弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

<   2014年 01月 ( 29 )   > この月の画像一覧

ABP,人権と環境の観点から東電を「投資してはならない対象」に指定し株売却

ロイター「オランダ年金基金が東電株売却、原発事故処理への懸念で」(2014年 1月 8日)は,次のとおり報じました.

「[アムステルダム 7日 ロイター] -オランダの公務員年金基金ABPは7日、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)株式を昨年売却したことを明らかにした。福島第1原発の問題めぐり、ABPが安全性や環境への影響について繰り返し協議を申し入れたものの、東電側が応じなかったため、としている。ABPは、東電を1月1日付けで投資してはならない対象に指定した。」

「ABPは7日発表した声明で「東電は、福島原発事故発生時、およびその後も、われわれの基準に違反していた。東電は、一般市民の安全についての認識が乏しかったと言える」と指摘した。

Geers氏によると、ABPは自分たちの懸念について繰り返し東電との協議を試みたが、東電からの返答はなかったという。

ABPは、投資禁止対象リストを毎年見直している。禁止対象には、クラスター爆弾製造会社などが含まれている。

東電については、ABPが社会責任投資のガイドラインとしている国連グローバル・コンパクトの10原則の内の「人権」と「環境」の2原則に関する目標を満たしていないと判断したとGeers氏は説明した。」


国連グローバル・コンパクトの定める4分野(人権,労働,環境,腐敗防止)10原則は,いずれも世界的に採択・合意された普遍的な価値として国際社会で認められているものです.国連グローバル・コンパクトは,企業が影響の及ぶ範囲内で「人権」,「労働」,「環境」,「腐敗防止」の分野における一連の本質的な価値観を容認し,支持し,実行に移すことを求めています.

人権
原則1 企業は、国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重すべきである
原則2 企業は、自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである

環境
原則7 企業は、環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持すべきである
原則8 企業は、環境に関するより大きな責任を率先して引き受けるべきである
原則9 企業は、環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである

たしかに,東電が,これらの原則をみたしているとは言い難いですね.

日本では,大和証券,三井住友銀行,三井生命,住友生命,みずほファイナンシャルグループなど181企業・団体が国連グローバル・コンパクトに加入していますが,同様の判断で株式売却となるのではないでしょうか..


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
 
by medical-law | 2014-01-10 07:52 | 人権

日本医師会も,新型出生前診断の指針を順守するよう求める見解発表

朝日新聞「中国企業に出生前診断の指針順守求める 日本医師会」(2014年1月8日)は,次のとおり報じました.

「新型出生前診断を中国の検査会社が日本産科婦人科学会(日産婦)の指針を守らずに実施している問題で、日本医師会は8日、検査会社に指針を順守するよう求める見解を発表した。医療機関に対しても科学的な評価の定まっていない遺伝子検査を「安易に導入するべきではない」と要請した。

 新型出生前診断は、妊婦の血液だけで胎児の染色体異常を調べられる。医師会の今村定臣・常任理事は会見で「不用意に行われれば人の生命の選別に至る恐れが大きい」と指摘。複数の医療機関が中国企業と契約し、すでに検査を始めているとの情報があることを明らかにした。

 新型出生前診断は、結果によっては十分な情報と知識なしに人工妊娠中絶につながる心配がある。このため、日産婦は指針で、常勤の小児科医がいて、遺伝に関する専門外来がある施設に限っており、日本医学会が施設を認定している。」


日本産科婦人科学会と日本医学会が昨年12月23日に緊急声明を出したのに続いて,日本医師会も同様の意見を表明しました.
しかし,単なる意見表明だけで,中国のBGI社と提携いて新型出生前診断を実施する医療機関を止められるかは疑問です.厚労省の対応に注目したいと思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-01-09 03:34

世田谷区の病院,患者を取り違え幹細胞注入(報道)

NHK「誤って別の子どもに幹細胞移植 東京」(2014年1月7日)は,次のとおり報じました.

