弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

<   2013年 10月 ( 45 )   > この月の画像一覧

大阪大学医学部附属病院の麻酔科医、麻薬取締法違反容疑で書類送検される

毎日新聞「麻薬使用:手術室で自分に注射 阪大病院の麻酔科医を送検」(2013年10月16日)は、次のとおり報じました.

「手術中に医療用麻薬を自分で使ったとして、大阪府警吹田署は16日、大阪大病院(同府吹田市)麻酔科に所属していた医師の男(32)を麻薬取締法違反容疑で書類送検した。「今年5月以降、手術室や自宅で十数回使った。緊急手術が多くストレスを感じていた」と供述しているという。

 送検容疑は今年6月17日夕、阪大病院の手術室で手術中に、鎮痛剤として使う医療用麻薬を自分に注射して使った、とされる。麻薬の使用量が通常より多いことから発覚し、9月6日に懲戒解雇された。【田辺佑介】」


スポーツ報知「医師が医療用麻薬を自己使用「十数回使用、手術中も」(2013年10月16日)は,次のとおり報じました.

大阪大病院(大阪府吹田市)の麻酔科に所属中に医療用麻薬を自己使用したとして懲戒解雇された×××医師(32)が、吹田署の調べに「5月初旬から6月中旬にかけ十数回やった。手術中にも使った」と供述していることが16日、同署への取材で分かった。

 吹田署は同日、麻薬取締法違反の疑いで××医師を書類送検。同署によると、「学会発表や緊急手術を担当してストレスを感じていた」と供述しているという。

 書類送検容疑は、6月17日、阪大病院で手術中に、麻薬に指定され、鎮静効果があるフェンタニルやレミフェンタニルを注射器で自分に打った疑い。

 病院が9月、××医師が担当した手術の際、医療用麻薬を注射器に入れ、患者に使うと見せかけてポケットに隠して、自宅などで使用していたと公表。病院からの届けを受け、吹田署が病院や加藤医師の自宅を家宅捜索して調べていた。」



ときどき医療従事者が病院の薬剤を自己使用したという報道を目にしますが、手術中に自分に使用して朦朧としてしまったら、患者が危険にさらされるではないでしょうか.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-17 02:27 | 医療

学内調査委員会の報告,高血圧症治療薬ディオバンの臨床研究,滋賀医大でもデータ操作の可能性あり

日本経済新聞「滋賀医大もデータ操作の可能性 高血圧症治療薬の臨床研究 」(2013年10月13日)は,次のとおり報じました.

「スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京)の高血圧症治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)を使って滋賀医大で行われた臨床研究について、発表された論文に使われた患者データと、カルテに記載されていた元の数値が一致しない部分が複数あることが13日、分かった。学内調査委員会の調べで判明したもので、データ操作の可能性もある。

滋賀医大関係者が明らかにした。月内にも調査結果を公表する。

臨床研究にはノ社の当時の社員が関与していた。研究責任者は滋賀医大病院長の副学長で、調査に対し「原因は入力ミスなどヒューマンエラーで、論文の結果に間違いはない」と答えたという。

滋賀医大関係者は入力ミスの可能性も否定できないとしながら「ずさんだ。改ざんや捏造(ねつぞう)も考えられる」とし、データ操作の可能性も示唆した。

この問題をめぐってはこれまで、いずれもノ社の元社員が関与した京都府立医大、東京慈恵医大の各臨床研究でデータ操作があったことが判明している。

滋賀医大の臨床研究では、ディオバンに血圧を下げる以外に、糖尿病にみられるタンパク尿の改善効果があるかなどを検討した。不一致の程度はデータを取った日や、論文の部分などにより異なり、平均で8~10%といい、精査を進めている。

滋賀医大はことし5月、調査委を設置。論文の信用性や、ノ社の当時の社員の関与の仕方などを調べてきた。

滋賀医大の臨床研究は2003~06年に実施された。ノ社はこの期間に、滋賀医大に対し6千万円を超える寄付をしている。〔共同〕」


データの過りは論文の信頼性に影響するでしょうし,滋賀医大でもデータ操作が行われたとすれば,当然,ノバルティスファーマの関与が疑われるでしょう.

