弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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大阪市の病院、患者の体内にガーゼを取り残す

産経新聞「女性の体内にガーゼ残して縫合 大阪市立総合医療センターでミス」(2014年4月29日)は、次のとおり報じました.


「大阪市は28日、市立総合医療センター(都島区)で今年1月に手術を受けた60代の女性の体内にガーゼを取り残すミスがあった、と発表した。

 同センターによると、1月6日、骨盤骨折した女性に骨を固定するプレートを埋め込む手術をした際、30センチ四方のガーゼ1枚を残したまま縫合。今月25日に再び手術を行った際、体内にガーゼが見つかった。女性の健康状態に影響はないという。

 執刀した男性医師と看護師の確認が不十分で、縫合前に行うべき枚数のチェックをしていなかった。同センターは「今回の事故を重く受け止め、再発防止に努めたい」としている。」


ガーゼ遺残事故は、確認を怠らなければ防止できる事故なのですが、なかなかなくなりません.

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by medical-law | 2014-04-30 00:21 | 医療事故・医療裁判

『ルーズヴェルト・ゲーム』vs.『花咲舞が黙っていない』

『ルーズヴェルト・ゲーム』の原作は池井戸潤氏の『ルーズヴェルト・ゲーム』,『花咲舞が黙っていない』の原作は同じく池井戸潤氏の『不祥事』です.

『ルーズヴェルト・ゲーム』は,青島製作所社長に唐沢寿明さん,同専務に江口洋介さんという配役で,『白い巨塔』を彷彿とさせます.『花咲舞が黙っていない』には『白い巨塔』で患者側の代理人弁護士を演じた上川隆也さんが出演しています.『ルーズヴェルト・ゲーム』には,壇れいさんが,『花咲舞が黙っていない』には杏さんが,それぞれ出演しています.

『ルーズヴェルト・ゲーム』は,経営者・管理職が男性ばかりに偏っていて旧弊な印象があり(現代では,製造業でもGEのメアリー・バーラ氏のように女性のCEOがいます.大企業では,女性CEOの平均年収は1400万ドルで男性CEOの平均年収800万ドルを上回っています.日本でも,女性取締役がいる東証一部上場企業の業績はTOPIXを常に上回ると報告されています.),男女でチームを組む臨店の『花咲舞が黙っていない』のほうに好感がもてました.

もっとも,『花咲舞が黙っていない』は,銀行員もので,分かりやすい展開ですが,ストーリーがこじんまりしていて,小さな『半沢直樹』の印象があります.総合的には,香川照之さんなど悪役が充実している『ルーズヴェルト・ゲーム』のほうが,『半沢直樹』の二番煎じにならなければ面白い展開が予想でき,期待がもてると思いました.

初回視聴率は,『ルーズヴェルト・ゲーム』が 14.1%,『花咲舞が黙っていない』が17.2%でしたが,逆転もありそうです.

【追記】

『ルーズヴェルト・ゲーム』は, 顧問弁護士の知財訴訟への対応がリアリティを欠き,第3話で見るのをやめました.『花咲舞が黙っていない』は,まっすぐ正論を述べる姿勢に共感でき,ストーリー展開も面白いです.
視聴率は16.0%で並んだ週もありましたが,逆転はなさそうです.


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by medical-law | 2014-04-29 13:48 | 趣味

大学病院、「カフェイン併用化学療法」の臨床試験が倫理指針違反の疑い

読売新聞「金沢大病院、臨床試験めぐり倫理指針違反か」(2014年4月23日)は、次のとおり報じました.

「金沢大学付属病院(金沢市)は22日、同大医学系研究グループががん患者に対して実施した治療法の臨床試験で、厚生労働省の定める「倫理指針」に違反する可能性のある行為があったと発表した。

 試験期間終了後も、新たな患者に臨床試験を行うなどしたという。

 同大によると、違反行為が疑われているのは、同大医学系機能再建学の土屋弘行教授のグループが実施した骨や筋肉にできたがんの治療法「カフェイン併用化学療法」の臨床試験。

 同大倫理審査委員会で2008年3月~12年3月の期間で承認され、カフェイン剤を抗がん剤と併せて投与し、有効性などを検証していた。だが、グループは試験期間が過ぎた後も約50人の患者に対し、臨床試験を継続。昨年12月に前病院長の富田勝郎氏の指示で中止されたが、公表はしていなかったという。

 また、グループは同委員会の適格基準を満たさない患者にも試験を行ったほか、10年3月に適格基準外で臨床試験を受けていた患者1人が死亡した際、同委員会に報告しなかった。当時、医療事故とは判断されなかったという。

 金沢大で記者会見した並木幹夫・病院長は調査委員会を設け、1~2か月後に中間報告をまとめる意向を示した。」


臨床研究に関する倫理指針(本文)(平成20年厚生労働省告示第415号)(平成21年4月1日より施行) の違反があった場合、 各研究費の交付に係る規則等により研究者等に対して罰則等が課せられることになりすます.