「東京の国立成育医療研究センター病院で、先月、小児がんの1歳の男の子に移植する予定だった男の子の細胞を、誤って4歳の女の子に移植する、患者の取り違えがあったことが分かりました。
今のところ女の子に目立った健康被害は起きていないということです。

患者の取り違えがあったのは、東京・世田谷区にある国立成育医療研究センター病院です。
病院によりますと、先月18日、小児がんの1歳の男の子に抗がん剤治療をしたあと、あらかじめ男の子から採取していた血液を造る「幹細胞」を注射器で体内に移植する際、主治医が患者を取り違え、同じ病気で入院していた4歳の女の子に誤って移植したということです。
男の子と女の子の主治医は同じで、主治医は冷凍保存していた男の子の幹細胞を解凍し注射器に詰めたあと、女の子の部屋に行き、注射したということです。
直後に別の医師が気付き、慎重に経過を見ていますが、女の子に今のところ目立った健康被害は起きていないということです。
男の子には予備の幹細胞を注入し、状態は安定しているということです。
主治医は「病気も同じで治療の経過も似ていたので、取り違えてしまった」と説明しているということです。
国立成育医療研究センター病院の松井陽病院長は、「患者や家族に多大な迷惑をおかけしたことをおわびします。患者の本人確認が徹底できていなかったことが最大の原因で、責任を持って再発防止に取り組みたい」と話しています。
幹細胞の移植に詳しい、日本大学医学部の麦島秀雄教授は、「女の子は、場合によっては、拒絶反応のため免疫抑制剤を飲み続けなければならなくなるおそれもある。基本的なミスで、決して起きてはならない事故だ」と話しています。」



共同通信によれば,幹細胞の入ったバッグと患者が装着しているリストバンドとの照合作業が不十分なまま移植を行ったとのことです.
病気も同じで治療の経過も似ていたとは言え,1歳の男児と4歳の女児をとりちがえたわけですから,主治医の思い込みと確認ミスによる事故だと思います.ダブルチェックが常に必要と思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-01-07 19:14 | 医療事故・医療裁判

日本産科婦人科学会,「低用量ピルの副作用について心配しておられる女性へ」

公益社団法人日本産科婦人科学会は,平成25年12月27日,「低用量ピルの副作用について心配しておられる女性へ」を発表しました.


欧米では、静脈血栓症の発症は以下の症状(ACHES)と関連することが報告されていますので、低用量ピル内服中に症状を認める場合には医療機関を受診して下さい。
A:abdominal pain (激しい腹痛)
C:chest pain(激しい胸痛、息苦しい、押しつぶされるような痛み)
H:headache(激しい頭痛)
E:eye / speech problems(見えにくい所がある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害)
S:severe leg pain(ふくらはぎの痛み・むくみ、握ると痛い、赤くなっている)

 低用量ピルおよびその類似薬剤の有益性は大きく、女性のQOL向上に極めて効果的であります。しかし、一方で静脈血栓症という有害事象もあります。低用量ピル内服中の静脈血栓症の発症頻度は低いものの、一旦発症すると重篤化するケースもありますので、服用中に上記の症候がみられた場合は、ただちに服用を中止し、処方元の医療機関を受診してください。早期の診断、治療により重症化を防ぐことができます。」

「海外の疫学調査によると、低用量ピルを服用していない女性の静脈血栓症発症のリスクは年間10,000人あたり1-5人であるのに対し、低用量ピル服用女性では3-9人と報告されています。一方、妊娠中および分娩後12週間の静脈血栓症の発症頻度は、それぞれ年間10,000 人あたり5-20 人および40-65人と報告されており、妊娠中や分娩後に比較すると低用量ピルの頻度はかなり低いことがわかっています。」


これは全体の平均ですが,喫煙,高年齢,肥満というハイリスクの人では,どれくらいの確率になるのかが知りたいところです.
また,低妊娠中および分娩後12週間の静脈血栓症の発症確率は低くないので,これについて不安を感じられた方もいるのではないでしょうか.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村ga
by medical-law | 2014-01-07 09:04 | 医療

大阪府の病院で集団感染(報道)

毎日新聞「大阪・院内感染:対応遅れ被害拡大 病院長は会見で謝罪」(2014年1月6日)は,次のとおり報じました.

