弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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弁護士鈴木利廣氏の真意,医療基本法は医師と患者の対立構造を解消する

CBニュースに「医療基本法シンポでの発言の真意」(2013年3月6日)と題する,弁護士鈴木利廣氏のインタビュー記事が載っています.

「昨年末、日本医師会(日医)主催で開かれた「医療基本法シンポジウム」で、司会を務めていた今村定臣・日医常任理事に促され、客席で傍聴していた鈴木利廣弁護士が発言する機会があった。鈴木氏は、「医療基本法は、医師と患者の対立構造を解消する」と発言した...」


谷直樹

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by medical-law | 2013-03-06 09:43 | 医療

第18回産科医療補償制度運営委員会,分娩施設外のNICUでの医療行為は現行通り医学的評価の対象外

産科医療補償制度運営委員会は,2013年3月5日,現行通り,分娩施設外の小児専門施設のNICUでの医療行為を医学的評価の対象としないことを決めました.

CBニュース 「脳性まひ原因分析、小児専門施設に拡大せず-「必要性低い」と運営委判断」(2013年3月5日)は,つぎのとおり報じました.

「分娩に関連して発症した重度脳性まひ児に一定の条件下で補償金を支払う「産科医療補償制度」の見直しを検討している日本医療機能評価機構の運営委員会は5日、同制度に加入していない小児専門施設のNICU(新生児集中治療室)での医療行為を、原因分析報告書の医学的評価の対象にしない仕組みを維持することを決めた。分娩施設内のNICUでの医療行為に問題があった事例が少ないことなどから、必要性が低いと判断した。

 機構によると、昨年末までに原因分析報告書が公表された188件のうち、分娩施設内のNICUで医療行為が行われていたのは58件で、このうち原因分析報告書で指摘があったのは3件(5.1%)しかなかったという。

 現行の制度では、制度に加入する分娩施設内のNICUでの医療行為は医学的評価の対象になるが、分娩を取り扱っておらず、制度に加入していない小児専門施設のNICUに搬送されたケースは対象にならない。
 小児専門施設への対象拡大は、「産科医療のみならず、周産期医療全体の質を高めることにつながると考えられる」として昨年11月の運営委で検討課題に挙がった。しかし、制度の当事者でない小児科医らの負担増を懸念する意見もあり、分娩施設内のNICUでの医療行為の実態を検証した上で改めて議論することになっていた。

■原因分析報告書の送付を迅速化へ
 運営委ではまた、原因分析報告書の送付を早めるため、作成手順の見直しや、作成に携わる産科医の増員に着手することを決めた。保護者や分娩施設に案内している通り、補償対象と認定されてから1年以内に送付できる体制の構築を目指す。

 機構によると、これまでに報告書を送付した188件では、平均で13か月ほどかかっている。昨年に送付した109件に限ると、平均で14.5か月かかっており、さらに長期化しているという。【高崎慎也】」


分娩施設外の小児専門施設のNICUでの医療行為を医学的評価の対象としないのはともかく,報告書作成に携わる産科医の増員だけではなく,小児科医(新生児科医)の増員も必要ではないでしょうか.

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by medical-law | 2013-03-06 01:47 | 医療事故・医療裁判

徳島大学病院,余命告知で提訴される(報道)

スポーツ報知「余命告知で精神不安定に 治療できず死亡」(2013年3月4日)は,次のとおり報じました.

 「医師から余命告知をされた母親が精神不安定になり、がん治療を受けられず死亡したとして、遺族が4日までに、徳島大病院を運営する大学に慰謝料など約4500万円の損害賠償を求め、徳島地裁に提訴した。

 訴状によると、2011年3月、徳島県内の70代の女性が余命数か月と診断され、徳島大病院に入院。子どもたちは余命を知らせないよう病院側に申し出たが、医師が本人に「このままだと数か月。完治することはまずない」と伝えた。

 女性は深夜徘徊や暴れるなど精神的に不安定になり、病院にいる方が危険だと医師が判断。通院で治療を続けたが、幻覚の症状が出たり、薬を飲まなくなったりして、十分な治療を受けられず、12年4月に死亡したとしている。

 遺族は「告知によって患者に精神的ショックを与えないよう配慮する義務が医師にはあった」と主張している。

 徳島大は「対応を検討中でコメントできない」としている。」


余命は,中央値であって,さほど正確なものではありません.
余命告知は当然のように行われていますが,その伝え方が重要です.
まず,患者本人に,余命告知を望みますか,望みませんか,と聞くことです.
患者が望むときは,誤解を与えないように数字だけではなくその精度も伝えるべきでしょうし,心のケアも必要でしょう.

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by medical-law | 2013-03-05 07:20 | 医療

「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針の改正に関する説明会」

文部科学省,厚生労働省及び経済産業省は,「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針を平成25年2月8日に全部を改正する旨告示し,同年4月1日から施行されます.

ヒトゲノム・遺伝子解析研究をより行いやすくするための改正です.
3省によると,改正のポイントは,以下のとおりとのことです.