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by medical-law | 2014-04-24 01:39 | コンプライアンス

東京地裁立川支部、薬事法違反(無許可販売)と医師法違反(無資格医業)で執行猶予判決(報道)

「未承認薬を患者らに投与した元助教授に有罪判決」(2014年04月23日)は、次のとおり報じました.

「開発した未承認薬をがん患者らに販売・投与したとして、薬事法違反(無許可販売)と医師法違反(無資格医業)に問われた元杏林大医学部助教授の××××被告(74)に対し、東京地裁立川支部は23日、懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円(求刑・懲役2年、罰金300万円)の判決を言い渡した。
 矢数昌雄裁判官は「悪質だが、患者から頼まれて犯行に及んだ面も否定できない」と述べた。

 判決などによると、高山被告は2011~13年、自身が開発した「カルチノン」をがん治療薬と称し、厚生労働省の承認を得ずにがん患者5人に計約473万円で販売したり、医師の資格なしに患者2人にカルチノンを注射したりした。」

患者はこの被告の虚言を信じ「カルチノン」ががんに効くと思っていたはずで、患者から頼まれて犯行に及んだことをもって刑を軽くするのはどうなのでしょうか.ちなみに、被災地で医師に成りすました事件では被告は実刑判決になっています.

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by medical-law | 2014-04-24 01:22

1回の分娩当たりの掛け金1万6000円へ引き下げ、出産一時金支給額減額か?

NHK「「産科医療補償制度」で掛金を減額へ」(2014年4月21日)は、次のとおり報じました.

「出産時の事故で重い脳性まひになった子どもを対象に補償金が支払われる「産科医療補償制度」について、厚生労働省の医療保険部会は、1回の分べん当たりの掛金を現在の3万円から、1万6000円に減額することを決めました。

「産科医療補償制度」は、出産時に何らかの事故で子どもが重い脳性まひになった場合、3000万円の補償金が支払われるもので、「出産育児一時金」の一部が財源として充てられています。
しかし、実際に脳性まひになり補償の対象になった人の数が、当初の予想を下回ったことなどから、余剰金が800億円に上る見込みで、出産育児一時金を出している健康保険組合の団体などが、1回の分べん当たり3万円となっている掛金の引き下げを求めていました。
このため、21日開かれた厚生労働省の医療保険部会で見直しを検討した結果、対象者を年間最大719人と推計し、余剰金を今後10年間、掛金に充てるとしたうえで、掛金を1万6000円に減額することを決めました。
一方、掛金の減額に伴って出産育児一時金の支給額の見直しも検討されましたが、21日はまとまらず、継続して議論されることになりました。
新しい掛金は、来年1月から導入される予定です。」

社会福祉が充実していない日本の現状では、度の脳性麻痺になった子どものためには、現行の3000万円では明らかに不足です.余剰があるから掛け金を減額するという方向ではなく、補償額を増額する方向で(成人後も支給する方向で)で検討すべきと思います.

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by medical-law | 2014-04-24 00:53 | 医療事故・医療裁判

兵庫県の病院,心電図の警告音72分間気付かず,患者死亡(報道)

サンケイスポーツ「心電図の警告音72分間気付かず 兵庫の病院で77歳男性死亡」(2014年4月23日)は,次のとおり報じました.