「大阪府高槻市の「信愛会新生病院」で発覚した多剤耐性緑膿菌(りょくのうきん)(MDRP)による院内感染。11人が死亡する深刻な事態を受け、病院側は謝罪したが、対応の遅れが被害を拡大させた面も否めない。関係機関や専門家から「もっと早く報告を」と対応の不備を指摘する声が上がった。【五十嵐和大】

 「11人の方が亡くなり、大変申し訳ない」。同病院の後藤研三院長は6日午後、記者会見で謝罪し、経緯を説明した。昨年1月に最初の感染者が発生し、6月には4人が感染。その時点で3人が死亡し、7月には「院内感染と認識した」という。後藤院長は「(感染者が)多いな、という印象を持った」と語ったが、対応は近隣の医師会や大阪医科大に相談しただけで、院内の対策も医師に手洗い研修を実施するにとどまった。

 事態を重視しなかった理由について、後藤院長は「複数の感染者が各病棟に分かれ、アウトブレーク(集団感染)であると判断しかねた」と釈明した。

 8月には大阪府公衆衛生研究所に電話で相談。研究所側から「調査を一緒にやりましょうか」と提案を受け、10月に入って同研究所に遺伝子検査を依頼した。病棟のベッドや人工呼吸器などからMDRPが検出されたが、拡大を食い止められなかった。

 結局、高槻市保健所に報告したのは、患者から検出したMDRPの遺伝子型が一致し、科学的に院内感染と確定した後の12月20日だった。

 こうした対応の遅れについて、後藤院長は「厚生労働省が定める報告基準に満たない事案であり、対応に問題ない。結果として多くの方が亡くなったため、自主的に公表した」と説明した。」


謝罪よりむしろ,なぜこのような経過をたどったのかについて調査委員会を設置し解明し,再発防止策を提示することのほうが必要と思います.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村ga
by medical-law | 2014-01-07 08:43 | 医療事故・医療裁判

映画「BOX~袴田事件 命とは~」

無料動画 GyaOのサイトで映画「BOX~袴田事件 命とは~」を見ることができます.

映画は,司法試験トップ合格者で,裁判官となるが,袴田事件を機に裁判官を辞め,波乱(破綻?)の人生を歩んだ熊本典道氏の視点から描いています.
当初,血の付いたパジャマが犯行時の着衣とされていたのですが,パジャマについていたものが血であるという証拠がないことが分かったあとで,裁判中に味噌樽から発見された衣服が袴田氏のものとされ,静岡地方裁判所で有罪とされます.熊本典道氏は,そのときの左陪席でした.
萩原聖人氏が熊本典道氏を好演しています.
判事役は,村野武範氏と保阪尚希氏です.教授役で岸部一徳氏も出演しています.

日本弁護士連合会のサイトには,袴田事件について,以下の解説があります.

「袴田事件事件の概要  
1966年6月30日午前2時、静岡県清水市(現静岡市清水区)の味噌製造会社専務宅が全焼するという火事が発生しました。焼け跡からは、専務(41)の他、妻(38)、次女(17)、長男(14)の4人が刃物でめった刺しにされた死体が発見されました。
警察は、当初から、味噌工場の従業員であり元プロボクサーであった袴田巌氏を犯人であると決めつけて捜査を進めた上、8月17日に袴田氏を逮捕しました。
袴田氏は、当初否認をしていましたが、警察や検察からの連日連夜の厳しい取り調べにより、勾留期間の満了する直前に自白しましたが、その後公判において否認しました。

事件の経緯
警察は、逮捕後連日連夜、猛暑の中で取調べを行い、おまるを取調室に持ち込んでトイレにも行かせない状態にしておいて、袴田氏を自白に追い込みました。袴田氏は9月6日に自白し、9月9日に起訴されましたが、警察の取調べは起訴後にも続き、自白調書は45通にも及びました。なお、弁護人が袴田氏に会った時間はこの間合計でたったの30分程度でした。
袴田氏の自白の内容は、日替わりで変わり、動機についても当初は専務の奥さんとの肉体関係があったための犯行などと述べていましたが、最終的には、金がほしかったための強盗目的の犯行であるということになっていました。
更に、当初から犯行着衣とされていたパジャマについても、公判の中で、静岡県警の行った鑑定があてにならず、実際には血痕が付着していたこと自体が疑わしいことが明らかになってきたところ、事件から1年2か月も経過した後に新たな犯行着衣とされるものが工場の味噌樽の中から発見され、検察が自白とは全く異なる犯行着衣に主張を変更するという事態になりました。
第1審の静岡地方裁判所は、上記のような方法で取得された自白調書のうち44通を無効としながら、1通の検察官調書のみを救済し、更に、5点の衣類についても袴田氏の物であるとの判断をして、袴田氏に有罪を言い渡しました。
この判決は、最高裁でも維持され、袴田氏の死刑が確定しました。

