弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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市立池田病院,CT画像診断の誤りで重症の膵炎患者死亡5000万円で和解へ(報道)

読売新聞「膵炎の症状診断誤り患者が死亡…市立池田病院」(2018年8月31日)は,次のとおり報じました.

「大阪府池田市の市立池田病院は30日、2016年3月に入院した女性(当時67歳)について、急性膵炎の症状の診断を誤り、入院から6日後に死亡したと発表した。CT(コンピューター断層撮影法)の画像診断を若手の医師1人で担当し、重症と判定できず、適切な治療が遅れたためという。
 市側は遺族に5000万円を支払って和解する方針。

 病院によると、女性は16年3月17日、閉塞性黄だんの疑いで入院し、手術後に急性膵炎を発症。翌18日、CT画像では重症の膵炎と判定すべき状態だったが、担当した医師が見落とした。
 この医師は、消化器内科の専門医になるために経験を積む後期研修医と呼ばれる立場だった。
 また同19日には別の放射線科の医師が重症と判定していたが、担当の医師に報告する仕組みがなく、女性は3月23日、転院先の病院で多臓器不全で死亡した。

 池田病院は、CT画像の判定は2人の医師で行うべきだったなどとして内部の体制に問題があったと判断。「命を失う結果となり大変申し訳ない」と謝罪した。」


報道の件は私が担当したものではありません.
CT画像の精度があがっていますので,診断能力と医師の連携体制が整っていれば救命できた事案でしょう.
谷直樹

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by medical-law | 2018-08-31 12:39 | 医療事故・医療裁判

《築地明石町》

今日は,「西の松園,東の清方」と称された,鏑木(かぶらき)清方氏の誕生日です.
代表作に《築地明石町》があります.

居留地なる異人館の垣に絡みて
まだ咲き誇る蕣のいと小さき花をつけたり


明石町は, 明治2年に築地居留地が設けられたところです.今も宣教師が開いた聖路加(るか)国際病院があり,なごりが感じられます.
《築地明石町》は,そのおしゃれな街の最先端の女性を描いた完璧に美しい風俗画です.素足は明治後期にはおしゃれとされていたそうです.地味な着物に派手な鼻緒もおしゃれだったのでしょう.季節は鏑木清方氏が得意な初秋です.

また,一葉の『たけくらべ』は龍華寺の信如と大黒屋の美登利の物語ですが,美登利は鏑木清方氏の画以外のイメージが思い浮かびません.

明日9月1日から,鎌倉雪ノ下の鏑木清方記念美術館で,企画展「色づく秋、色めく秋-清方の美」が開催されます.《桜もみぢ》《虫の音》などを見ることができます.
もう秋ですね.

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-31 09:00 | 趣味

日本医療安全調査機構の運営委員会

日本医療安全調査機構の運営委員会が,2018年9月6日(木曜日)10:30~12:30,世界貿易センタービル3階会議室RoomB1で開かれます.事前申込みの方法で傍聴できます.

1 開催日時  平成30年9月6日(木) 10時30分から12時30分まで
         ※特定の事例に係る内容については非公開とさせていただきます。
2 開催場所  世界貿易センタービル3階 会議室RoomB1(JR 浜松町駅直結)
3 議題    ○医療事故調査制度の現況報告等について
         ○その他

(お問い合わせ先)
 一般社団法人 日本医療安全調査機構 事務局
 TEL:03-5401-3021
 FAX:03-5401-3022
 E-mail:soumu.anzen@medsafe.or.jp



谷直樹

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by medical-law | 2018-08-31 06:57 | 医療事故・医療裁判

北九州市立病院、放射線医師の画像診断報告書を糖尿病内科が読まず、肺がんの治療が約11ヶ月遅れ亡くなった事案、2000万円で示談(報道)

毎日新聞北九州・市立病院 精密検査の確認怠り、肺がんで死亡(2018年8月30日)は、次のとおり報じました.