おりしも,滋賀医大では,平成25年10月26日,映画『希望のちから』が上映されます.医師が,患者のために,さまざまな障害を乗り越え,新薬認可にこぎ続けるまでの感動の物語です.

臨床試験が製薬企業の関与により歪められていないか,を徹底的に調査す公開することなくして,ディオバン問題を機におきている臨床試験への不信を拭い去ることはできないでしょう.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-14 11:20 | 医療

「かえるくん、東京を救う」 “Super-Frog Saves Tokyo”

「片桐がアパートの部屋に戻ると、巨大な蛙が待っていた。二本の後ろ脚で立ち上がった背丈は2メートル以上ある。体格もいい。」

村上春樹氏の「かえるくん、東京を救う」の冒頭です.

NHKラジオ第2放送で日曜日午後10:50~11:20,「英語で読む村上春樹」が放送されています.
「象の消滅」“The Elephant Vanishes”は9月でおわり,10月から待望の「かえるくん、東京を救う」“Super-Frog Saves Tokyo”が放送されています.

朗読は難しいですね.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-13 21:55 | 趣味

タバコ大量喫煙者の脳卒中・死亡リスクは男性で2.17倍,女性で3.64倍

健康百科「喫煙で脳卒中・死亡リスク2~3倍に―心房細動患者を検討」(2013年10月11日)は,次の通り報じました.

「デンマーク・オールボー大学病院のIda Ehlers Albertsen氏らは,喫煙習慣がある心房細動患者では、喫煙習慣のない患者と比べて脳卒中や死亡のリスクが2~3倍に上ると、10月3日発行の米医学誌「Chest」(電子版)に報告した。リスクの上昇度は男性より女性で大きかったという。」

「脳卒中と死亡のリスク(絶対リスク)は、喫煙したことがない人で100人当たり年間3.2人、禁煙者で同4.6人,少量喫煙者で同8.1人,大量喫煙者で同11.5人だった。なお、大量喫煙者はたばこの消費量が1日25グラム以上(たばこ1本1~4.5グラムで計算)としている。

ビタミンK拮抗薬の影響を除外して検討したところ、喫煙したことがない人と比べた大量喫煙者の脳卒中・死亡リスク(相対リスク)は男性で2.73倍,女性で3.13倍だった。さらに,高血圧や糖尿病,脳卒中の経験,年齢などの影響を除外して検討すると、大量喫煙者の男性では2.17倍に低下したが,女性では3.64倍に上昇。女性の多量喫煙者で脳卒中や死亡のリスク上昇が大きいことが分かった。」


大量喫煙者の男性では,脳卒中・死亡リスク2.17倍,女性では脳卒中・死亡リスクが3.64倍ということですので,脳卒中・死亡リスクを低減させたい喫煙者の方には,ぜひ禁煙外来を受診することをお奨めいたします.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-13 09:59 | タバコ

医療問題弁護団,2013年10月12日美容医療ホットライン 03-6869-9825 / 03-6869-9826

医療問題弁護団(医弁)は,2013年10月12日に,美容医療ホットラインを行います

2013年10月12日(土) 午前9時15分~午後5時

電話番号:03-6869-9825 / 03-6869-9826


このことは,新聞でも報道されました.

毎日新聞「美容整形・エステ:被害救済で電話相談」(2013年10月10日)は,次の鶏報じました.

「美容整形やエステなど美容医療で健康被害が増加しているとして、東京の弁護士約250人でつくる「医療問題弁護団」は12日、実態把握と被害救済を図るため電話相談を受け付ける。電話番号は03・6869・9825と03・6869・9826で、時間は午前9時15分〜午後5時。

美容医療を巡っては2009年に東京の美容外科クリニックで脂肪吸引手術を受けた女性が死亡。全国の消費生活センターで腫れや痛みなど健康被害の相談が年々増えており、初めて電話相談を開設することにした。【桐野耕一】」


時事通信「「リフトアップのはずが…」=美容医療トラブル増加-医療弁護団、初の電話相談」(2013年10月13日)は,次のとおり報じました.