えん罪の疑いが強いこと
袴田氏の45通にのぼる自白調書は、捜査機関のその時点においての捜査状況を反映した捜査機関の思い込みがそのまま作文にされているものです。その自白調書の内容をみるだけで、袴田氏が事件について何らの知識を有さず、無罪であることが如実に伝わってきます。これについては、「自白の心理学」で有名な浜田教授が細かく分析し指摘しているところです。
味噌樽から発見された衣類は、ズボンには血痕の付着していない場所であるのに股引には付着していたり、股引には血痕がついていないのにブリーフには付着していたり(同様のことがシャツと下着にも言えます。)など、犯行着衣と考えると非常に不自然な点が多数あります。また、1年2か月以上も2トンもの味噌につかっていたと考えるには、シャツは依然白く、血液は鮮血色であり、非常に不自然です。これについては、弁護団の実験で、1年2か月も味噌につけられていれば、衣類は焦げ茶色に変色し、血液は黒色に変色することが明らかになっています。更に、ズボンに至っては、袴田氏には小さすぎて、着衣実験では、腿の辺りまでしか上がってきませんでした。」
袴田氏が通ったとされる裏木戸には鍵がかかっており、人が通れる隙間はありませんでした。これについて、捜査機関は、鍵をはずした上で通り抜け実験を行って裁判所に報告していました。すなわち、捜査機関は、袴田氏を有罪にするために虚偽の実験を行っていたのです。」


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村ga
by medical-law | 2014-01-06 07:23 | 趣味

妊娠中のナッツ摂取により児のナッツ・アレルギーが抑制されるか?

CNN「妊娠中のナッツ摂取で子どものアレルギーを抑制? 米研究」(20014年1月1日)は、次のとおり報じました.

「妊婦が毎日ナッツ類を食べると、生まれてくる子どもがナッツ・アレルギーになる確率が低下するとの研究結果がこのほど発表された。

米医学誌JAMAにマイケル・ヤング博士らが報告した。同博士らのチームは、妊娠中に母親がピーナッツや木の実を摂取した量と、子どものアレルギー発生率の関係を調べ、家族のアレルギー歴やほかの食習慣を考慮したうえで分析した。

その結果、1週間に5回以上のペースで最も多くナッツ類を食べた母親のグループは、子どもがナッツ・アレルギーになる確率が最も低いことが分かったという。

従来の研究では、妊娠中のナッツ摂取は子どものアレルギーに影響しないという結果や、逆にアレルギー発生率を高くするとの結果が報告されていた。研究チームは、これらの研究はデータの信頼性が低かったと主張。最近の研究では、子どもが早期にナッツを摂取すればアレルギー発生を抑えられるとの説が有力になっていると指摘する

医学界では今のところ、妊婦や乳幼児のナッツ摂取について正式な指針が定まっていない。米小児科学会はかつて、3歳未満の子どもにナッツを食べさせるのは控えるよう指導していたが、「食べ始めを遅らせるだけの説得力ある証拠がない」として、2008年にこの指針を撤回した。

ヤング博士によると、来年はさらに、乳幼児に与える食べ物とナッツ・アレルギーの関係を調べた研究結果が発表される見通し。それまでの間、判断は妊婦自身や医師に委ねられることになる。

同博士は「われわれが因果関係を提示できるわけではなく、食べ物の摂取について助言する根拠にはならない」としたうえで、チームの見解として「妊婦が子どものアレルギーを予防する目的で食べ物を制限する理由はない」との考えを示した。」


ナッツ・アレルギーは深刻ですので、興味深い報告です、


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村ga
by medical-law | 2014-01-04 05:34 | 医療

岡山大学法科大学院弁護士研修センター,予防法務・戦略法務を担える組織内弁護士育成

山陽新聞「法的リスク対応へ組織内弁護士 クロスカンパニーが採用へ」(2013年12月28日)は,次のとおり報じました.