「北九州市は30日、市立医療センター(小倉北区)の医師が2015年、60代の男性患者のコンピューター断層撮影(CT)の画像診断報告書を確認せずに肺がんを見落とし、約1年半後に患者が死亡していたことを明らかにした。医師はその後、退職した。市は治療の遅れによる死亡の可能性を認め、遺族に示談金2000万円を支払う。

 市によると、患者の男性は15年4月に糖尿病治療のため糖尿病内科を受診し、胸のエックス線検査で右肺に腫瘤(しゅりゅう)の影らしきものが見つかった。さらにCT検査でも右肺に腫瘤の影が認められたため、放射線医師がさらなる精密検査を求める画像診断報告書を電子カルテ上に作成したが、糖尿病内科の50代の男性医師は確認を怠った。

 男性はその後も食事がとれない、足が上がらないなどの症状がみられ、16年3月に改めてCT検査をし、右肺に腫瘤の影が確認された。糖尿病内科の医師はその場で報告書の確認を怠ったことを認め患者に謝罪した。

 その後の精密検査で男性は肺がんと判明し、16年10月に死亡。遺族との示談交渉の結果、今年7月に和解に合意した。【下原知広】」


産経新聞「北九州市立病院が肺がん見落とし、1年半後に男性死亡」(2018年8月30日)は、次のとおり報じました.

「北九州市は30日、市立医療センター(同市小倉北区)の糖尿病内科の医師が平成27(2015)年5月、コンピューター断層撮影装置(CT)検査の画像診断報告書を確認せず60代男性の肺がんを見落とし、治療が遅れたと明らかにした。男性は検査から約1年半後に死亡。医師は「糖尿病の症状が回復し、肺がんの可能性にまで気が回らなかった」と説明、既に退職した。

 市によると、男性は27年4月に糖尿病内科を受診。胸部エックス線検査をした結果、右肺に腫瘤の影が写っていたため、CT検査をした。放射線医が「腫瘤が悪性か判断するための精密検査を求める」との趣旨の意見を付けた画像診断報告書を電子カルテ上に作成したが、50代の男性主治医は確認しなかった。

 患者はその後も病院に通ったが、食事が取れなかったりせきが出たりするなど体調を崩し、28年3月、同科が再びCT検査を実施し、改めて腫瘤の影を確認。その後の精密検査で他の臓器に転移したステージ4の肺がんであることが分かった。男性は同年10月に小細胞肺がんで死亡した。

市は「治療の遅れにより死亡した可能性も否定できない」との見解を示し、今年7月、2千万円の示談金を支払う和解内容で遺族側と合意した。

 病院側は再発防止策として、29年4月から電子カルテに未読の画像診断報告書を自動的に表示するシステムを導入した。」


報道の件は私が担当したものではありません.
以前,私が担当した事件でも,糖尿病の検査入院のために撮影した画像検査を見ずに肺癌治療が遅れ亡くなった事案(示談で終了)がありましたから,このようなケースは少なくないのでしょう.
上記報道の件は,2016年3月CT検査で右肺に腫瘤の影を確認して治療を行ったが2016年10月小細胞肺がんで死亡した事案ですから,もし2015年4月に精密検査を行い治療を開始していれば,結果はだいぶ違っていたでしょう.
朝日新聞によれば,主治医は「糖尿病が良くなっていて,報告書の確認を失念した」と説明しているとのことです.
この病院では2017年4月から電子カルテに未読の画像診断報告書を自動的に表示するシステムを導入したとのことですが,現在でもそのようなシステムを導入していない病院では同様の故が起こり得ます.

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-31 06:41 | 医療事故・医療裁判

司法研修所,「養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究」

簡易査定方式と新算定方式の対立があるなか,司法研修所が「養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究」を先月から始めたそうです.

産経新聞「養育費算定、見直し検討 社会情勢の変化考慮 最高裁司法研修所」に棚村政行教授(家族法)の話が載っています.

「司法研修所の報告がまとまれば、現場に一定の指針を与え、混乱を回避することができる。日本の養育費は諸外国に比べても、最低生活費を保障していない。諸外国のように、裁判所だけでなく厚生労働省、財務省など関係機関が連携しながら、定期的な改訂が必要だ。併せて、養育費を確実に取り立てる方法についても議論されるべきだ」

このように離婚事件をめぐる状況も日々進化していますので,離婚事件を専門的に取り扱っている弁護士に相談するほうがよいと思います.私は,医療過誤事件以外は受任せず,離婚事件の相談があったときは内容を聞かずに離婚事件の専門的に行っている法律事務所の信頼できる弁護士を紹介しています.