「リフトアップのために手術を受けたのに、顔の半分だけゆがんだ」。美容のための医療によるトラブルが増えている。全国の消費生活センターに寄せられた体に影響のある被害の相談は、2007年度の242件から年々増加し、12年度には360件に上った。医療問題弁護団は12日、美容医療に特化した初の無料電話相談を行う。
弁護団の末吉宜子弁護士は「契約トラブルも多いが、体の被害への相談も増えており、実態を把握し、医師と連携して救済したい」と話している。
消費者庁消費者安全課によると、美容医療に関する相談は07~12年度の6年間で9865件あり、うち体への被害の相談は1800件だった。」


朝日新聞「美容医療トラブル、弁護士が電話相談 12日に実施」(2013年10月13日)は,次のとおり報じました.

「脱毛や脂肪吸引などの美容医療で心身に危害を受けるトラブルが増えているとして、医療問題弁護団(鈴木利広代表)は12日、「美容医療ホットライン」(03・6869・9825、9826)を実施する。午前9時15分から午後5時まで、医療機関やエステサロンでのトラブルについて相談に応じる。

消費者庁によると、美容医療をめぐる相談は年1500~1700件。特に施術後の痛みや傷、はれなど体への危害に関する相談は年々増加し、2011年は350件あった。合併症のリスクなどが患者に十分に説明されていないことが背景にあるという。」


NHK「美容医療トラブル 初の電話相談」(2013年10月12日)は, 次のとおり報じました.

「顔のしわを取るなどの美容医療について、健康被害の相談が増え続けているとして、医療問題に詳しい弁護士のグループが、12日初めての電話相談を行い、実態の把握を進めることになりました。

国民生活センターによりますと、全国の窓口に寄せられる美容医療のトラブルの相談は、昨年度これまでで最も多い1871件に上り、このうち顔のしわを取る手術で顔面がまひしたなど、健康被害の相談は375件と年々増え続けています。
医療事故や薬害問題などに取り組む「医療問題弁護団」では、こうした健康被害は、裁判を起こしても医師側の落ち度などの証明が難しく、損害が認められた場合でも少額にとどまることなどから、泣き寝入りをする被害者が多いとみています。
このため、被害の実態を把握し救済につなげようと12日、電話相談を行うことになりました。
「医療問題弁護団」の高梨滋雄弁護士は「医師が適切にメリット、デメリットの情報を提供し、患者が納得したうえで手術に同意するという医療の基本を美容医療も徹底し、トラブルを防がなければならない。根本的な解決の道を探るためにも、ぜひ被害について声を上げてほしい」と話しています。
電話相談は、午前9時15分から午後5時までで、電話番号は03ー6869ー9825と03ー6869ー9826です。

手術した女性「知識持つべきだった」

東日本に住む中年の女性は、年齢とともにほおのたるみが気になるようになり、数年前、「フェイスリフト」と呼ばれる、顔を引き上げてたるみを和らげる手術を受けました。
しかし、手術の直後から首が突っ張るような違和感があったため、担当の医師に確認したところ、効果を高めるため首の筋肉なども一緒に引き上げたと説明されました。
女性は、事前には説明は受けていなかったと話しています。
また、事前の説明ではほとんど目立たないとされていた耳の周りや後頭部の手術の跡が気になり、外出を控えるようになったといいます。
女性は「カウンセリングのときには、ほおを引き上げたいと伝えただけなので、こんなに大々的にされるとは思っていなかった。首が引っ張られて常にひもで縛られているような苦しさが続き、精神的に疲れている。美容医療についての知識をきちんと持つべきだったと悔やんでいる」と話しています。」



谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-12 03:13 | 医療事故・医療裁判

17大学病院で,子宮頸がんワクチン接種後の痛み・しびれを診療

NHK「子宮頸がんワクチン「不明の痛み」治療へ」(2013年10月11日)は,次のとおり報じました.