「兵庫県洲本市の県立淡路医療センターで昨年11月、心不全で入院していた男性=当時(77)=の心臓の異常を知らせる警告音が鳴っていたのに看護師らが72分間気付かず、意識がないことに気付いてから約3時間後に死亡していたことが23日、県や病院への取材で分かった。

 病院側は、対応の遅れと死亡との因果関係は「不明」としているが、ナースセンターを空ける際の態勢に不備があったとして、遺族に謝罪した。一方で遺族の意向を理由に公表せず、死亡の経緯に不審な点は無かったとして警察に届けていなかった。

 警告音と連動して振動するPHSの配備や、警告の音量を状況に応じて引き上げるなどの再発防止策をとった。

 県や同医療センターによると、男性は昨年11月11日に心不全の治療で入院した。同月16日午前6時19分に看護師が巡回した際に異常は見られなかったが、同38分に心電図の異常を示す警告音が病室と、ナースセンターに流れた。しかし、看護師は3人とも巡回中で、警告音に気付かなかったという。

 午前7時50分に採血で訪れた看護師が、男性の意識がないことに気付いたが、同10時45分に死亡した。

 同医療センターの福田善計総務部長は「再発防止策を講じ、今後はこのようなことがないようにしたい」と話した。(共同)」



ヒヤリハットを含めれば,同様のアラーム事故は少なくないと思います.他の医療機関でも他山の石として,防止策を検討したほうがよいのではないでしょうか.看護師不足が背景にありますので,根本的には患者の安全のために人を増やしてほしいと思います.

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by medical-law | 2014-04-23 16:47 | 医療事故・医療裁判

同一の医師の腹腔鏡下手術で患者3人死亡,千葉県が検証委員会設置(報道)

NHK「千葉県がんセンター手術後3人死亡 県調査へ」(2014年4月22日)は,次のとおり報じました.

「千葉市中央区にある千葉県がんセンターですい臓がんなどの患者3人が、おととしからことしにかけて同じ医師から腹くう鏡を使った手術を受けたあと、まもなく死亡していたことが分かりました。
千葉県は、短期間に3人の患者が死亡したことを重くみて第三者による検証委員会を設けて原因を調べることにしています。

千葉県によりますと、おととし9月と去年1月に千葉市中央区にある千葉県がんセンターの男性医師がすい臓がんの2人の患者に腹くう鏡を使った手術を行ったところ、まもなく患者は死亡したということです。
この2つの手術について病院内で調査委員会が開かれ、去年8月、「必ずしも医療ミスによる死亡事故とは言えない」としたうえで、「新しい手術方法のメリットとデメリットについて患者への説明が十分に行われたという記録がなく、病院内の倫理委員会での合意もなかった」などとする報告書がまとめられたということです。
さらにことし2月、同じ医師から腹くう鏡を使って胆のうなどを切除する手術を受けた患者がまもなく死亡したということです。
千葉県は、短期間に3人の患者が死亡したことを重くみて、第三者による検証委員会を設けて、死亡の原因や手術に問題点がなかったかなどについて詳しい調査を行う方針を明らかにしました。            
千葉県がんセンターの江指純事務局長は「それぞれのケースはすでに病院内で検証しているが、3件続いていることを重く受け止めている。われわれとしても事実を精査してほしいと考えており、第三者による検証に最優先で協力したい」と話しています。」


msn産経「腹腔鏡手術後、死亡3件相次ぐ 千葉県がんセンター 県が検証委設置」(2014年4月22日)は,次のとおり報じました.

「千葉県がんセンター(千葉市中央区仁戸名町)で腹腔鏡下手術を受けた患者が、術後短期間で死亡する例が3例相次いでいたことが22日、分かった。県は同日記者会見を開き、第三者による検証委員会を設置して原因の解明にあたるとしている。

 県病院局経営管理課によると、平成24年9月から26年2月にかけて3人の患者が術後の同日や翌日、2週間後の短期間で亡くなる例が続いた。腹腔鏡下手術は、患者の腹部に小型の内視鏡(カメラ)を入れる高度な技術を要する手術という。

 同課は「事態を重く受け止め、ミスの可能性も含め事実確認を行う」としている。」


さすがに3件続くと疑問を覚えます.第三者の調査で事実を解明していただきたく思います.

医師資格があれば一応何でもできることになっていますが,医師は自己のスキルを自覚し不相応に難易度の高い手術を行ってはいけない,という暗黙のルールはあるのではないでしょうか.手術の禁忌は,その手術を担当する個々の医師のレベルにもよるのではないか,と思います.手術後の死亡は医師が実力相応以上に高度な手術に挑戦した結果であるとは言いませんが,手術が原因で亡くなった場合,医療ミスを疑うご遺族は少なくありません.

【追記】

毎日新聞「腹腔鏡手術:3人死亡の調査結果、遺族説明なく 千葉」(2014年4月23日)は、次のとおり報じました.

