせる「一定の状況」について具体的に記し、「意思決定能力のある終末期患者が導入・継続を拒否した場合」には、セカンドオピニオンを勧めた上で、「その意思を尊重する」とした。ホームページ上に掲載し、3月末まで、会員や関連団体のほか、一般からも意見を募集する。6月の学術集会までに提言をまとめる予定。


 提言案では、担当医師、看護師、臨床工学技士らでつくる医療チームが透析の導入・継続を見合わせる「一定の状況」を、「あらゆる対策を講じても終末期患者の透析療法が技術的にきわめて危険か困難で、実施自体が生命予後へ悪影響を及ぼす」「意思決定能力のある終末期患者が導入・継続を拒否」「意思決定能力がない終末期患者の家族が導入・継続を拒否」の3つの場合に分類し、見合わせるためのプロセスをそれぞれ明記した。

 このほか、▽患者に事前指示書の作成を勧め、患者の意思がわからない場合でも家族と意思を推定して患者の意思を尊重する▽家族がいない場合には自治体の福祉担当者を家族と同義に扱う▽透析導入前に同意書を取得する-などを、患者の意思決定を尊重する枠組みとして盛り込んだ。

■非導入経験の医療者67%、継続中止は71.2%

 日本透析医学会が提言に取り組む背景には、患者の高齢化などにより、合併症のために継続が困難になった患者や、重度の認知症などで意思表示の難しい患者などが増えている一方で、尊厳死が法的に保証されていない現状では、刑事訴追の可能性などから医師が判断に悩む構図がある。ただ、提言案でも、「本提言(案)に沿って慢性血液透析療法の見合わせを実施した場合でも、法的責任を問われる可能性がある」と留意を求めている。

 透析の非導入を経験した医療者は67%、継続中止は71.2%-。提言の参考にしようと学会が2011年に、医師111人を含む163人の会員に実施したアンケートでは、医療者の多くが、臨床現場でこの問題に向き合っている現状が浮かび上がった。学会は同じアンケートに、「非導入・継続中止という言葉は適切と思うか」と質問を設け、結果的に提言案では「見合わせ」という言葉を用いている。【大島迪子】」



人工透析は約30万人の生命を維持しています.それには膨大なコストがかかっています.
透析療法自体が死亡をもたらす危険が高いケースもあります.
人工透析を望む患者がすべてではないとすれば,患者の意思を確認するにはどのような手続きが適切なのでしょうか? とくに意思確認が難しい患者についてはどうすればよいのでしょうか? 「尊厳死」の要件との関係は? など検討すべき問題があり,多様な考えがあると思います.


谷直樹

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by medical-law | 2013-02-05 07:11 | 医療

エイベックスの木内秀行先生曰く,私の道のりは,いずれも自分のやりたいことを突き詰めていった結果です

ビジネスロー・ジャーナル2013年3月号12頁に,木内秀行先生のインタビューが載っていました.
「現場の思いを理解し法的側面からエンタメビジネスを支える」という記事です.
大手法律事務所から,「エイベックス・グループ・ホールディングス経営戦略本部法務部部長」に転職し,ご活躍されている木内秀行先生は,次のとおり語っています.

「これまでの私の道のりは,いずれも自分のやりたいことを突き詰めていった結果です。法的知見があればどの業界でもやっていける-これは弁護士のいいところだと思いますし,それを身をもって体現したという自負はありますね。」

右顧左眄することなく,まっすぐ我が道を進んだ木内秀行先生らしいお言葉です.
弁護士は,こうあるべきですね.

木内秀行先生は,わが中央大学正法会研究室の出身です.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-04 09:55

全世界でがんによって「健康寿命」が失われた期間は約1億6930万年

2月4日は「世界対がんデー」です.

国際がん研究機構(IARC)のIsabelle Soerjomataram氏らの研究によると,がんによって健康的な生活を送れる「健康寿命」が失われた期間は,2008年の1年間で約1億6930万年になるそうです.

健康百科「全世界で1.7億年分、がんで失われた健康的生活」(2013年1月25日)は,次のとおり伝えました.

 「ほとんどの地域で、大腸がん(直腸がん)、肺がん、乳がん、前立腺がんがDALYに大きく影響しており、全てのがんによる負担の18~50%を占めた。しかし、サハラ砂漠以南のアフリカと東アジアでは肝臓がん、胃がん、子宮頸がんなど感染症を原因とするがんが大きく影響しており、こうしたがんは両地域でそれぞれ25%、27%を占めた。

 また、高度な医療を受ける機会が高いことは肺がん、胃がん、肝臓がん、膵臓(すいぞう)がんなど病状の見通しが良くないがんの生存率向上にさほど貢献していないことも明らかとなった。世界のがん負担を軽減するには一次予防、つまり生活習慣や食生活の改善が極めて重要であることが浮き彫りとなった形だ。」

※ DALYとは「障害によって失われた生存年数」です.

