弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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厚労省職員、20年4月には禁煙勤務中は完全禁煙へ

朝日新聞「厚労省職員、勤務中は完全禁煙へ 喫煙所廃止は3年後」(2019年6月27日)は,次のとおり報じました.

 
「根本匠厚生労働相は27日、7月から厚労省職員の勤務時間中の禁煙を段階的に進め、来年4月に完全禁煙にする方針を明らかにした。同省にある屋外喫煙所についても、2022年4月の廃止を目指すとした。
広がる喫煙者不採用 きっかけは「生きたかった」の言葉
 同省によると、7月からまず月1回、昼休みや残業時間を除いて勤務時間中は禁煙にする。その後、段階的に頻度を増やし、20年4月には完全禁煙にする。あわせて、省内の診療所に設けられている職員向けの禁煙外来の受け入れ人数も増やし、禁煙を促す。
 多くの人が使う施設での喫煙を規制する改正健康増進法が来月1日に一部施行されると、行政機関、病院、学校は原則敷地内は禁煙となる。ただ、受動喫煙が起きない屋外の決められた場所では喫煙所をつくることが認められている。同省が入る合同庁舎にも屋外に1カ所喫煙所が設けられている。同省本庁の職員約5千人のうち、1割超が喫煙者という。(土肥修一)」




まだ喫煙者が1割もいるのですね.
できるだけ早い卒煙を期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2019-06-29 17:59 | タバコ

医師法違反の疑いで再逮捕(報道)


共同通信「医師装いメス使った疑い、千葉 男再逮捕、介護施設で勤務」(2019年6月27日)は次のとおり報じました.
「医師の資格がないのに、施設長として勤務していた千葉県佐倉市の介護老人保健施設で床ずれをメスで切除するなどの医療行為をしたとして、県警は27日、医師法違反の疑いで同県×××市、無職●●●●容疑者(54)=保健師助産師看護師法違反などの罪で起訴=を再逮捕した。

 県警は今月6日、保健師助産師看護師法違反などの疑いで逮捕した。十数年前から医師や看護師の偽造免許証を使って県内、東京都内の病院や介護施設で勤務し、独学の医療知識を悪用していたとみて裏付けを進める。」


上記は私が担当した事件ではありません.
以前,偽医師事件を被告に民事の損害賠償を求めた事件を担当したことがありますが,医師資格のない者の医療行為は非常に危険なので,事実とすれば厳正な処分が必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2019-06-28 06:29 | 医療

医療事故の再発防止に向けた提言第9号「入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に係る死亡事例の分析」

医療事故調査・支援センター は,2019年6月,医療事故の再発防止に向けた提言第9号「入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に係る死亡事例の分析」 を公表しました.
以下の提言は当然の内容ですが,実際には徹底していないのでこのような提言になったのでしょう.


【転倒・転落後の診断と対応】
転倒・転落による頭部打撲(疑いも含む)の場合は、受傷直前の意識状態と比べ、明らかな異常を認めなくても、頭部CT撮影を推奨する。急速に症状が悪化し、致命的な状態になる可能性があるため、意識レベルや麻痺、瞳孔所見などの神経学的所見を観察する。頭部打撲が明らかでなくても抗凝固薬・抗血小板薬を内服している患者が転倒・転落した場合は、頭蓋内出血が生じている可能性があることを認識する。初回CTで頭蓋内に何らかの出血の所見が認められる場合には、急速に増大する危険性があるため、予め時間を決めて(数時間後に)再度、頭部CTを撮影することも考慮する。頭部CT上、出血などの異常所見があれば、脳神経外科医師の管理下に迅速に手術ができる体制で診療を行う。常勤の脳神経外科医師がいない病院や時間帯では、迅速に対応できるよう脳神経外科手術が可能な病院へ転送できる体制を平時から構築しておく。

【転倒・転落時に頭部への衝撃を和らげるための方法】
ベッド柵を乗り越える危険性がある患者に対して、ベッドからの転落による頭部外傷を予防するため、衝撃吸収マット、低床ベッドの活用を検討する。また、転倒・転落リスクの高い患者に対しては、患者・家族同意のうえ、保護帽の使用を検討する。