「がん手術の県内の拠点で何があったのか。千葉県がんセンター(千葉市)で2012年以降、同一の男性医師による腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者3人が短期間に死亡した問題。県は22日、外部有識者による第三者委員会を設置して原因究明に乗り出すとしたが、センターが実施した「院内医療事故調査委員会」の調査結果すら遺族に説明できていない。準備不足からか、県の「緊急会見」はあいまいな説明に終始した。【岡崎大輔、味澤由妃】

 記者会見した県病院局経営管理課によると、患者3人はいずれも高難度とされる腹腔鏡手術を受けた後に死亡したが、術式については男性医師が所属する消化器外科内の担当医らで協議して決め、実際の手術時には他に2人医師が立ち会っていたという。だが、同課は、男性医師について具体的なキャリアなどは明らかにせず、「ベテラン医師」と述べただけ。医療過誤だったかどうかについても「判断は難しい」として、第三者委に委ねる姿勢を繰り返した。

 死亡1例目の女性(76)=12年9月=と、2例目の男性(57)=13年1月=のケースについては、外部の医師も入れた院内の医療事故調が調査し、報告書を昨年8月にまとめた。同課によると、この報告書は「必ずしも医療ミスによる死亡事故とは言えない」とした上で、「新しい手術方法のメリットとデメリットについて、患者への説明が十分に行われたという記録がなく、院内の倫理委員会での承認もなかった」と問題点も指摘した。だが、こうした調査結果は遺族らに説明されていない。

 報告書は、1例目と2例目の手術が行われた際、新しい術式を採用する際に院内の倫理委に諮るというルールがセンターになかったとも指摘。「今後、腹腔鏡手術を行う際は倫理委の承認は必須」としたが、センターは同手術は既に一般的な術式だとして、3例目の手術についても倫理委の承認は得なかったという。

 そのほか、3例で腹腔鏡手術の保険適用が申請された妥当性についても、県は「(可否は)第三者委に委ねる」と繰り返した。センターの事故調の報告書は1、2例目について「適用外」との趣旨の記載が残されている。」


【追記】

読売新聞「腹腔鏡手術直後の死亡、新たに3人が判明…千葉」(2014年05月7日)は,次のとおり報じました.

「千葉県がんセンター(千葉市中央区)で同じ男性医師による腹腔(ふくくう)鏡手術後にがん患者が相次いで死亡した問題で、県は7日、ほかに3人が同様の手術を受けて2週間以内に死亡していたと発表した。うち2人は、この男性医師が執刀していた。

 県病院局が2008年まで遡って手術後2週間以内の死亡例を調べた。同局によると、今回判明した3人は、10年5月~11年2月に手術を受けた59~82歳の男性。うち2人は男性医師による手術から4~6日後に死亡した。2人について、同センターは当時、内部の対策会議を開いて手術に問題はないと判断していた。県は、今月設置予定の第三者検証委員会で医療ミスがなかったか調べる方針。

 同センターでは08年6月以降、手術から2週間以内に死亡した患者は6人となった。手術後約1~9か月後に死亡した患者も3人おり、計9人となる。うち7人は男性医師が執刀した。」


手技上の問題は,立証が難しいのですが,これだけ死亡件数が集中していると,何かあったのではないか,という疑いが生じます.

【再追記】

読売新聞「県がんセンター9人術後死 本格調査へ」(2014年6月18日)は,次のとおり報じました.

「県がんセンター(千葉市中央区)で腹腔ふくくう鏡手術後にがん患者が相次いで死亡した問題で、県は17日、有識者による第三者検証委員会を設置したと発表した。医師ら7人で構成され、今後会合を開いて医療ミスがなかったかどうかなどを調査する。県は今年度中に報告書の提出を求める方針。また、手術など専門的な調査については、「日本外科学会」に依頼することを明らかにした。

 県病院局によると、同センターでは腹腔鏡手術後、2008年から今年2月までに9人が死亡。このうち、57歳~86歳の男女7人は同一の男性医師による手術を受け、当日~約9か月後に死亡したことが判明している。ほかの2人は、それぞれ別の医師が執刀していた。

 同手術は、体に数か所の小さな穴を開け、カメラなどの器具を入れて行う手術で、開腹手術に比べ体への負担が少なく、患者の回復が早いのが特徴。医療関係者によると、日本では1990年代前半から同手術が行われるようになったという。