子宮頸がんワクチンを接種したあとに体に原因不明の痛みを訴える患者が相次いでいる問題で、厚生労働省の研究班は、接種と痛みとの因果関係の調査と平行して、全国の17の病院で診療や治療を行い、治療方法の確立を目指すことになりました。

子宮頸がんワクチンを巡っては、接種後、体に原因不明の痛みを訴える患者が相次いでいるため、厚生労働省はことし6月、積極的に接種を受けるよう呼びかけるのを中止し、複数の研究班を設けて因果関係について調べています。
患者のなかには、治療を受けても痛みやしびれ、それに脱力などの症状が改善せず、長期間続いているケースも少なくないことから、研究班は、因果関係の調査と平行して、診療や治療を受けられる体制を整えることにしました。
診療を受けられるのは、東京大学や信州大学の付属病院や愛知医科大学病院など全国の17の病院で、痛みの専門医らが診療に当たるということです。
研究班はワクチンの接種後、2週間から4週間痛みなどの症状が続いている患者に受診を呼びかけています。
現時点では治療方法が確立していないことから、研究班では、患者のデータを集めて分析し、治療方法の研究も進めることにしています。
研究班の代表の1人で、信州大学医学部の池田修一教授は、「ワクチン接種との因果関係は不明だが、痛みなどを少しでも和らげるとともに、一日も早く適切な治療法を示したい」と話しています。

診療を始めた病院は

診療を始めたのは次の17の大学の付属病院や大学病院です。
北海道大学、札幌医科大学、福島県立医科大学、東京大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学、信州大学、名古屋大学、愛知医科大学、滋賀医科大学、大阪大学、岡山大学病院、山口大学、愛媛大学、高知大学、九州大学、鹿児島大学。」


11大学病院に,今回6大学病院がくわわり,17大学病院で診療が受けられるようになったということです.
宮頸がんワクチン接種後の痛み・しびれ(原因は不明とされていますが,接種との関連性は否定できません.)について,機序が解明され,有効な治療法が開発されることを期待いたします.
また,注射事故(注射による神経損傷)の痛み・しびれも,その注射部位だけではなく他の部位にも広がってくることがありますので,子宮頸がんワクチン接種後の痛み・しびれの治療がすすむことで,注射事故の場合の治療法もすすむのではないか,とひそかに期待しています.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-11 23:19 | 医療

延岡市医師会病院が大腸内視鏡検査の直腸穿孔で人工肛門となった事案で提訴される(報道)

宮崎日日新聞「「内視鏡検査でミス」 患者が延岡市医師会提訴」(2013年10月10日)は,つぎのとおり報じました.

「延岡市の女性(74)が、同市医師会病院で大腸の内視鏡検査を受けた際、操作ミスにより直腸に穴が開き、その後の処置も不適切だったことで人工肛門の設置を余儀なくされたとして、同市医師会を相手取り約2815万円の損害賠償を求める訴訟を宮崎地裁延岡支部に起こした。」

高齢者の大腸内視鏡検査はハイリスクですので,高齢者の大腸内視鏡検査を実施するときは,よりいっそうの注意が求められます.
日々多くの大腸内視鏡検査を担当している熟練の医師,日本消化器内視鏡学会指導医とそうでない医師とでは,穿孔を起こす確率がちがうはずです.
通常の医師は,ハイリスク症例を熟練度の高い医師にまわし,通常のリスクの症例だけを扱うようにすると,穿孔事故の確率は減少するのではないかと思います.

本件の医師は,事前に,高齢の患者に穿孔が生じるリスク,自己の熟練度についてどのように説明していたのでしょうか.気になるところです.

なお,最近は,検査だけであれば, 3D-CTバーチャル大腸内視鏡を選択肢できる病院もありますが,宮崎県にはないのかもしれません.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-11 05:38 | 医療事故・医療裁判

秋の薔薇

秋薔薇の時期になりました.
秋薔薇は,色が濃く,香りが強いので,見逃せません.
旧古河庭園(東京都北区西ヶ原)で,10月12日から27日まで,秋のバラフェスティバルが開かれます.
神代植物公園(東京都調布市深大寺元町)で,10月12日から11月4日まで,秋のバラフェスタが開かれます.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-10 23:46 | 趣味

神戸市立医療センター中央市民病院,HBV陽性を陰性と勘違いし抗がん剤治療で悪性リンパ腫患者死亡(報道)

中日新聞「検査怠り、肝炎で男性患者死亡 神戸、医師が勘違い」(2013年10月9日)は,次のとおり報じました.