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-29 22:12 | 司法

裁判所の障がい者雇用はほぼ半数が水増しだった

毎日新聞「障害者雇用 裁判所でも水増し 300人超の見通し」(2018年8月29日)は,次のとおり報じました.

 「中央省庁による障害者雇用の不適切な水増し問題で、最高裁が全国の裁判所で障害者の雇用状況を調べたところ、行政機関と同様に不適切な算入があったことが関係者への取材で明らかになった。水増しは300人超に上る見通しという。最高裁は29日までに調査結果を厚生労働省に報告した。

 厚労省によると、2017年の全国の地裁や高裁、家裁などでの障害者雇用数は641人で、法定雇用率(2.3%)を上回る2.58%とされていた。しかし、実際には法定雇用率を大幅に下回っていたとみられる。報告を受けた厚労省が今後、数字を精査した上で正式に公表する見通し。【伊藤直孝】」



裁判所の障がい者に対する偏見が根強いことを感じます.

私が中学生の頃,障がい者の理髪店に好んで行っていました.腕も良く,よけいな話をしてこないので,気に入っていました.混んでいないのも気に入った理由の1つでしたが,今思えば偏見のために客が少なかったのかもしれません.


谷直樹

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by medical-law | 2018-08-29 21:56 | 司法

日本医療政策機構「2018年 日本の医療に関する調査」, 喫煙可の飲食店 約6割が入店避ける,電気加熱式たばこ 約4割が健康影響に懸念

日本医療政策機構(HGPI)は,8月28日に「2018年 日本の医療に関する調査」(速報版)を発表しました.

「あなたは、行こうとしたお店が喫煙可 (分煙を含まない)だったら、入るのを避けると思いますか」という質問に, 58.1%の人が「そう思う」と回答しました.
「分煙」の店については,28.1%の人が入るのを避けると答え,「禁煙」の店については15.1%の人が入るのを避けると答えました.
「喫煙可」「分煙」の飲食店の経営者に知ってもらいたい数字です.




谷直樹

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by medical-law | 2018-08-29 08:19 | タバコ

岐阜市の病院で患者4名死亡し,業過致死の疑いで家宅捜索(報道)

中日新聞「岐阜の病院でエアコン故障?4人死亡 業過致死の疑いで県警捜査」(2018年8月28日)は,次のとおり報じました.

「岐阜市一番町の「Y&M藤掛第一病院」で26日夜から27日午前にかけ、高齢の入院患者4人が相次いで死亡していたことが、岐阜県警への取材で分かった。当時、施設のエアコンが故障していたとの情報もあり、県警が熱中症の影響などを含め、業務上過失致死の疑いを視野に捜査を始めた。

 捜査関係者によると、4人は県内外の83~85歳の男女各2人。施設の3階と4階の部屋に入院し、26日午後8時40分ごろから27日午前11時40分ごろにかけて、死亡したとみられる。

 27日午後8時半、関係者から「病院で4人が亡くなった。熱中症の疑いがある」と県警に通報があった。この時点で病院側から正式な連絡はなく、その後に病院側は「エアコンの修理を依頼していた」との趣旨を説明したという。

 4人はいずれも目立った外傷はなく、県警は司法解剖を検討して死因の特定を進める。」

 ホームページなどによると、この病院は老人医療が専門で療養病床は119床。診療科は内科。市中心部の東柳ケ瀬の近くにある。

 岐阜市では26日、午後2時半ごろに最高気温が36・2度となり、深夜から翌日未明にかけても30度近い状態が続いていた。

 病院の藤掛陽生院長は取材に「警察に協力して調べていただいている段階なので、コメントは差し控えたい」と話した。




TBS「入院患者4人が熱中症の疑いで死亡、警察が家宅捜索」(2018年8月28日)は,次のとおり報じました.