【転倒・転落リスク】
転倒・転落歴は、転倒・転落リスクの中でも重要なリスク要因と認識する。また、認知機能低下・せん妄、向精神薬の内服、頻尿・夜間排泄行動も転倒・転落リスクとなる。転倒・転落リスクの高い患者への、ベンゾジアゼピン(BZ)系薬剤をはじめとする向精神薬の使用は慎重に行う。

【情報共有】
入院や転棟による環境の変化、治療による患者の状態の変化時は、転倒・転落が発生する危険が高まることもあるため、病棟間や他部門間、各勤務帯で患者の情報を共有する。

【転倒・転落予防に向けた多職種の取り組み】
転倒・転落リスクが高い患者に対するアセスメントや予防対策は、医師や看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士などを含めた多職種で連携して立案・実施できる体制を整備する。



谷直樹

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by medical-law | 2019-06-26 10:42 | 医療事故・医療裁判

日本禁煙学会らが厚労省に禁煙外来がより効果を上げられるようニコチン依存症管理料の改訂を要望

一般社団法人日本禁煙学会,公益財団法人健康・体力づくり事業財団,公益財団法人結核予防会および公益財団法人日本対がん協会は,2019年6月20日,厚生労働省にニコチン依存症管理料の改訂を要望しました.

「禁煙外来がより効果を上げられますよう、以下の改定をお願い申し上げます。

(1)ニコチン依存症管理料の算定要件は初回算定日より1年経過後になっていますが、これを半年経過後に算定が可能にしていただきたく存じます。

(2)途中で脱落する理由としては、投与総ニコチン量が足りないことが多く、離脱症状を抑えられないので、チャンピックスとニコチン製剤とのコンビネーション治療をお認めいただきたく思います。禁煙外来のスケジュールも、もう少しフレキシブルにして、脱落を防止できるようにしていただきたく、お願い申し上げます。

(3)医療機関は7月から、敷地内禁煙(屋外に喫煙場所(=特定屋外喫煙場所)設置可)となり、兵庫県は条例で喫煙所設置不可、大阪府と山形県は努力規定で不可なので、禁煙治療の保険適用要件の敷地内禁煙がより多くの医療機関で実現します。「A200総合入院体制加算」など診療報酬には様々の加算がありますが、これを法に合わせ、整合性を持たせるようお願いします。」


谷直樹

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by medical-law | 2019-06-24 07:39 | タバコ

6カ月の乳児点滴漏れにより皮膚壊死(報道)

神戸新聞「 生後6カ月の乳児に点滴漏れ 足の甲の皮膚壊死 兵庫県立こども病院」(2019年6月19日)は次のとおり報じました.

「兵庫県病院局は19日、県立こども病院(神戸市中央区)で生後6カ月の乳児に点滴中、点滴液が体内などに漏れて足の甲の皮膚が壊死する医療事故があったと発表した。太ももの皮膚を移植したが、今後、指の変形や知覚が弱まる可能性などがあるという。

 乳児は男児で、のどにできた嚢胞を摘出するため4月3日に入院。手術後の同5日早朝、右足の甲から細胞外液補充液の投与を受けたが、看護師が同日夜、男児の足に腫れやただれなどがあるのを発見した。

 足の甲の皮膚の大部分が壊死し、現在は経過観察中という。同病院は点滴の際、1時間ごとに安全チェックをするよう規定。担当の看護師2人は点滴の投与量などは確認していたが、針の刺入部分はガーゼを取り換えてから約5時間、確認していなかったという。

 同病院局は「点滴漏れの原因は不明だが、十分な観察ができていなかった。刺入部は見えにくいガーゼではなく、透明フィルム剤を使用するなどし確認しやすい方法に改善する」としている。(前川茂之)」


報道の件は私が担当したものではありません.
点滴漏れによる壊死はとときどき起きています.
ほとんど全ての例が看護師が点滴漏れの危険に鈍感になっていて見ていないことが原因です.

