弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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奥渋谷

司法研修所の寮に入る前は,渋谷区富ヶ谷に住んでいました.おおよそ4分の1世紀も前のことですが...
最近,テレビ等で「奥渋谷」が紹介されるのを見ていると,こんなお洒落をお店ができたのか,と驚かされる一方で,(当時私がお刺身等を購入していた)魚屋さんが100年続いていると4代目が紹介されたりします.
神山,富ヶ谷,代々木八幡は良い街でしたが,さらにいっそう良くなっているようです.


谷直樹


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by medical-law | 2015-11-13 18:44 | 日常

中央大学中長期事業計画「Chuo Vision 2025」を策定

私が中央大学に入ったころ、学生たちは多摩への移転に反対していました.しかし、法学部だけは後楽園キャンパスへ、という提案もごく一部にありました.が、結局、1978年4月、文系4学部(法・経済・商・文)は多摩校地へ移転しました.駿河台キャンパスの跡地には、現在、三井住友海上火災保険株式会社の本社ビルが建っています.売却にあたっては三井不動産の江戸英雄氏の関与があったとの話でした.

歳月が流れ、法学部の都心復帰計画が発表されました.
学校法人中央大学(理事長;深澤武久元最高裁判事)は、創立130周年を機に、今後10年間の「中長期事業計画(Chuo Vision 2025)」を策定しました。
計画は、
1.学部増設による総合大学としての魅力向上
2.二大キャンパス体制の形成
3.グローバル化の推進
が3本柱で、
2の中に、文系学部の一部(法学部)の都心キャンパスへの移転があります.

学生増加で校外にキャンパスを創設した大学が,少子化で都心に回帰し,志願者を増やしていますので,中央大学もその流れになったのでしょう.

ちなみに,校名の「中央」は,穂積陳重氏,増島六一郎氏らが学んだロンドンの法曹院ミドル・テンプル (The Honourable Society of the Middle Temple)からとったという説があります.


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by medical-law | 2015-11-11 01:37 | 日常

第37回医療問題弁護団・研究会全国交流集会

第37回医療問題弁護団・研究会全国交流集会のため,6日から7日に大阪に行ってきました.
1日目の東京の医療問題弁護団は,「治験・臨床研究における被験者保護についての研究」を発表しました.大変優れた研究でした.3藤(加藤弁護士,工藤弁護士,佐藤弁護士)らをはじめ若手団員の活躍が目立ちました.横浜,大阪の弁護士のそれぞれの発表も拝聴しました.

2日目の大島眞一判事のご講演「医療訴訟における因果関係」とその後のシンポジウム(大島眞一判事,大場めぐみ弁護士,鵜飼万真子弁護士,岩本朗弁護士)は,大変興味深い内容でした.

民法は,損害賠償について簡単な条文ををおいているだけで,「過失」「因果関係」「損害」の具体的な内容は損害賠償の類型により異なります.最高裁判決は,証拠が偏在し,知見が乏しい医療訴訟において医療の不確実性を考慮し,適切妥当な解決を導くため医療訴訟の特質に応じた損害賠償法理を創出してきました.
ところが,判事が編集,執筆した本のなかにも,最高裁判決の理解が正確ではない部分もあり,地裁レベルでは,最高裁判決を単に表層的になぞっただけで,甚だしい場合には正反対のものに理解した判決がだされている場合もあります.下級審の裁判官が,「医療水準論」を誤解したり,「因果関係論」の相当程度の用い方を誤ったりした結果(下級審判決)も確定し結構の数が集積しています.
この最高裁判決と下級審判決の乖離は,どうして生じたのか,私には疑問でした.