「岡山大法科大学院の弁護士研修センター(岡山市北区津島中)が紹介した「組織内弁護士」が、アパレルメーカーのクロスカンパニー(同幸町)に採用されることが決まり、28日、同センターが発表した。

 同センターはビジネス、医療・福祉などの先端的な法理論を習得し、企業や自治体、医療機関に所属する弁護士の育成を目的に2012年12月開設された。組織内弁護士は岡山県内では3人目だが、法科大学院が企業と連携して誕生させたのは全国初という。

 発表によると、同社が今春、コンプライアンス(法令順守)強化のためとして同センターに人選を依頼。同大法科大学院修了生で12年9月、司法試験に合格した女性(27)の推薦を受けた。14年1月1日付で採用し、本社法務部で契約書の審査や社外交渉、知的財産管理などを担当する。

 同社は「事業拡大を進める中、多種多様な法的リスクへの対応力が求められる。それらの問題を迅速に解決してくれることを期待する」とコメント。同センター長の吉野夏己弁護士(岡山弁護士会)は「地方では組織内弁護士の需要が依然少なく、これを機に掘り起こしに一層努めたい」と話している。」


岡山大学法科大学院弁護士研修センター(OATC)のセンター長の吉野夏己先生は,OATCについて,次のとおり書いています.

「OATCは、大きく3つの役割を担います。
第1に、新人・若手弁護士の計画的、継続的、かつ実践的な実務研修を実施します。従来の法曹養成は、既存の法律事務所に就職し、「先輩法曹の背中を見る」というOJT(On the Job Training)が中心でしたが、OJTの機能が低下するなか、新たな「継続法曹養成」機関が求められています。アメリカでは、NITA(全米法廷技術研修所)が有名ですが、わが国においては、弁護士会での研修を除き、これに類する教育機関は未だありません。OATCは既存の法律事務所を補完する形で、これを実現します。
第2に、従来の法廷型弁護士ではなく、岡山大学内に付設する合同法律事務所で弁護士実務の経験を積ませ、予防法務・戦略法務を担える人材を養成し、「組織内弁護士」として自治体や病院、企業に派遣し、もって、新規弁護士業務の開拓にも挑戦します。
第3に、OATC自体が、各方面の実務家・専門家とともに先端法分野研究に取り組み、かつ、その成果を弁護士研修に取り入れ(「研修」の方法論も探ります)、もって、「理論」と「実務」の架橋を実現します。」


7年間の公務員経験のある吉野夏己先生は,適任ですね.
なお,岡山大学大学院法務研究科教授・弁護士の吉野夏己先生は,司法研修所で私と同じクラスでした.
当時,組織内の予防法務・戦略法務について語っていました.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-01-02 13:06 | コンプライアンス

初心忘るべからず

初心忘るべからずとは、はじめのころの新鮮な気持ちを忘れないこと、という意味ではありません.
未熟なころのことを忘れないことで、向上した今の状態を認識できる、という意味です.

『花鏡』奥の伝に、「初心不レ可レ忘」には、次の3つの意味がある、と書かれています.、

「是非の初心不レ可レ忘。
時々の初心不レ可レ忘。
老後の初心不レ可レ忘。」


「老後の初心を忘るべからずとは、 命には終りあり、能には果てあるべからず。その時分時分の一體一體を習ひわたりて、又老後の風體に似合事を習は、老後の初心也。老後初心なれば、前能を後心とす。五十有餘よりは、せぬならでは手立なしと云り。せぬならでは手立なきほどの大事を、老後にせん事、初心にてはなしや。」

ベテランになっても、ベテランなりに未熟さがあることを忘れてはいけないのです.
今年もさらなる向上心をもってがんばりたいと思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-01-01 01:07 | 日常