Global burden of cancer in 2008: a systematic analysis of disability-adjusted life-years in 12 world regions.
FINDINGS:

Worldwide, an estimated 169·3 million years of healthy life were lost because of cancer in 2008. Colorectal, lung, breast, and prostate cancers were the main contributors to total DALYs in most world regions and caused 18-50% of the total cancer burden. We estimated an additional burden of 25% from infection-related cancers (liver, stomach, and cervical) in sub-Saharan Africa, and 27% in eastern Asia. We noted substantial global differences in the cancer profile of DALYs by country and region; however, YLLs were the most important component of DALYs in all countries and for all cancers, and contributed to more than 90% of the total burden. Nonetheless, low-resource settings had consistently higher YLLs (as a proportion of total DALYs) than did high-resource settings.

INTERPRETATION:

Age-adjusted DALYs lost from cancer are substantial, irrespective of world region. The consistently larger proportions of YLLs in low HDI than in high HDI countries indicate substantial inequalities in prognosis after diagnosis, related to degree of human development. Therefore, radical improvement in cancer care is needed in low-resource countries.


谷直樹

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by medical-law | 2013-02-04 02:46 | 医療

札幌市消防局救急隊,酸素量を調整する装置のバルブをまた開け忘れ19分,患者死亡(報道)

毎日新聞「<札幌市消防局>酸素バルブ開け忘れ男性死亡」(2013年2月2日)は,次のとおり報じました.

「札幌市消防局は2日、火災現場から心肺停止状態の札幌市南区の男性(58)を救急搬送する際、人工呼吸の酸素ボンベのバルブを開け忘れるミスがあったと発表した。男性は搬送先の病院で間もなく死亡。死因は一酸化炭素中毒で、ミスとの関連を調べている。

 市消防局や北海道警によると、火災は2日午前1時50分ごろ、同市南区のマンションで発生。南消防署の救急隊が男性を救急車に収容し、手動式の人工呼吸器を使用する際、30代の隊長が酸素ボンベの元栓は開けたものの、酸素量を調整する装置のバルブを開け忘れたという。19分後に合流した市立札幌病院の医師が気づき、酸素投与を開始した。隊長は「切迫した状況で確認を怠った」と話しているという。

 同消防局では昨年4月にも、同様に酸素ボンベのバルブを開け忘れるミスがあり、70代の男性が死亡。市の調査で男性の死亡との因果関係は否定されたが、隊員の研修を強化するとともに、バルブの開閉が必要ない器具の早期導入を検討している。遠藤敏晴消防局長は「再び発生したことは遺憾。市民の信頼回復に努める」とのコメントを出した。【山下智恵】」


北海道新聞「酸素バルブまた開け忘れ 搬送の重体男性死亡 札幌市救急隊」(2013年2月3日)は,次のとおり報じました

「札幌市消防局は2日、心肺停止状態だった同市南区の無職栗栖勉さん(58)を救急車で搬送する際、救急隊隊長で30代の男性救命士が、患者に酸素を送る装置のバルブを開け忘れ、約19分間、高濃度酸素が送られないミスがあったと発表した。栗栖さんは搬送先の病院で、約9時間後に死亡した。同局は昨年4月にも同様のミスを起こしており、搬送した70代の男性が死亡している。

 札幌南署と同局によると、2日午前1時50分ごろ、同市南区石山1の3、マンション「サンセレクト石山中央」(鉄筋コンクリート5階建て、50戸)5階の栗栖さん方から出火、居間の一部を焼いた。同2時ごろに119番通報があり、煙を吸い、心肺停止状態の栗栖さんを中央区の病院へ搬送した。

 その際、救命士が人工呼吸器で救命措置を行った。酸素量を調整する装置のバルブを開け忘れたため、通常の空気は送られるが、脳の損傷を抑える効果があるとされる高濃度酸素は送られなかった。搬送開始から約19分後に車に乗り込んだ医師が気付き、酸素吸入を開始。救急車は搬送開始から約30分後に病院に到着した。

 同署によると、栗栖さんは搬送先の病院で約9時間後に死亡が確認され、死因は一酸化炭素中毒。同局は遺族に経緯を説明して謝罪するとともに、今回のミスと死亡との関連を調べている。」


ミス(注意義務違反)があっても,結果(死亡)との因果関係が認められなければ,賠償責任はありません.
しかし,ミスされた患者の家族には,因果関係の有無とは別に,ミスされたこと自体で無念さが残ります.また,ミス(注意義務違反)があっただけでも,原因を調査し有効な再発防止策を講じる必要があるでしょう
バルブを開け忘れるというミスは起こりうることなので,バルブを開けたことを確認するという手順を定め必ず遵守することが必要といます.

【追記】

共同通信「札幌の救急車、酸素バルブを変更」(2013年2月5日)は,次のとおり報じました.

「札幌市消防局は5日、救急搬送時に人工呼吸器に酸素を送る装置のバルブを開け忘れたミスが続いた問題で、人工呼吸器をバルブ操作が不要なタイプに変えることを決めた。人為的ミスを防ぐ。

 市消防局によると、新しいタイプは、酸素を送る装置に取り付けるだけで自動的に酸素が送り込まれる。月内に31隊ある全ての救急隊に1個ずつ配備する。

 市の救急隊は昨年4月、心臓疾患で心肺停止状態となった男性を搬送した際、バルブを開け忘れた。今月2日にも、火災現場で救出された男性を運ぶ際、同様のミスを繰り返した。男性はいずれも病院で死亡した。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-02-03 11:42 | 医療