「神戸市民病院機構は9日、市立医療センター中央市民病院で、B型肝炎ウイルスに感染していた60代の男性に抗がん剤を投与した際に、医師が必要な血液検査を怠り、男性が劇症肝炎を発症して死亡したと発表した。

感染者が抗がん剤などの化学療法を受けると、免疫力が低下してB型肝炎ウイルスが再活性化し、肝炎を発症する恐れがある。

このため、厚労省のガイドラインは、化学療法と並行した血液検査など適切な処置を定めている。

同機構によると、男性は悪性リンパ腫の治療で入院。治療前のB型肝炎ウイルス検査で陽性だったが、担当医師が陰性と勘違いし、その後の血液検査を怠ったという。」


悪性リンパ腫の治療成績は,リツキサン(一般名:リツキシマブ)登場で向上し,ゼヴァリン(一般名:イブリツモマブチウキセタン),トレアキシン(一般名:ベンダムスチン)が登場して,さらに向上しました.

本ブログ「大阪大学医学部附属病院,B型肝炎キャリアの悪性リンパ腫患者へのリツキシマブ投与で提訴される(報道)」にも書きましたが,リツキサン(一般名:リツキシマブ)がB型肝炎ウイルスを活性化させることから,治療前のB型肝炎ウイルス検査は必須とされています.

医師がどうして「陽性」を「陰性」と勘違いしたのかわかりませんが,これは重大なミスと言えるでしょう.
ただ,勘違いは起こり得ることですから,本件を単にその医師のミスとしてすませるのではなく,病院にチェックするシステムがなかったことを問題とし,再発防止策を検討していただきたく思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-10 00:25 | 医療事故・医療裁判

大分地裁平成25年9月30日判決,手術を止血用具のない刑務所診察室で行った事案,賠償命じる(報道)

読売新聞「刑務所での手術ミスで後遺症、国に賠償命令」(2013年10月1日)は,次のとおり報じました.

「大分刑務所(大分市)での手術ミスで後遺症が残ったとして、受刑者の男性(31)が国に355万円の損害賠償を求めた訴訟で、大分地裁(宮武康裁判長)は30日、刑務所の医師の過失を認め、国に100万円の支払いを命じた。

判決によると、男性は2007年11月、刑務所の診察室で、医師から下半身の腫瘤しゅりゅうの切除手術を受けた。その後、患部が内出血し、皮膚に炎症が起きるなどした。宮武裁判長は「止血のための電気メスを準備するなどの注意義務を怠ったうえ、血管を損傷させたことに気付かないまま縫合し、皮下出血を生じさせた」と医師の過失を認定し、今後の治療費や慰謝料を認めた。」


大分放送「受刑者の手術ミス賠償訴訟で国に支払い命令」(2013年9月30日)は,次のとおり報じました.

「2007年大分刑務所の受刑者が刑務所内で受けた腫瘍の摘出手術で後遺症が残ったとして国に対し損害賠償を求めた裁判で、大分地裁は国に100万円の支払いを言い渡しました。この裁判は大分刑務所に服役している31歳の男性受刑者が2007年、当時の医務課長に腫瘍の摘出手術を受けた後、尿道などに後遺症が起きたとして国に対し355万円の損害賠償を求めたものです。きょうの判決で大分地裁の宮武康裁判長は「手術の際、止血用具を準備するなどの注意義務があるが医師が怠った」として医師側の過失を認め国に100万円の支払いを命じました。判決を受けて大分刑務所の杉本令二所長は「判決内容を精査し適切に対応してまいりたい」とコメントしています。」

止血用具を準備せずに手術を行ったとすれば,控訴の余地はないでしょう.
そもそも,腫瘍の摘出手術を刑務所の診察室で行うこと自体問題でしょう.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-10-09 23:35 | 医療事故・医療裁判