弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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神戸市民病院機構,医療ミス公表

神戸新聞「神戸・中央市民病院で医療ミス 肝臓の腫瘍見落とす」(2019年10月29日)は,次のとおり報じました.

「神戸市民病院機構は29日、中央市民病院(神戸市中央区)で1件、西市民病院(同市長田区)で2件の医療ミスがあったと発表した。
 中央市民では昨年4月、80代男性の胸部単純CT(コンピューター断層撮影)で、担当医が肝臓に映った腫瘍を見落とした。男性は今年2月に別の病院で胆管細胞がんと多発転移を指摘されたという。同病院は男性と家族に謝罪し、男性は通院治療を続けている。

 西市民では今年6月、臨床検査技師が90代女性をベッドから車いすに移そうとして、支えきれず床に座らせた。女性は右太ももを骨折し、入院したという。また同月、50代女性に血液透析を行う際、装身具などを着けたまま体重を測定。実際より重い体重に基づき体内水分除去量を多めに設定し、女性は透析中に気分不良となった。いずれも患者と家族に謝罪したという。(長谷部崇)」


いずれも私が担当したものではありません.
このように医療事故を公表するように時代は変わってきています.

谷直樹

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by medical-law | 2019-10-31 09:33

全日本学生剣道優勝大会,中央大学が2連覇,14回目優勝

昨日千葉ポートアリーナで行われた 全日本学生剣道優勝大会で中央大学が優勝しました.

毎日新聞「学生剣道団体日本一は中央大 筑波大降し2年連続14回目優勝」(2019年10月27日)は次のとおり報じました.

「6人目の副将戦を終え、勝ち数は同じ。本数は中大が1本少ない場面だった。本間にとって、相手の星子は九州学院高の1学年下の後輩だが、昨年の世界選手権の日本代表メンバーに唯一、大学生で選出され、今年の個人学生日本一。「全然、実力は(向こうが)上。考えるよりも必死で取りに行った」と本間。それから約5分、前に出ながら相手の攻めをしのぐ。終了間際には捨て身でメンに飛び込んできた星子の手元が上がった瞬間に出コテを決め、優勝を自らの手でつかみ取った。」

本間君凄いですね.
ちなみに九州学院高校の米田敏郎監督は中央大学出身です.

谷直樹

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by medical-law | 2019-10-28 00:40 | 日常

和泉市の無痛分娩死亡事故,大阪第四検察審査会が「不起訴不当」と議決

和泉市の無痛分娩死亡事故について,遺族が平成31年4月9日の大阪地方検察庁の不起訴処分について検察審査会に審査を申し立てていました.
大阪第四検察審査会は,令和元年10月10日「本件不起訴処分は不当である。」と議決しました.(議決書作成は令和元年10月24日です.25日に郵送され,26日に私のもとに届きました.)
「議決の理由」には次のとおり記載されています.

「1 本件は,被疑者から硬膜外麻酔による無痛分娩の施術を受けた被害者が,低酸素脳症となり死亡したという医療過誤事案である。
2 当検察審査会は,被害者の死亡という痛ましい結果を踏まえ,本件不起訴記録並びに審査申立書を精査し,慎重に審査した結果,本件被疑者には,患者が自らの命を託した医師に対する信頼を根底から覆すものというべき過失があると判断し,検察官に再考を求めるため上記趣旨のとおり議決した。」


議決書は過失について具体的に特定していませんが,一般市民の良識として本件の過失が重大で不起訴が不当であることを指摘しています.
無作為に選出された日本国民11人の過半数によるこの議決を真摯に受けとめて,大阪地方検察庁が再捜査して起訴することを切に願います.
医師が添付文書に反する局所麻酔薬の使用により全脊髄くも膜下麻酔(全脊麻)の状態にしたことについては,大阪地方検察庁は捜査を十分尽くされていませんので,しっかり再捜査して起訴していただきたいと思います.
なお,私は本件遺族の代理人です.

谷直樹

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by medical-law | 2019-10-27 03:53 | 無痛分娩事故

読売新聞社説,ハンセン病補償 理不尽な差別取り除く施策を

2019年6月28日の熊本地裁ハンセン病家族判決は,1996年のらい予防法廃止後の,厚生労働大臣,法務大臣,文部科学大臣の偏見差別除去義務違反を認めました.
それをふまえて,読売新聞社は,2019年10月26日の社説に「ハンセン病補償 理不尽な差別取り除く施策を」を掲載しました.

谷直樹

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by medical-law | 2019-10-27 03:31 | 医療事故・医療裁判

横浜市立大学附属病院,コンピュータ断層撮影(CT)の診断結果の確認不足による動脈瘤の適切な治療の機会を逸した医療事故公表

公立大学法人横浜市立大学附属病院は,2019年10月24日,「横浜市立大学附属病院におけるコンピュータ断層撮影(CT)の診断結果の確認不足による動脈瘤の適切な治療の機会を逸した医療事故について」を公表しました.