大島判事のご講演とシンポジウムを聴いて,その疑問を解くヒントをもらえた気がしました.
大島判事は,医療集中部に配属された裁判官は,条文と判例を読んで勉強し1年くらい経つと分かってきた感じになる,というのです.
つまり,医療集中部に配属されたことのない判事,判事補は,医療事件の最高裁判例を深く勉強する機会がありません.医療集中部に配属された判事,判事補であっても,最高裁判決について調査官解説等を読んで1つ1つ深く勉強する時間が与えられるのではないようです.
最高裁判決の表層的理解が一人歩きをし,最高裁判決の真意が地裁の裁判官に浸透しない大きな理由は,地裁裁判官が直接最高裁判決にあたって勉強することが少ないためではないか,と思いました.
弁護士は,同じ種類の事件を取り扱い,最高裁判決について1つ1つ丁寧に深く勉強していますが,裁判官は,転任が多く,民事,家事,労働,刑事,行政,知財まで幅広く取り扱うのですから,証拠が偏在し乏しい医療訴訟において適切妥当な解決を導くため医療訴訟の特質に応じ最高裁が創出した考え方を下級審に浸透させていくために,弁護士は何をすべきか,ヒントをもらった気がしました.

高橋智弁護士,石川寛俊弁護士,安原幸彦弁護士の会場発言にも共感しました.

その後,近鉄百貨店地下の「福寿堂秀信」でお土産を買い,地元の中高年のご婦人で賑やかな「美々卯」の片隅で昼食を食べ割引券をもらい,16階のあべのハルカス美術館で「フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」を見ました.多色刷りで大きなものに発展した浮世絵の歴史を概観できました.上方浮世絵というものがあることを知りました.


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by medical-law | 2015-11-08 23:41 | 医療事故・医療裁判

佐賀県の病院,胆嚢摘出手術のミスで2700万円和解,水頭症シャント手術のミスで1100万円和解

佐賀新聞「伊万里有田共立病院 医療ミス手術で2件」(2015年11月3日)は,次のとおり報じました.

「伊万里有田共立病院(西松浦郡有田町)で昨年3月、胆のう摘出手術を受けていた伊万里市内の80代男性が止血困難な状態になり、3日後に死亡していたことが2日分かった。病院側は医療ミスを認め、遺族に慰謝料約2700万円を支払うことで和解が成立している。
 男性は胆のう結石のため同年2月末に入院。腹腔(ふくくう)鏡手術で胆のうを摘出する際、胆管の血管を損傷、大量出血したため開腹手術に切り替え止血した。執刀した男性医師はこれまでにも同種の手術経験があったという。病院側は「ご高齢でもあり、大量出血が体力を消耗させ、死亡につながった」と説明している。

 同病院ではこのほか、2012年4月に水頭症の手術で、頭部にたまった水分を管で体内に流す処置を受けた伊万里市内の80代男性の小腸を傷つける医療ミスも発生。男性は髄膜炎を発症し、約1年半にわたる入院生活を余儀なくされた。男性は現在退院している。病院側は男性に慰謝料約1100万円を支払うことで和解している。」


いずれも私が担当したものではありませんが,上記報道で判断する限り典型的な手技ミスの自案のようです.一般に手術の合併症という説明がなされることがありますが,通常の医師が回避可能なものは注意義務違反が認められ責任を負うべき事案であることが多いです.


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by medical-law | 2015-11-04 01:29 | 医療事故・医療裁判

中央社会保険医療協議会,ニコチン依存症の20代も治療を受けやすくすることを検討

朝日新聞「ニコチン依存症、若者の治療も保険適用に? 検討始まる」(2015年11月 2日)は,次のとおり報じました.

「たばこのニコチンが切れるとイライラしてたばこを吸いたくなる「ニコチン依存症」の治療をめぐり、公的医療保険が適用されていない20代の患者も保険の対象に含める検討が始まった。厚生労働省は将来の医療費削減につながるとして、対象に含めることを提案。負担が増える保険の支払い側は反対している。

 ニコチン依存症は「吸うつもりよりずっと多くたばこを吸ってしまったことがあるか」といった10の質問のうち、五つにあてはまると依存症と診断される。

 2006年度から保険で診療を受けられるようになったが、対象は1日の喫煙本数と喫煙年数をかけた指標が200以上の患者に限られている。1日40本吸う人でも5年以上たたないと保険が適用されない計算で、厚労省によると20代の依存症患者の約8割が対象外だという。保険適用なら患者の自己負担は原則3割になる。