 今回の事例は、同センターでは「問題ない」とされたが、県は「腹腔鏡手術後、短期間に複数の患者が亡くなったことを重く受け止めた」とし、検証委を設置した。

 検証委は、県コンプライアンス委員会議会長の真田範行弁護士などで構成し、月1回程度開催する予定。死亡した9人について〈1〉手術における問題の有無〈2〉センター内の意思決定の手続き〈3〉患者への説明の有無〈4〉術後の対応など――を検証する。初会合の時期は未定。

 また、専門的な知見が必要とされる手術に関する調査は、日本外科学会にカルテなどの資料から個々の事案を分析してもらい、その報告をもとに検証委で議論する。

 記者会見した県病院局の高橋功一副病院局長は「県民や患者のみなさんが安心し、納得してもらえるように情報提供していくのが県の責務。そのためにもしっかりと検証してもらいたい」と話した。



 検証委の他の委員は次の通り。

 隈本邦彦・江戸川大教授▽多田羅浩三・日本公衆衛生協会長▽豊田郁子・新葛飾病院医療安全対策室セーフティーマネージャー▽長尾能雅・名古屋大病院副院長▽真島喜幸・県がん患者団体連絡協議会委員▽山下洋一郎・弁護士」


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by medical-law | 2014-04-22 19:28 | 医療事故・医療裁判

新宿区の病院,5年目の研修医が造影剤ウログラフィンを脊髄注射し患者死亡

msn産経「女性研修医が造影剤誤投与、女性患者死亡 医療研究センター」(2014年4月18日)は,次のとおり報じました.

「○○センター(東京都新宿区)は18日、レントゲン撮影時に造影剤の誤投与があり、検査入院していた都内の女性患者(78)が死亡したと発表した。整形外科の女性研修医(29)が本来使用してはいけない薬剤を脊髄に投与、ショック性多臓器不全が起きた。センターは重大な医療事故と判断、警視庁牛込署に届けた。

 センターによると、患者は今月16日、神経が締め付けられ、足に痛みやしびれが出る「腰部脊椎管狭窄症」のために検査入院。同日午後2時ごろ、女性研修医がレントゲンやCT撮影用の造影剤を脊髄注射したところ、約2時間半後に意識を失い、蘇生処置を施したが午後8時すぎに死亡した。

 研修医に聴取したところ、脊髄には本来「イソビスト」と呼ばれる専用の造影剤を使うが、研修医が誤って血管注射用の造影剤「ウログラフィン」を投与していたことが判明。浸透圧が約6倍と高く、神経組織内の水分が抜けるなどして虚脱状態に陥り、全身の機能不全を引き起こしたとみられる。

研修医は卒業後5年目のレジデント(後期研修医)だが、一人で造影剤の脊髄注射を行うのは初めて。「どちらの造影剤も同じだと思っていた」などと話しているという。主治医は外来で現場におらず、投与の際には1年目の若手研修医2人が見学に立ち会っただけだったという。

 ウログラフィンの箱やアンプルには「脊髄造影禁止」と赤字で注意書きがあるが、センターでは「なぜ気付かなかったのかは不明」とし、院内に調査委員会を設置して原因究明を図る。

 院長は「ハイリスク薬の取り扱いの際に行うべき(第三者による)ダブルチェックが機能していなかった」と謝罪。研修医の教育も含め、再発防止を行うと説明した。」

NHK「禁止造影剤を「知らずに投与」患者死亡」(2014年4月18日)は,次のとおり報じました.

「東京・新宿区にある○○病院で、検査のため入院していた78歳の女性が脊髄への投与が禁止されている造影剤を投与されたあと死亡する医療事故がありました。
投与した29歳の医師は、禁止されていると知らなかったという趣旨の説明をしているということで、病院で詳しい経緯を調査しています。

東京・新宿区にある○○病院によりますと、16日、腰などの痛みを訴えて検査のため入院した東京の78歳の女性が脊髄に造影剤を投与されたうえでCT検査を受けたところ、30分後に意識を失い、その3時間半後に死亡したということです。
投与されたのは「ウログラフィン」という主に血管の撮影に使われる造影剤で、脊髄への投与は重篤な副作用を引き起こすおそれがあるため禁止されています。
投与したのは、整形外科に所属する29歳の医師で、「血管に使う造影剤と脊髄に使う造影剤は同じだと思っていた」と説明しているということです。
病院は、女性が造影剤でショック状態を起こして死亡した可能性が高いとみて、家族に謝罪したうえで警察に届けるとともに、調査委員会を立ち上げて詳しい経緯や死因について調べています。
病院長は、「重大な過ちがあったのは明らかで、誠に申し訳なく思います。このようなことが2度と起こらないよう再発防止に取り組みたい」と謝罪しました。」


5年目の研修医でも普通知っているはずと思いますが,この29歳の医師はどうして知らないかったのでしょうか.調査報告を待ちたいと思います.