「横浜市立大学附属病院におけるコンピュータ断層撮影(CT)の診断結果の確認不足による動脈瘤の適切な治療の機会を逸した医療事故について」は概要について次のとおり述べています.

「公立大学法人横浜市立大学附属病院(674床、横浜市金沢区福浦3-9、病院長相原道子、以下「附属病院」という。)において、平成29年6月に実施したCT検査の診断結果が確認できておらず、動脈瘤の適切な治療の機会を逸した医療事故が発生しました。患者様は令和元年9月にご逝去されました。」


原因について,次のとおり述べています.

「平成29年6月に腎臓の形態確認を主な目的として撮影されたCT画像を、放射線診断医師が読影し、「両側内腸骨動脈瘤の増大」を指摘する報告書を作成しましたが、診断報告書を閲覧した腎臓・高血圧内科医師は、動脈瘤の記載を確認しておらず、破裂の予防につながる対応を取る機会を逸したことが原因と考えています。また当時は、画像診断結果の重要性を示すシステム上の機能や異常所見に対する適切な治療を確認するしくみがなく、組織としての確認体制が整っていませんでした。」

今回の対応と再発防止策について,次のとおり述べています.

「院内医療事故会議を9月中に計4回開催し、本案件について経緯の詳細な把握を行うとともに、同様の類似事例に関する調査について検討しました。
その結果、平成27年10月~平成30年9月の3年間を対象期間として、動脈瘤などの類似症例を抽出し、現在、該当する3,753件の画像診断報告書について、各診療科において対応状況の確認を進めています。(平成30年6月に公表したCT検査結果の共有不足による医療事故を受け、実施した画像診断報告書の調査では、悪性腫瘍などについて実施しており、動脈瘤などの血管病変はその調査対象にあたらなかったため発見できませんでした)。
また今後、外部委員を含めた医療事故調査委員会を設置し、原因究明や再発防止に必要な調査を行う予定です。

再発防止策としては、CT検査結果の共有不足による医療事故を教訓に、平成30年10月に画像診断報告書が未開封のまま放置されることを防止する【未読/既読管理システム】を導入しました。
また、一定の基準(主治医に的確に伝えるべき画像所見の分類:英国The Royal CollegeofRadiologists(RCR))に基づき、重要な異常所見については報告書に重要フラグを表示し、「重要フラグ」付き報告書に従って患者に適切な対応が行われたかを毎月確認し、さらに主治医に的確に伝えるための連絡体制を設けています。
現在はこれらの対策により、画像診断報告書に対する確認体制を徹底しておりますが、認識を新たにするため改めて周知徹底を図るとともに、引き続き再発防止に努めてまいります。」


報道の件は私が担当したものではありません.
せっかくCT検査を行って「両側内腸骨動脈瘤の増大」を指摘する報告書が作成されたのに,それが共有されなかったのは本当に残念です.
CT画像診断報告書を読まない主治医はどこの病院にもいるようです.
日本のすべての病院で検査結果を共有するためのルールを決め,ルールが守られるることを望みます.


谷直樹

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by medical-law | 2019-10-26 16:00 | 医療事故・医療裁判

秋田地裁令和元年10月23日判決,注射針による神経損傷で約1320万円の支払いを命じる(報道)


秋田魁新報「「医療ミスで障害」 秋大病院に1320万円賠償命令、地裁」(2019年10月23日)は 次のとおり報じました.

 「秋田大医学部付属病院(秋田市)の医療ミスで腕や手に障害を負ったとして、同市の50代女性が秋田大を相手取り約4800万円の損害賠償を求めた訴訟で、秋田地裁(綱島公彦裁判長)は23日、同大の過失を認め、同大に約1320万円の支払いを命じた。

 訴状によると、女性は2016年9月25日、胸の痛みを訴えて同病院に救急搬送された。診察した研修医は、静脈路確保のため右腕に針を刺した際、女性の腕の神経を傷つけ、強い痛みを訴えても数秒間中断しなかった。女性は右腕や右肘の可動域が狭まるなどの後遺症を負ったという。


報道の件は私が担当したものではありません.
医原性の神経損傷については基本的に訴訟前に解決すべきと思います.ただ任意の支払いに応じない医療機関もありますので,このように提訴,判決に至るのもやむをえないでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2019-10-26 00:46 | 医療事故・医療裁判

幸運の二重虹

昨日は千葉県に行っていました.前方がよく見えないくらいの激しい雨で,傘をさしてもずぶ濡れになりました.
昨日夕方,静岡県森町などで二重虹が出現したそうです.二重虹(ダブルレインボー)は光が雨粒に二回反射することでできます.洋の東西を問わず吉兆とされています.
このところ,日本列島は災害続きですが,悪いことの後には良いことがあることを願いたいです.