谷直樹

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by medical-law | 2019-06-24 07:13 | 医療事故・医療裁判

福岡地裁令和元年6月21日判決,脳腫瘍の疑いの記載を見落とした事案約1億5700万円支払い命令

毎日新聞「医療ミスで九大病院に1.5億円支払い命令 福岡地裁判決」(2019年6月21日)は次のとおり報じました.

「九州大病院(福岡市東区)で、脳腫瘍の疑いが検査で指摘されていたにもかかわらず、医師が見落として後遺障害を負ったとして、福岡県の30代女性が同病院に慰謝料など約1億9700万円を求めた訴訟の判決が21日、福岡地裁(波多江真史裁判長)であった。波多江裁判長は、見落としと後遺障害との因果関係を認め、同病院に約1億5700万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2006年8月に食欲不振などを訴えて同病院心療内科を受診。同年10月に入院し、頭部CT検査を受けた。検査で1・6センチの脳腫瘍の疑いが確認され、放射線科の医師が報告書に書き込んだが、心療内科の医師が見落としていた。

 11年11月に自宅で転倒し、同病院の検査で脳腫瘍による水頭症と判明。腫瘍は約6センチに増大しており、見落としから約5年2カ月後の12年1月に摘出手術を受けた。女性は記憶力の低下や、左腕や左足にしびれなどの後遺障害が残り、15年に精神障害者保健福祉手帳を取得した。

 波多江裁判長は「見落としがなければ、定期的な経過観察で脳腫瘍の増大を発見し、早期に手術を受けることができた」とし、見落としによる過失と後遺障害との因果関係を認定。そのうえで逸失利益や将来介護費などから賠償額を算定した。

 判決後、女性の母親は記者会見で「病院には二度とこのようなことがないようにしてほしい」と話した。九州大は「結果として治療が遅れたことは、大変申し訳なく思う。判決文が届き次第、対応を検討したい」とコメントした。【宗岡敬介】 」


報道の件は私が担当したものではありません.
過失は明らかで争いようがありません.
このような事案は,不作為の因果関係と損害が争点になります.
1・6センチの脳腫瘍が見落とし期間中に約6センチに増大していたことから,ほぼ全損害との因果関係が認められた判決です.


谷直樹

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by medical-law | 2019-06-22 08:32 | 医療事故・医療裁判

「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」

「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給に関する法律」が施行された2001年6月22日にちなみ,6月22日が「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」とされています .
今年は,曜日の関係で,6月21日に厚生労働省の式典が開かれました.
慰霊碑献花の後,厚労大臣、総理大臣(メッセージ)、法務大臣の式辞があり,ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会,全国ハンセン病療養所入所者協議会,遺族代表の挨拶がありました.

谷直樹

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by medical-law | 2019-06-22 08:19 | 人権

長官所長会同

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最高裁で,6月19日,20日,高等裁判所長官,地方裁判所所長,家庭裁判所所長会同が開かれています.長官,所長のみならず,高等裁判所事務局長帯同の指示もされています.
裁判所にとって会同は大きな行事です.

報道によると,大谷直人最高裁長官は,裁判員制度をさらに発展させ根付かせていくために裁判員と裁判官が真の意味で協力していくこと,裁判員裁判の成果を刑事裁判全体に及ぼしていくことなど述べたそうです.
民事裁判のIT化について,手続きの一部をITに置き換えることにとどまらず,民事訴訟のあり方の抜本的見直しにつながる契機になる,と述べたとのことです.
2019年度中にウェブ会議などを活用した争点整理の運用が始まることについて,裁判官一人ひとりが現在の運用を批判的に考察し改革に主体的に取り組むことを求めたそうです.

谷直樹

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by medical-law | 2019-06-20 08:04 | 司法

薬局が処方箋の2倍量のワーファリンを調剤し,渡された患者が脳出血(報道)

毎日新聞「60代男性、調剤過誤で脳内出血 甲府の薬局、謝罪」(2019年6月19日)は次のとおり報じました.