「(1)既存試料・情報の外部提供
長期的な追跡研究を適正に実施するため、外部の機関が保存している既存試料・情報を、連結可能匿名化の状態で提供する場合の要件・手続等を整備。

(2)インフォームド・コンセント
試料・情報の提供を受ける場合であって、将来的に他のヒトゲノム・遺伝子解析研究への利用や他の研究機関への提供が想定されるときは、その可能性や利用手続等について、試料・情報の提供者に十分な説明をした上で、インフォームド・コンセントを受けるものとするよう規定を改正。

(3)遺伝情報の開示
ヒトゲノム・遺伝子解析研究により得られる遺伝情報については、試料・情報の提供者の健康状態等を評価するための情報として精度や確実性が十分でない場合があること等から、遺伝情報の開示に係る要件・手続等の規定を改正。

(4)安全管理に配慮した遺伝情報の取扱い等
遺伝情報の取扱いに係る安全管理措置の明確化や、研究者及び倫理審査委員会の委員に対する教育・研修に係る規定の整備等を実施。」


また,「改正ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」についての説明会が,平成25年3月18日(月)に開催されるとのことです.

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by medical-law | 2013-03-05 06:46 | 医療

東京地裁,インプラント手術で動脈を傷つけ患者を死亡させた事案,歯科医に禁錮1年6月執行猶予3年(報道)

毎日新聞「インプラント手術死亡:歯科医師に有罪判決 東京地裁」(2013年3月4日)は,次のとおり報じました.
 
「東京都中央区の歯科医院「飯野歯科八重洲診療所」で07年、インプラント(人工歯根)手術を受けた女性を死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた歯科医師の××××被告(68)に対し、東京地裁は4日、禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑・禁錮2年)の判決を言い渡した。吉村典晃裁判長は「安全性や有用性に問題のある治療法を有効だと軽信した」などと指摘。××被告は即日控訴した。

 判決によると、××被告は07年5月、女性患者(当時70歳)の右下顎(あご)の骨に人工歯根を埋める穴を開けようとしたところ、ドリルで動脈を傷つけて出血させ、血腫によって窒息死させた。

 ××被告側は「事故を予測できなかった」と無罪を主張したが、判決は穴を開けた部位について「文献や講演会で大出血などの事故につながる危険性が指摘され、インプラント治療を行う歯科医師の間ではかなり知られていた」と指摘。「一般に用いられない術式なのに危険性を十分調査検討せず、穴を深くしようとするあまりドリルの挿入角度や深さを適切に調整しなかった」と過失を認めた。【和田武士】」


たしかに医療行為について業務上過失致死罪が適用されること自体を疑問視する見解もありますが,医療行為がすべて刑事責任に問われないという合理的な理由は見いだし難く,どのような場合でも業務上過失致死罪が適用されないという見解には賛同しかねます.

文献や講演会で大出血などの事故につながる危険性が指摘され,インプラント治療を行う歯科医師の間ではかなり知られていた以上は,仮に当該歯科医がそれを知らなかったとしたら,知らなかったこと自体が問題でしょう.


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by medical-law | 2013-03-04 23:56 | 医療事故・医療裁判

標榜診療科と近所の病院・診療所選び

日刊SPA!「近所の病院選びでヤブ医者を見抜くコツ」(2013年3月3日)は,次のとおり,病院選びについて具体的なポイントを指摘しています.

「患者が少ない病院は問題がある」
「在籍医がしょっちゅう代わる病院にも注意したい。」
「病院の年間手術数も医者選びの参考になる重要ポイントだ。」
「医師が一人しかいない小さな診療所なのに標榜科がやたらと多い場合、注意が必要です」


現在,医師であれば,何科でも,いくつでも標榜できる仕組みになっています.
厚生労働省通知では「医療機関においては、当該医療機関に勤務する医師又は歯科医師一人に対して主たる診療科名を原則2つ以内とし、診療科名の広告に当たっては、主たる診療科名を大きく表示するなど、他の診療科名と区別して表記することが望ましいものとする。」とされていますが,望ましいというだけで,罰則はありません.
また,新しい専門医制度ができても,日本医師会はこの自由標榜制を墨守しようとしています.
しかし,この自由標榜制は,質の担保の観点からは問題があります.自由標榜制は見直しが必要と思います.

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by medical-law | 2013-03-04 02:56 | 医療

長野市の病院でワクチンを間違えて接種

毎日新聞「二重接種:ポリオワクチン、長野の病院で乳児に 須坂市が発表」(2013年3月2日)は,次のとおり報じました.

 「須坂市は、市内の生後4カ月の乳児が長野市の病院で、誤ってポリオワクチンを二重に接種されたと発表した。今のところ、健康被害は確認されていない。病院と須坂市は既に保護者に謝罪した。

 須坂市によると、乳児は2月19日、4種混合ワクチン(ジフテリア、百日ぜき、破傷風、ポリオ)▽ヒブワクチン▽肺炎球菌ワクチン−−の予防接種を受ける予定だった。だが、医師がヒブワクチンと不活化ポリオワクチンを間違えて接種した。

 病院は須坂市に対し、ワクチンの保管者が医師に渡す際、種類を誤って渡したという。

 市健康づくり課は「健康状態の経過観察をすると共に医療機関に再発防止を求める」と述べた。【小田中大】」


ワクチン接種の件数が多いためか,ワクチン接種のミスも結構報道されています.
再発防止を求めるとのことですが,再発防止策の具体的内容を明らかにしてほしいですね.

谷直樹

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by medical-law | 2013-03-03 00:16 | 医療事故・医療裁判