 「岐阜市内の病院で26日から27日にかけて、入院患者4人が熱中症の疑いで相次いで死亡し、警察は病院側に過失があるとみて家宅捜索に入りました。

 岐阜県警の家宅捜索を受けているのは、岐阜市1番町の「Y&M 藤掛第一病院」です。警察によりますと、3階と4階に入院していた83歳から85歳の男女あわせて4人が、26日午後9時前から27日正午頃までに熱中症の疑いで死亡しました。

 岐阜市では27日まで最高気温36度を超える猛暑日が続きましたが、病院によりますと、今月20日の段階でエアコンが故障していたということです。

 「今月20日、すぐに依頼しました。業者が『1か月かかります』ということで、修理ができていない状態。扇風機を9台出しました」(Y&M藤掛第一病院 藤掛陽生院長)

Q.病院としてはエアコンの故障=死亡とは考えていない?

 「元の病が非常におそろしい病気なので・・・」(Y&M藤掛第一病院 藤掛陽生院長)

 警察は業務上過失致死の疑いで捜査していますが、殺人の疑いでも捜索令状をとり詳しく調べています。(28日20:24)」


岐阜の夏は非常に暑いです.
死亡原因が特定されないと何とも言えませんが,殺人の疑いとは!

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-28 23:09 | 医療事故・医療裁判

患者が不適切な身体拘束による肺血栓塞栓症で死亡したとして,石川県内の精神科病院が提訴される(報道)


朝日新聞「不適切な身体拘束され死亡」 遺族、精神科病院を提訴」(2018年8月27日)は,次のとおり報じました.

「石川県野々市市の精神科病院に入院していた県内の大工の男性(当時40)が肺血栓塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)で死亡したのは不適切な身体拘束が原因として、男性の両親が病院を経営する社会福祉法人を相手取り、約8630万円の損害賠償を求めて27日に金沢地裁に提訴した。

 死亡したのは大畠一也さん。訴状などによると、大畠さんは25歳のころに統合失調症と診断され、2016年12月6日に入院した。同月14日から手足などの身体拘束が始まり、同月20日に自力でトイレに行った後、死亡したという。

 両親は当初、病院側から死因は心不全と説明を受けたが、司法解剖の結果、エコノミークラス症候群と判明したという。身体拘束の開始時に切迫した事情が存在していなかったなど、精神保健福祉法などが定める要件を満たしておらず、エコノミークラス症候群を発症させない注意義務も怠った、などと主張している。

 金沢市内で27日にあった記者会見で、大畠さんの父正晴さん(67)は「親として大事な命を守ってやれなかったことが悔しくてならない。こういうことは息子で最後にして欲しい」と話した。病院側は「まだ訴状が届いておらず、内容についてはコメントできない」としている。(浅沼愛)」


報道の件は私が担当したものではありません.
医療過誤裁判では,原告に,過失,因果関係,損害の主張立証が求められます.
身体拘束を行った医療者に,患者が肺血栓塞栓症を発症することの予見可能性があったこと,回避義務があったことの立証が問題になるでしょう.
注目したいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-28 21:33

山形県立中央病院の誤診により乳房を切除された女性が山形県を提訴(報道)

産経新聞「検体取り違え、乳がんと誤診 乳房切除された40代女性が提訴 山形県立中央病院」(2018年8月24日)は次のとおり報じました.

「山形県立中央病院(山形市)で、良性腫瘍を検体の取り違えで乳がんと誤診され、乳房を切除されたとして、同県酒田市の40代の女性が28日までに、県に約1500万円の損害賠償を求める訴えを山形地裁に起こした。

 訴状によると、女性は平成28年6月、右の乳房にしこりを感じ、同病院を受診した。乳がんと診断され、同8月に乳房の一部を切除。しかし手術後、病院が同時期に検査をした80代の女性と検体を取り違えており、実際は良性の腫瘍だったことが判明した。

 女性は右肩の痛みが残ったほか、乳房の機能や胸の美しさを失い、精神的苦痛を負ったと主張。県側から慰謝料の提示があったが、金額が折り合わず提訴した。」


報道の県は私が担当したものではありません.
後遺症等級は,労働能力喪失に重点を置いていますので,報道の件のように労働能力喪失に関係しない場合の等級,損害賠償基準は明確な基準がありません.
和解例はいくつかあります.例えば,高砂市民病院の同様の医療過誤では,約620万円で裁判上の和解が成立しています.
裁判例が少ないので,勝手ながら,本件は高額の裁判例を残し,後の基準となるよう期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-28 19:24 | 医療事故・医療裁判