 厚労省は10月21日の中央社会保険医療協議会(中医協)=厚労相の諮問機関=で、この指標を緩めてすることを提案。日本医師会の中川俊男副会長も「意志の強くない人もたくさんいる。将来の医療費削減を考えれば、むしろ推奨すべきだ」と後押しした。

 一方、大企業の会社員らが入る健康保険組合代表の委員は「自己責任で禁煙する人もたくさんいる。保険財政が厳しいときに、何でこんなものに保険を使うのか」と反発。医療保険は予防接種や健康診断といった予防行為には原則として適用されない。若年層の依存症治療は予防目的だという主張だ。

 中医協は、診療行為の公定価格である診療報酬の来年度に向けた改定論議の中で協議。来年2月までには結論が出る見込みだ。

 厚労省の11年度の調査では、20代の喫煙率は男性が36・3%、女性が12・7%で、それぞれ全体の32・2%、8・2%より高い。喫煙者の約7割がニコチン依存症という調査もあり、11年時点の総務省の人口推計から試算すると、20代の患者は男性が約176万人、女性が約59万人になる。(小泉浩樹)」


重症化してから治療するより,軽症のうちに治療を開始したほうが治療効果が高いので,要件緩和が実現することを期待します.

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by medical-law | 2015-11-02 23:44 | タバコ

大分地裁平成27年10月29日判決,治療方法の選定や退院後の経過観察について病院の過失を認める

朝日新聞「治療後に死亡、大分県立病院の過失を一部を認定」(2015年10月3 1日)は,次のとおり報じました.
 
「大分県立病院(大分市)で肝がんの治療後に死亡した男性(当時62)の遺族が、県に約6200万円の損害賠償を求めた訴訟で、大分地裁の竹内浩史裁判長は29日、治療方法の選定や退院後の経過観察について病院の過失を一部認め、県に慰謝料など計1700万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2008年に肝がんを焼く手術を数回受けたが、がんが再発し、09年に死亡した。

 判決は、初期の治療法には合理性を認めたものの、その後の治療について「他の治療法の適否を慎重に吟味すべきだった」として、病院の過失を一部認めた。術後の経過観察でも、腫瘍(しゅよう)マーカーの値が急上昇していたのに、検査など適切な対処をしなかったと指摘。その上で、病院の過失がなければ男性が延命した可能性があると認定した。

 同病院は「判決内容を十分検討し、今後の対応を考えたい」とコメントした。(鈴木春香)」


本件は,私が担当したものではないので,推論になりますが,肝細胞がんは,適切な治療法が確立し,治療法の有効性も証明されていますので,適切な治療が行われなかった場合の延命可能性の認定も比較的容易にできるようになってきています.この事案で腫瘍マーカーの値が急上昇していたときに検査など適切な対処をしていれば延命した可能性があるという認定につながったのだと思います.


毎日新聞「医師注意義務違反:県立病院過失で1700万円賠償命令 地裁判決 /大分」(2015年11月3日)は,次のとおり報じました.

「判決によると、男性は2008年9月多発性肝細胞がんと診断を受け、同10月に県立病院に入院。RFA(ラジオ波で腫瘍を死滅させる治療法)を受けたが入退院を繰り返し、09年7月に亡くなった。
 竹内裁判長は位置の特定が困難だった腫瘍に対して行ったRFAが「有効かつ適切なものであったか疑問。安易にRFAを継続し、適切な検査や治療方法を選択・実施する注意義務に違反した」と指摘。さらにその後の経過観察にも過失を認めた。【佐野格】」

ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation)の継続と経過観察の過失(腫瘍マーカー上昇時の対応の遅れ)をとったのでしょう.


谷直樹


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by medical-law | 2015-11-01 23:19 | 医療事故・医療裁判