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by medical-law | 2014-04-19 05:33 | 医療事故・医療裁判

旧兵庫県の病院、全身麻酔による手術後の死亡事故で和解(報道)

神戸新聞「全身麻酔の男性、術後に死亡 兵庫県が3500万円支払いで和解」(2016年2月15日は)、次のとおり報じました.

「旧兵庫県立淡路病院(洲本市、現県立淡路医療センター)で2010年10月、30代の男性患者=淡路市=が全身麻酔による手術後に死亡した医療事故について、県は遺族に3500万円を支払うことで和解が成立したと発表した。
 県によると、男性は全身麻酔を受けて左膝を手術。術後、問いかけへの応答や自発呼吸を確認し、一般病室に移したが、約1時間後に呼吸停止の状態で発見。約20日後、低酸素脳症で死亡した。
 翌年、遺族は「手術後の監視が不十分だった」として、約8200万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴。「術後の監視体制の不備と心肺停止には因果関係がある」との鑑定結果が出ていた。
 県は事故後、全県立病院で行う麻酔についてモニターなどによる一定時間の監視を義務づけている。県は「これ以上、訴訟が長期化すると、遺族と病院職員の双方に負担が大きい」などとしている。」


一般に、医療鍵過誤事件は、注意義務違反(過失)、損害、因果関係の3要件を全部肯定することで請求が認められます.つまり、手術後の監視が不十分であったというミス(注意義務違反)が肯定されるだけでは十分ではなく、そのミスと死亡結果との間に因果関係があることを立証する必要があります.
本件は、因果関係があるという鑑定結果が出ているとのことですので、病院側がそれを尊重し和解するのはある意味当然でしょう.

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by medical-law | 2014-04-16 01:13 | 医療事故・医療裁判

ルイジアナ州の連邦地方裁判所の陪審、アクトスの発がんリスク隠しに60億ドルの支払いを命じる評決

ロイター「糖尿病薬のリスクめぐる米裁判、武田薬に60億ドルの賠償命じる評決」(014年 4月 8日)は、次のとおり報じました.

「武田薬品工業が、糖尿病治療薬「アクトス」に発がんリスクがあることを隠していたとして訴えられた裁判で、米ルイジアナ州の連邦地方裁判所の陪審は、武田薬品に60億ドルの懲罰的損害賠償の支払いを命じる評決を下した。

販売で提携する米イーライ・リリーには30億ドルの懲罰的損害賠償と、補償的賠償として147万5000ドルの支払いを命じた。米原告側弁護士が8日明らかした。

武田薬品は、評決を承服できないとし、可能な法的手段を活用して対抗する方針を示した。

東京株式市場の武田薬品株は、一時8.8%下落し8カ月ぶり安値を付けた。

原告側弁護士のMark Lanier氏は、評決の賠償額が判決に反映されるかどうかは不透明で先行きは楽観できないとの認識を示した。

Lanier氏によると、陪審は、わずか1時間10分で14項目の問題すべてについて被告に責任があると結論づけ、その後45分で巨額の賠償額を決定した。同氏は、判事が被告から迅速な申し立てがなされることを希望しているが、具体的な日程は決まっていないと述べた。

両社あわせた懲罰的賠償額90億ドルは、エクソンモービルが1989年のバルディーズ号原油流出事故でアラスカ州の陪審が科した50億ドルを上回る。エクソンの事件で最高裁判所は2008年、懲罰的賠償額が「過剰」として最終的に5億ドルの支払いを命じた。このように懲罰的賠償額を限定する判例がでている。

アクトスをめぐっては、昨年5月、原告が発がんリスクに関する信頼できる証拠を示していないとして、武田薬品に650万ドルの賠償を命じた評決を判事が無効としている。」


民事陪審と懲罰的損害賠償を認める米国ならではの話ですし、判事が無効とするかもしれませんが、市井の人の普通の感覚を表明する制度があるのはうらやましい限りであります.

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by medical-law | 2014-04-09 01:30 | 医療事故・医療裁判