谷直樹

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by medical-law | 2019-10-26 00:34 | 日常

名古屋市立西部医療センター,肺塞栓症を疑わず患者死亡,直腸がんの可能性指摘を読まず患者死亡の2件の医療事故を公表

NHK「西部医療センターで医療ミス2件」(2019年10月23日)は次のとおり報じました.

名古屋市立西部医療センターで、がんの可能性を指摘するMRI検査の報告書の記述を見落とすなどの医療ミスが2件あり、患者2人が死亡していたことが分かりました。

名古屋市立西部医療センターの発表によりますと、平成28年の5月に、入院中の60代の女性患者が、3回、意識を失う発作を起こしましたが、軽度の病気と診断しました。
しかし、その数日後、この女性患者は、再び意識を失う発作を起こし、そのまま、診断された軽度の病気ではなく、肺の動脈に血栓が詰まる病気で亡くなりました。
また、おととし9月には、当時70代の男性患者のMRI検査を行い、直腸がんの可能性を指摘する報告書が作成されましたが、これを主治医が見落としました。
その半年後には、この男性患者が直腸がんを発症していることが判明しましたが、ことし4月に死亡しました。
西部医療センターは、この2件について病院の医療ミスと認め、桑原義之病院長は「元気になりたいと治療を受けている中
で亡くなった2人の患者とそのご家族には心からおわび申し上げます」と陳謝しました。」


報道の件は,私が担当したものではありません.
いずれも少しの注意を払えば防止できたと思われますので,とても残念です.


谷直樹

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by medical-law | 2019-10-24 09:16 | 医療事故・医療裁判

熊野市で講演「よい医療を受けるために」

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今日は,熊野市の講演に行ってきました.
私の話が良い医療のために少しでも役立てば幸いです.
紀南地域ミニ人権大学講座の1コマで,「よい医療を受けるために」というテーマでお話をさせていただきました.
特急南紀3号には車内販売がないのですが,駅弁の「あら竹」さんに電話で申込むと松坂駅でドア口までお弁当を持ってきてくれます.「牛肉弁当」は美味しかったです.

谷直樹

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by medical-law | 2019-10-23 23:49 | 医療

岡山市立市民病院,重篤な肝機能障害の疑いがある患者の食道を再建手術で肝臓の一部を切除した事案で提訴される(報道)

山陽新聞「「明らかな医療過誤」と遺族提訴 岡山地裁、60代男性死亡で」(2019年10月18日)は次のとおり報じました.

「岡山市立市民病院(同市北区北長瀬表町)で食道がんの手術を受けた倉敷市の60代男性が死亡したのは、執刀した医師が術前検査を十分に行わず、術式を誤ったためとして、男性の遺族が、病院を運営する地方独立行政法人岡山市立総合医療センターと医師に慰謝料など総額約6180万円の損害賠償を求める訴えを岡山地裁に起こしたことが17日、分かった。

 訴状などによると、男性は2017年2月、同病院の検査で早期の食道がんが見つかり入院。当時、アルコール依存症で重篤な肝機能障害の疑いがあり、手術のリスクを踏まえて放射線療法など他の治療法も検討するべきだったのに、医師は肝機能検査を行わず同年3月、がんの患部を切除し、胃管を用いて食道を再建する胸腔鏡(きょうくうきょう)手術を行った。

 医師は2日後、出血性ショックに陥っていた男性に対し、約10時間に及ぶ止血や別の臓器を用いた無理な食道再建手術を実施。しかし男性はその4日後に容体が悪化し、翌日死亡した。

 医師は最初の手術の際、食道再建の妨げになった肝臓の一部を遺族に説明することなく切除しており、遺族側は「必要な検査と説明をせず、適切な治療を受ける機会を失わせた」と主張。岡山地裁に証拠保全を申請して入手したカルテを第三者の専門医に示し「明らかな(医療)過誤がある」と判断された鑑定書も証拠提出している。

 提訴は今月10日付。男性の30代長男は取材に対し、手術の途中で手術室に呼ばれ、開腹した状態で臓器を見せられたと言い、「家族の感情を無視したあまりにも不誠実な対応だ」と話した。

 岡山市立総合医療センターの松本健五理事長は「訴状が届き次第、内容を精査し、適切に対応したい」としている。」


報道の件は私が担当したものではありません.
術式選択については医師の裁量がありますが,進行肺癌患者の左肺全摘出手術,肝転移癌に対する肝切除術などで,適応がないとして責任が認められた裁判例があります.
報道の件が新しい裁判例になるか注目したいと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2019-10-23 01:25 | 医療事故・医療裁判