甲府市若松町のウエルシア薬局甲府若松店で処方箋の2倍の量の抗凝固薬「ワーファリン」を渡し、60代の男性患者が脳内出血を起こしていたことが18日までに毎日新聞の取材で判明した。同薬局は調剤過誤を認め、男性側に謝罪した。【金子昇太】
2倍量の抗凝固剤渡す

 県などによると、県立中央病院(甲府市)の医師が昨年4月6日、男性の処方箋を出した際、1回分の処方量について「ワーファリン0・5ミリグラム 1・5錠」(計0・75ミリグラム)と記載したにもかかわらず、処方箋を受け取った同薬局は2倍に当たる「ワーファリン1ミリグラム1錠+0・5ミリグラム1… 」



報道の件は私が担当したものではありません.
最近は,ワーファリンよりDOACのほうが多いと思いますが,梗塞リスクと出血リスクのバランスを考慮して使用される薬ですので,2倍量のワーファリンを脳出血との関連性は推定されるのではないでしょうか.



谷直樹

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by medical-law | 2019-06-20 02:43 | 医療事故・医療裁判

胆管の内視鏡手術後に十二指腸穿孔の死亡事故,市が3805万円を支払い示談(報道)

朝日新聞「内視鏡手術後の死亡、3800万円賠償へ 石巻市立病院」(2019年6月15日)は次のとおり報じました.

「宮城県石巻市は14日、市立病院で内視鏡手術を受けた患者が1カ月後に死亡する医療事故があり、遺族に3805万円を損害賠償すると発表した。開会中の6月議会に議案を追加提出した。遺族との協議を踏まえて患者の性別や年齢は公表できないとしている。

 市立病院によると、患者は2018年3月27日に胆管の石を取り除く内視鏡手術を受けた。同29日夜に不調を訴えたが経過観察に。翌30日朝に容体が急変し、検査で十二指腸に穴が開いていることが判明した。転院先で手術を受けたが、4月27日に死亡した。

 市立病院側は、手術時の直接ミスではないが、電気メスで熱を加えたため、術後に弱い部分が開口した可能性があると結論付けた。管理が万全ではなかったと認め、「死亡と何らかの因果関係を認めざるを得ない」と判断。5月末に市が3805万円を支払うことで示談が成立した。(志村英司)」


上記報道の件は私が担当したものでぇありません.
胆石手術関連の十二指腸穿孔ですから有責として賠償することになったのでしょう.賢明な判断と思います.

【追記】
NHK「患者死亡 石巻市立病院が賠償」2019年6月25日は,次のとおり報じました.

「石巻市立病院で、内視鏡手術を受けた患者が1か月後に死亡し、病院を管理する石巻市は「術後の管理が万全ではなかった」として、遺族におよそ3800万円の損害賠償金を支払うことになりました。

石巻市立病院によりますと、去年3月、内視鏡手術を受けた患者が手術の2日後に「手足に脱力感がある」と不調を訴えましたが、医師は薬の影響と判断して特別な措置を行いませんでした。
ところがその翌日にもこの患者が体の震えや下痢などの症状を訴えたため、病院で検査したところ、十二指腸に穴が空いていたことが分かり、この患者は別の病院で手術を受けましたが、翌月、死亡しました。
この患者が死亡したことについて、石巻市立病院は手術にミスはなかったものの、速やかに検査を行わなかったことなど、「術後の管理が万全でなかった」と病院側の過失を認めています。
このため、病院を管理する石巻市は、遺族におよそ3800万円の損害賠償金を支払うことを決め、25日行われた市議会の6月定例会で関連の議案が可決されました。
石巻市立病院は「医療の安全について細心の注意を払っているが、今回の事案を厳粛に受け止めています。よりいっそう医療の安全に徹し、安心して医療を受けて頂けるよう万全を期したい」とコメントしています。」


谷直樹

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by medical-law | 2019-06-18 09:28 | 医療事故・医療裁判